5月になりました。
もう帰国から1か月以上経っちゃったんだ。
リハビリ気分でいたのに、あっという間。
月日が流れるのが早いのは、歳を取った証なんだとか。
うれしくな~い。
今、日本での私の唯一の習い事はお料理です。
月に一度だけ、イタリア料理を習っています。
ケチケチ生活を送る無職の私の、ただひとつのぜいたく。
マクロビじゃないけれど、月イチくらいなら。
奈良に住んでいた頃から習っていたのですが、
引っ越した今も、奈良まで習いに行ってます。
私のほかにも遠方からの生徒さんは多くいらっしゃいます。
そのくらいの価値がある教室なんですよ!
生徒さんはセレブっぽい方も多いですが、ご庶民も多いです。
先生の気さくで明るいお人柄ゆえ。
でも、皆さまの暮らしぶりをお伺いしていると、最下層は間違いなく私かと。
着ている服や身に着けているもの、持っているかばんがもう、違うもんなー。
話し方もちがうしー。
だけど、皆さま、優しくしてくださいますよ。
そのへんはやっぱりオトナだから。
教室は先生のご自宅の広くてきれいなキッチンを使って開催されます。
サロン形式で、半分くらいは先生がお作りになるのを見ている感じ。
レッスンは、1クラス3人から6人。
先生が作業の分担を指示してくださいます。
とはいえ、先生は各生徒の能力とやる気もよくわかってらっしゃるので、
私はほとんど食べるの担当です。
本当においしいんですよ、この教室のお料理。
お料理は、イタリアの20ある州を毎月ひとつずつテーマに、コース仕立てで習います。
各州とも、その地ならではの野菜やくだもの、お肉や魚が採れ、それらを生かした郷土料理があるのです。
だから、レッスンの最初はその日のお料理の説明にからめて、歴史や地理のレクチャーを受けます。
先生は素材が何かわからないようなものは一切使わないというポリシーなので、
ブロード(基本のスープ。フレンチではコンソメ)を作るのだって、
コンソメの素なんて使わずに、骨つき肉、野菜、ハーブからきちんと作るのです。
パスタにかけるチーズだって、パルメザンチーズなんてものは使わず、パルミジャーノレッジーノなどをその都度おろします。
食材も、日本の一般家庭では手に入らないような、ほろほろ鳥や仔牛、生きたタコなんかを使うことも。
もちろん生パスタだって、自分たちで作っちゃいます。
これが、おいしくないわけがないでしょう。
もしかしたら、そんなことは全部、世間のイタリア料理教室では常識なのかもしれませんが、
私、田舎モノなので、初めてのときから感激しっぱなしです。
アンティパスト(前菜)から、プリモピアット(最初のお皿)、セコンド(2番目のお皿)、ドルチェ(デザート)まで。
すべて作って、食事のときには、
ワインも大好きでお詳しい先生がセレクトした、その月のテーマにあわせたワインをいただきます。
今月は「ルナ・コンティ・ゼッカ」、プーリア州のワインでした。
しかも、お料理もドルチェも、量がたっぷり。(←ここ、重要!)
先生は、
「さあ、今日も食え食え地獄ですよー!」と、にこやかにおっしゃいます。
これでレッスン料金が5,200円って、すごくないですか?
東京で同じような形式のところを調べたら、料理2品とワインで6,300円でした。
高っ!
いや、先生のところが安すぎるのか?
味も量もレッスン料金も私にぴったり。
うなるほどです。
だから、今も神戸からはるばる奈良まで通っているのでした。
またこの教室に通えることをどれだけ待ち望んでいたことか!!
記念すべき再スタートの今月は『おもてなし料理』ということで、テーマとなる州はありませんでした。
が、おもてなし料理なだけに、いつもより少しだけよそゆきで、相変わらずおいしかったです!
アンティパスト2種
Dadolata di pollo con insalata russa
(サイコロに切った鶏肉を乗せたサイコロジャガイモサラダ)
(サイコロに切った鶏肉を乗せたサイコロジャガイモサラダ)
Galletta di zucchini e formaggio
(ズッキーニとパルミジャーノのおせんべい)
イタリアでロシア風っていうサラダは、ジャガイモを使ったものらしい。
(ズッキーニとパルミジャーノのおせんべい)
イタリアでロシア風っていうサラダは、ジャガイモを使ったものらしい。
サイコロ野菜とマヨネーズ。
マヨネーズはオリーブオイルを使った手作り。
それも、ジュースのようなフレッシュで濃厚なものと、レモン入りのさわやかなものを2種類ブレンド。
鶏肉ソテーちう。向こうはトマトソース。
鶏肉は、ちまちまちま、と気の遠くなるような作業でもって、筋をきれいに取り除いてあります。
器はひとつひとつ色の違うベネチアングラス。かわいすぎる。
ズッキーニは、スライサーだと薄すぎるからと、一枚一枚包丁で切って、塩をした後、また一枚一枚水分をふき取ったもの。
それを丁寧に、間におろしたてのチーズをはさんで二重に敷きつめます。
ちまちまちま。
どちらも気の遠くなる作業だけれど、食べるのはぱくり。
5分もかからない。
めんどうくさくて、たぶん家では作れない。
プリモピアット
Spaghetti al pomodoro con maozzarella e saimone e basilica
(スパゲッティ フルーツトマトのソース モッツアレラとサーモンとバジルソース添え)
甘くさわやかなトマトソースとバジルソースの組み合わせがたまりません。
フルーツトマトって、とっても甘い。
そのトマトも、露地モノの夏場より、今のハウス栽培のモノのほうが糖度が高いらしい。
それを惜しげもなくソースに使ったパスタ。
もったいなくて、たぶん家では作れない。
バジルソースは開けた瞬間に香りが広がる、広がる。
こちらの豹がらエプロンが先生。
「猟師さんに撃たれるよ、ってお友だちに言われちゃった」と。So cute!!
セコンドピアット
Polpettine di riso e seppie su vellutata di lenticchie
(イカとお米の団子 レンズ豆のペースト添え)
イカはフードプロセッサーでミンチにすると食感がイマイチだから、と、ちまちまちま、と5ミリサイズに切ったもの。
(イカとお米の団子 レンズ豆のペースト添え)
イカはフードプロセッサーでミンチにすると食感がイマイチだから、と、ちまちまちま、と5ミリサイズに切ったもの。
この大きさに切りそろえてこその、絶妙な歯ごたえ!!
お米は前もって湯がいてから使います。
レンズ豆は私の大好物。 レンズ豆のペースト作ってるちう。
その大好きな豆のペーストの上に紋甲イカならではの甘みとむちっと感のお団子。
本当においしくて、おなかいっぱいでもまだ食べたい味でした。
でもこれも、イカを切るのが大変だったから、作れないかも。
ドルチェ
Mele ripiene meringata
(詰め物をしたりんごのメレンゲ焼き)
焼きりんごの一種かな。見た目もモコモコしてかわいらしい。
(詰め物をしたりんごのメレンゲ焼き)
焼きりんごの一種かな。見た目もモコモコしてかわいらしい。
詰め物の中身は、りんご、くるみ、ビスケット、チョコ、ラムレーズン…
好きなものばっかりだから、食べる前からおいしいってわかります。
とっても美味だけど、カロリーが気になって自分では…結局、全部作れないのか!!
さて、私、
マヨネーズを攪拌するブレンダーの押さえ役だったのですが、(ね?先生って、適材適所のなんたるかをわかってるでしょ?)
出来上がりを味見させてもらって、そのおいしさに衝撃を受けました。
これをしっかり押さえるのが私。大事なお役目です!
器に移してからも、ブレンダーに残ったものを指ですくってはなめて、「おいしい!!」を連発。
しつこく連発していたら、返り際に残ったマヨネーズとともに、こんなものをいただいちゃいました。
レモン入りのオリーブオイル。
わー、うれしー!!
これからもほめ上手をめざそう!!
これ1本で、ソースもドレッシングも思いのまま!
だけど、使うのがもったいなくて、まだキッチンに飾ってあります。
ということで、私の料理上手への道は遠い。
そもそも目指しているのか疑わしい。
おいしいものが食べられたら、それでしあわせなんですよ。
再開第一弾も、
期待を上回るおいしさとボリューム、そして先生のサービス精神に完全にノックアウト。
来月も楽しみだなー!!
・たはんるですね、わざわざ。
・そのお料理教室、行った事
ないけど、momoさんの文と
写真(のレイアウト)で、
雰囲気がめっちゃ伝わって
きます。前菜からドルチェ
まで、手がかかってること!
・わたくしごとですが、ボク
は不器用なので、写真撮っ
てしまうと、食べるの忘れ
そうになったり、逆に(お
いしそすぎて)写真撮る前
に食べてしまったりします。
・まして、作る、食べる、写
真撮るの3つを1人でする
ことは、ボクにはムリです。
これ「至難の業!」かと。
食べるのを忘れそうになったことは、一度もありません!
そうか、ここがいぐいぐさんと私の違いかー。
他にも色々ありそうですが。
いぐいぐさんに朗報です。
この教室はいぐいぐ邸におそらく近くて、
そして先生は新たに「男子厨房に入るクラス」も開講なさいました。
(URL貼り付けてみました。)
ぜひ、おいしいものを知っているだけではなく、
おいしいものをつくれる新しいいぐいぐさんを
発見してください。
自分で作る手打ちパスタはとてつもなくおいしいです!
あ、私の場合は、食べるの専門だから、
目の前で作られる手打ちパスタ、です。