ぽれぽれ百綴り

犬好きおばさんのんびり雑記。

運命ですよ。独身なら。

2019-04-08 00:15:15 | 外出&食い意地
週イチで通っているクリニックに向かう道に、
大変な人気を誇るお菓子屋さんがあります。

マモンエフィーユ』という店名で、母と娘って意味だそうです。



(駅からも離れた住宅街にあるお店。写真は午後に撮ったから人影もなし)


選りすぐりの材料を使って丁寧に作られたお菓子はどれも美味しいのですけれど、
大行列のみなさまが目指すスイーツはただひとつ、
フレンチビスキュイ』なるクッキーです。

店舗を持たない時代はデパートの催事などで登場するスタイルだったみたいで、
あっという間に商品完売してしまう伝説のお店だったとか。

全然知らずにちょくちょくチマチマ買っていたのですが、
(御影価格だからしょっちゅうとか、たくさんは無理)
店舗の存在が知られてからは開店前から行列がすごくて寄りつけなくなりました。

大人気クッキーが売り切れた時点で行列はなくなります。
この日、店外に行列が見えなかったから入ってみると、
店内に十数人の短い行列。

今日はこの列の終わりがクッキーの終わりなのかな、
とスタッフの方に聞いてみたならば、
「本日はまだございます」って。

並んでみようではありませんか。

行列ができてからのシステムを知らなかったのでスタッフさんに教えてもらいました。
ついでに「◯◯はもう置いてないの?」とか、
お気に入りのスイーツについて聞いてみたり。

私の前にはスイーツともこのエリアともご縁のなさそうな、
私と同年代の作業着を着た無骨な男性が。

装いでいうなら、
私だってこのエリアに縁遠いのですけどね。

私たちのやりとりを見てか、
「私は初めてなんですが、ここ、そんなに美味しいんですか?」と話しかけてきました。

聞けば、姫路にお住まいで、
出張で三宮に行くことになったと奥さまにおっしゃったところ、
「このお店でこれと他に何か買ってきて!」
と、カラーコピーを手渡されたとか。

お店の伝説、私のオススメなどを教えて差しあげました。

お店は阪急御影駅が最寄りですが、
三宮から大阪方面へいくつか離れた小さな各停の駅です。
姫路からだと出張先からさらに足を延ばすことになる。

「わざわざこんな不便なところまで?
奥さま思いでいらっしゃるんですね」

「うちのカミさん、怖いんです。
稼ぎもいいから主張もしっかりするんですわ」

看護師のご令室は彼に負けないくらい収入があるらしい。
しっかり働き、しっかりものも言う。
それは素晴らしいこと。

行列が進み、ショーケースのお菓子と値札が目につく距離になりました。

「うっわ!たっかっ!なんですかこれ!」

「うーん、御影価格なんでしょうね。
このあたりって高級住宅地でセレブリティがお住まいみたいですから」

「近所に住んでいて、歩いて来られるあなただってセレブでしょ?」

「いやいやいや。
全身ユニクロの私がそんなわけないですやん。
それに私が住んでいるのはもっと下のほう、
JRと阪神の間にあるご庶民エリアの賃貸マンションですよ」

西宮から芦屋、神戸にかけては、
海と六甲山の山並みに南北を挟まれた、
東西に細長い土地に街が発展しておりまして。
山側(北)から阪急線、JR線、阪神線と三本の鉄道がほぼ平行して走っています。

あくまでここに越して来た私の印象ですが、
住吉・御影に関しては、
JRより北側くらいから阪急線を越えて海の見えるあたりまで登ったくらいまでが、
いわゆる格式ある高級住宅地。
そのエリアより山側(北)に行くと昭和から平成になって開発された振興住宅地、
海側(南)に下がるとご庶民度が増す感じ。
高級住宅地には映画のロケにも使われるような、
門構えもすごいお屋敷がいくつもあったりします。

私が下手な説明をするよりも、
わかりやすい記事を見つけましたよ。

ここに越して来たときは、
関西の高級住宅地筆頭は芦屋と思い込んでいたもので、
(関西の田舎の庶民にありがちな思い込み)
海を見ようと山側に向かってランニングしては、
(奈良県出身だから海が珍しい。
あと、なんとかと煙は高いところに登るその典型)

お城ですか!じいやが出てくるんですか!
っていうような豪邸を目の当たりしにて驚いたものです。


大幅に逸れた話を戻しましょう。


控えめにひとつひとつ選ぶその男性の横で、
私たちの前の上品なご婦人がカゴをいくつも抱えて、
これでもかと大人買いしています。

「セレブや」、ぼそりと男性。

「間違いありません」、ぽつりと私。


「お持たせにたくさんいるだけですよ」

ご婦人は笑いながら答えてくださいました。

いや、ここのお菓子を山盛り購入するような、
そんなおつきあいがあるってあたりがもうセレブリティ。
生活レベルの差を感じます。

やっと自分たちのお会計の順番になりました。
まず男性が済ませて、私に挨拶をしてくださり、
お店を出てゆかれました。

いいひとだなあ。
きっと奥さまに喜んでもらえることでしょう。

私もチマチマしたお買い物を済ませました。


(上:私のお買い物3点。赤の効いた缶がかわいいですよね。
下:クッキーは習いごとに持っていき、おやつにいただきました。ふつうに美味しい)



ついでにスーパーに寄って帰りましょう。


と、
しばらく歩くと、

「あれ?」

信号待ちをしている先ほどの男性を発見。

「また会いましたね」

阪急御影駅に向かわれたと思っていたら、そうじゃなかったみたい。


途中までご一緒して、

「お気をつけて」とまたお別れ。


スーパーでお買い物をしていると、

「えっ!?」

「えー!?」

またその男性が!

JR住吉駅に向かうのに、
スーパーを通り抜けしようとして私を見つけたもよう。


「もう、お昼ごはんでもご一緒しませんか?」

「そうですね。いい時間ですもんね」


来た道を戻ることになるのですが、
一度行ってみたかった中華料理屋さん『四川』に向かいました。

ランチの時間帯はいつもお店の外までお客さまで一杯です。
ご近所ですのに、
何分シロクマ相方は食事で並ぶことや予約することを嫌うので、
行ったことがなかったのですよね。


(おトクなランチセット。私の主菜は海老の炒めもの)

これは人気なわけです。
美味しいうえにひとり分とは思えないほどボリューミー!

取り皿もいただけたので、
見知らぬ男性とシェアしましたよ。笑
彼が選んだこのお店の名物、スパイシーな四川麻婆豆腐もしっかりいただきました。美味。

ふたりともよく食べ、
お仕事や配偶者のことなどよく話しました。

名前も聞かず。

ずっと行きたかったお店にも行けたし、
美味しいお料理を食べて、
とても楽しい時間を過ごせました。

お互い独身だったら運命を感じるところでしたね。


ご覧いただきありがとうございました。