ぽれぽれ百綴り

犬好きおばさんのんびり雑記。

おいっこひとり暮らし

2017-07-05 10:10:15 | 日々の暮らし
無事下山、帰宅してます。

出発前から風邪気味だったのが移動日含め、登山中は一切症状が出ず。
それが、帰った翌日からその続きを引継いだかのようにまた熱っぽくて。

不思議だなあ。
おとなしく寝ています。

そういうわけで本日はストックを棚卸し。


おいっこ、ケンタ(弟の長男)のお話は以前したのですが、
今回は兄の方のおいっこの話。

この春、大学に入学したおいっこ、ゴン(←仮名です)。


(入学お祝いのお返しにもらった鯛茶漬けセット)

この仮名には思い入れがあります。

「生まれてきた子に会ってみないと、名前なんてイメージがわかない」
彼が生まれる前、兄はそんなふうに言いました。

私にしてみたら、
男の子の名前と女の子の名前、一個ずつ考えときゃええやん、
ってなもんですが、そういうわけにはいかないらしい。

兄ヨメが難産の末に無事出産すると、
生まれてきたけれど、イメージがわかない
と、なかなか名前が決まらず。

その間、「名前がないのは不便」ということで、
彼はゴンと呼ばれていました。

名無しのゴンね。

産後14日の届け出期限が迫るなか、

もう「ゴン」でいいんちゃう?

そやな、誰にでも呼びやすいし。


と、決まりかけたものの、
素敵な漢字が見つからないという理由で、
なんとか『命名ゴン』は免れ、
兄の名前から一字を取ってまともな名前がつけられたのでした。
(全国のゴンさん、失礼をお許しください)


さて、ゴンは大学受験に際し、ひとつ条件を出していました。

「ひとり暮らしをさせてくれること」

ですが、
兄夫婦も応援できる彼の第1志望は自宅通学圏内。
どうしても親元を離れて生活してみたい彼は、
それが叶わないなら、
「勉強しなくても合格できる、遠くの大学しか受けない!」
と、両親に言い放ちました。

自分の将来のことをそんな安易に決めようとするあたり、
ゴン、アホやな。

10代なんてそんなもんですかね。(←遠い目)

両親にしてみたら、
そもそもひとり暮らしなんて心配だし、
まだゴンの下に妹(←あすか・仮名)だっているのだし、
どうせ厳しい経済事情から費用を捻出するなら、
留学とか大学院進学とか、もっと建設的な使い方をしてほしい。

でも、ヘソを曲げられ、行ってほしくない大学へ進学されてはたまりません。


兄夫婦は、
「まずは自宅から通ってみて慣れてから…」と提案。

そうしてこの春、
ゴンは1年の浪人生活を経て、
見事に第1志望の大学合格を果たし、
いちばん行きたかった学部に入れました。

4月、5月と約束どおり自宅から通ったものの、
アクセス不便で時間がもったいない。

ゴンの希望→ひとり暮らしをしたい。
兄夫婦の希望→ひとり暮らしの不安を払拭し、出費をおさえたい。

そこで私は提案しました。

そのふたつを同時に解決する道があります。

寮に入るのです。




ズバリ、

吉田寮はどうでしょう?


吉田寮
それは日本最古の学生寮、築100年を超えるノスタルジックな木造建築。
代々の学生たちのカスタマイズを経て、21世紀に現れた異空間。
そこはカオスの世界なのであります。

いまや玄関ドアも破壊されたか崩壊したか影も形もなく、
風通しの良いことは他の追随を許しません。
学びの延長線上にある大学寮において、
風通しの良さは何より重要なことではないでしょうか。
震度1、2の地震でさえ、無事に安堵し、
生きている喜びを実感できるのも現代っ子には大切なこと。

外観は『ハウルの動く城』、あれの動かない感じ、
治安と衛生面はバンコク、カオサン通りのゲストハウスを想像していただければ。


学生時代、
私は友人の住むこの寮に初めて泊まらせてもらったとき、

怖くてひとりでトイレに行けませんでした。

だって、学生運動の名残のメッセージが、

トイレの壁一面、
ダイイングメッセージのように殴り書きされていたんですよ。

個室にたどり着く前にもらしそうでした。

鍵もガチャガチャとかかりにくかったですし。

そして、彼女のお部屋の鍵もしかり。
さすがに1回でかかるけれど、
寮生のみなさんは鍵ナシでの開け方を知っている
という出入り自由のフリーダムさ。

先輩や同級生の男子が、どすどすと、
「あおちゃん、友だち来てんのー?」とか言って入って来るのです。

奥さん、ココ、男女共同なんですよ。
圧倒的に男子が多いのですよ。

18のムスメをこんな寮に入れる親御さんの気が知れない!

と、私がつぶやくと、
彼女は冷静に言いました。

「うちの両親、ここに来たことないからね。
寮なら安心って思ってるんでしょ」って。

奥さん、
大事なムスメさんを預ける先は必ず下見しましょう。

けど、2回め、3回めはコツもわかり(←
何の?)、
楽しくお泊まりさせてもらいました。
(あおちゃんは、外出時と夜は南京錠をかける習慣でした)

女の子なら心配だけど、
男の子ならたくましく育ち、
ユニークな人間になりそうじゃない?


そんな私の素敵な提案ですが。




絶対アカン!



と、ゴンと兄夫婦、



口をそろえて光速却下




ですよね。



いまも逮捕者とか出してるみたいですもんね。
余計に心配ですよね。


ということで、ゴンは7月から吉田寮
の、となりのワンルームマンションでひとり暮らしを始めることになりました。


(鯛のもなかの中にフリーズドライの具が入ってます。
かわいくてもお味は本格的。旨し!)

お茶漬けをすすりながら、
おばはゴンの大学生活の実り多きを願うばかり。


ご覧いただきありがとうございました。