うろキョロ散歩

楽しくお散歩をするのが唯一の趣味。
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「諸葛孔明対卑弥呼」 

2007年02月27日 | ブックスタンド
町井登志夫著 ハルキ・ノベルス刊

あらすじ
同時代を生きた三国志のスーパーヒーロー諸葛孔明と、日本古代史上最大の女王卑弥呼が繰り広げる戦い。第2回小松左京賞受賞作家が贈るインパクトあふれる架空古代戦記。

感想
諸葛孔明と卑弥呼という、ミステリアスさではひけをとらない2人の人物が、同じ時代を生きていたことに着目した小説が登場した。
しかもこの両者が正面切って対決するというのだ。もう、このタイトルだけでも勝ったも同然だ。倭国で繰り広げられる諸王と卑弥呼の駆け引きや倭国の描写も面白く、むしろここを1巻使ってじっくり読みたかったという気さえする。
とはいえ、若干不満な部分がないわけではない。主人公の不在と主人公らしき人間の浅はかさだ。これは「斑鳩宮始末記」の子麻呂のそうだがこの本の準主人公難升米も外交官という肩書きなのにあまりにも世情に疎すぎて、アホかと思われるような人間像な事だ。

諸葛孔明も卑弥呼も基本的には正体不明のミステリアスな人物であり、人を動かすのが仕事の軍師であり、基本的には「どこにいるのか、何を考えているのか判らない」人物だから読者としては感情移入がしにくい。そのような役回りの人物としては、奴国の王子である難升米が登場し、卑弥呼の謎に迫ろうとしているが結局は周囲の策謀に翻弄される狂言回しに終わっている。

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