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もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1 「ハムレット」  見てきました

2024-06-16 02:22:19 | お芝居
彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1 「ハムレット」 さいたま芸術劇場 2024.05.25 14:00~

蜷川さんのシェイクスピアシリーズ、37作すべての演目を上演終了したのが、2021年の「終わりよければすべてよし」
あ!そのあと、コロナで中止になった「ジョン王」の上演がありましたが。

そして、2ndとして、吉田鋼太郎さんが、またシェイクスピアシリーズを開始。。。
第1弾は「ハムレット」そして主演はカッキー。
となれば、見に行くしかないですよね。と、久々にさい芸に行ってきました。




中学校の前の手形・・・・まだ、直人のもありました(ニコニコ)
カッキーもあったよ。




「ハムレット」は話の内容は有名だけど、私は上演を見たことがないかも。。。
昔に本は読んだことあるんですけどね~
ということで、Wikiであらすじだけはおさらい。

話の内容は
「デンマーク王国では、2ヶ月前に王が亡くなり、先代の王の弟クローディアス(吉田鋼太郎)が王に即位。そして、先代の王妃ガートルードはクローディアスと再婚する。父の死の悲しみも冷めぬ間に母が叔父と再婚したことに、王子ハムレット(柿澤勇人)は憤りを感じていた。
ある日、従臣から亡き王の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現れるという話を聞き、ハムレット自身も確かめに行く。父の亡霊に会ったハムレットは、父の死はクローディアスによる毒殺であったと告げられ、復讐を決意する。 
やがて、叔父クローディアスが父である王を暗殺した確かな証拠を掴んだハムレットは、王妃ガートルードとの会話を盗み聞きしていた侍従長ポローニアスを、クローディアスと誤って刺殺してしまう。ポローニアスの娘で、ハムレットの恋人であったオフィーリアは、悲しみのあまりに正気を失い、川で溺死してしまう。
ポローニアスの息子であったレアティーズは、父と妹の仇をとろうと怒りを募らす。クローディアスはハムレットの存在を恐れ、復讐心を持ったレアティーズと結託してハムレットを剣術試合に招き、毒剣と毒入りの酒を使って殺そうと画策する―。」(公式より)

3時間半超という長丁場の芝居でしたが、集中してみることができました。
役者さんの熱量が半端なく、エネルギーがビシバシ伝わってきました。
客席の通路も使うことが多いので、通路に近い席だったので、カッキーとか、白洲くんとか近くで見てほれぼれしちゃいました。

舞台装置はシンプル。さい芸の舞台は奥行きがあるので、それをうまく使っているなと思いました。

蜷川さんのときのシェイクスピアシリーズは、原作というか訳本に忠実なせりふ回しのところが多かった感じだけど
鋼太郎さんの演出だと、今の日本語に近い形のセリフだったんで、すーっと入ってきてわかりやすかったです。
ただ、、、シェイクスピアって、セリフ量が半端ないんですよね。みんな早口で膨大な量のセリフをしゃべってました。

この話は悲劇だから、みんな死んでしまうんだけど、
決闘のところで、ハムレットを殺そうと毒を仕込んだお酒を、母が飲んでしまうし、
剣に塗った毒で、クローディアスも、レアティーズもハムレットもみんな死んでしまって。

ハムレットの死に際に、ノルウェーの王子のフォーティンブラスが現れて、デンマークの王になってくれって言われるのって唐突だし、
そんなことって、ホントにありうるの?って思っちゃいました。
まあ、中世のヨーロッパってそんなもんなんですかね?
そういうところは、シェイクスピアに聞いてみないとわからないですね(笑い)

ラストで、舞台上に亡くなったハムレットが横たわってて、そこにオフィーリアが持っていた黄色いミモザの花が
上からいくつも落ちてくるんだけど、
それを見て、蜷川さんを思い出しました。鋼太郎さん「ジョン王」のときもそういう演出してたけど、
私は「海辺のカフカ」を思い出しちゃいました。


キャストの感想
ハムレットのカッキー
もうね、すごかった。ハムレットはカッキーのためにあるんじゃないかと思うくらい(ちょっとオーバー・・・)
素晴らしかったです。セリフの強弱も声の大小も、すべて。
集中力が半端なくて、見てる方も前のめりで集中しちゃう感じでした。
孤独だけど、熱い男のハムレット。
あと、、、けっこうマザコンのハムレットだな~って思いました。自分の母がなんで父の弟にとられなければいけないんだ
っていう気持ちが前面に出てたなと。
「海辺のカフカ」のカラス役のころ、埼京線車内でお隣に座ってて、降り際に握手していただいたこともあったんだけど、
もうすごく手の届かないところに行ってしまったような感じです。


オフィーリアの北香那ちゃん
狂気がね。ビシバシ伝わってきて、鳥肌ものでした。
歌もうまいけど、バレエも上手なんですね~
歌を歌いながら舞台を舞い踊るのは狂気に満ちていたけど、でも可憐でかわいらしかった。
可哀そうなお嬢さんなんだよね。ハムレットに冷たくされたり、父親を殺されてしまったり、、、
そして最後は狂ってしまう。。。でも、きれいだったな~


レアティーズの渡部豪太くん
父親をハムレットに殺されて、さらに妹のオフィーリアも狂気から死んでしまって、
悲劇というより、ハムレットを憎んでる役。特に二幕では、表情から何からそれが現れてて
すごくよかった、決闘のシーンは、二人とも見栄えもいいし、かっこよかったです。

ホレーシオの白洲迅くん
舞台の最初のシーンから登場。眼鏡姿が似合ってました。
冷静で誠実な性格のホレーシオは白洲くんにぴったりかも。
ラストまで出てて、ハムレットの一番の信頼できる友人。
なかなかいい役でしたね。


ポローニアスの正名僕蔵さん
正名さんって、けっこうユーモラスな役を演じることが多いけど、
今回はハムレットのことがあまり好きではなく、クローディアスに取り入ろうとしている
そういう貴族だなと。娘のオフィーリアのことも、利用しようかなとしているような父親に見えました。
でも、間違えたにせよ、ハムレットに殺されてしまう、ちょっと不憫。


ガートルードの高橋ひとみさん
そういえば、ちょっと前に、赤坂の劇場の校長先生だったな~と、私が見に行くとたいてい、ひとみさんでした。
その時とは全然違って、王妃の威厳がでてましたね。だけど、、、自分の夫が死んで、すぐその弟と結婚するもんかなあ。
で、その弟が、夫を殺したって気づかないもんなんでしょうかね?まあ、それは本がそうなっているんだけどね。
めっちゃきれいなひとみさんでした。


クローディアスの吉田鋼太郎さん
圧倒的な存在感。そしてセリフが聞き取りやすい。
悪役然としてる姿がまたかっこいい。
亡霊とクローディアスとまた、全然違うのもさすがでした。


柿澤ハムレットは、ホントにぴったりで、彼の代表作にもなるだろうなと思える素晴らしさでした。
見に行けてよかったなと思える舞台でした。


余談ですが、なかなか良い席が当たって、見やすかったんですが、
お隣のお隣に、今を時めくH.Kさんがお座りになって、思わず高ぶってしまいました。
本当に普通の感じで、目立たないようでしたが、私はマスクをしてても、目でわかったよ~
さらに、その方の斜め後ろには、O.Sさんが、またY.Eさんもお隣にいらして、、、すげー席だと
感動してました。
でも、芝居が始まると引き込まれちゃって、気にならなかったですが。
(カテコ3回目の前に、お三方とも退場されました)

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地球ゴージャス三十周年記念公演 「儚き光のラプソディ」 見てきました

2024-06-02 01:49:56 | お芝居
地球ゴージャス三十周年記念公演 「儚き光のラプソディ」 明治座 2024.05.08 12:30~

お友達がチケットを取ってくれて、見に行ってきました。久々のゴージャス。
歌ありダンスあり、とても楽しい舞台でした。

場所が明治座だけあって、会場の周りにのぼりが・・・・




そして会場の中には、大きなパネルもありました。


それと、このメンツなので、、、お花がめっちゃたくさん来てました。







話の内容は
「「ここはどこだ」
ひとり、またひとりと謎の白い部屋に集まる人たち
共通することはただ一つ、
それぞれの「逃げたい」という強い感情が溢れそうになった瞬間に
目の前に現れたという「扉」。
その扉を開くと、この部屋が現れたという。
「ここはどこだ」

集まったのは7人の男女。
孤児院で育ったという青年‥
謎のジョッキー‥
軍服を身に纏った男‥
ホテル支配人に、ひまわり畑から来たという二人の男
そして老婆‥
生きていた場所も時代も様々である。

部屋の中で繰り広げられる会話により、
互いの関係が微妙に、でも確実に変化する。
何故この人と 何故この部屋で 何故この時に
私たちは出逢ったのか」(公式より)


舞台上には白い壁の部屋が。
歩絵夢(中川大志くん)が扉を開けて入ってくる。部屋には老婆のすずさん(保坂知寿さん)がいる。
老婆の若い頃の話


すると、サラリーマンのSJ(寺脇さん)が
ホテルの支配人マット(三浦涼介くん)が
動物の声が聞こえる競馬のジョッキーの仁義(風間くん)が
サラリーマンの友人甲斐(岸谷さん)
が入ってくる。

歩絵夢は孤児で児童養護施設にいたけど、自分が里親に選ばれるように、仕向けて・・・

すずさんは、昔、手紙をやり取りしていた少年兵との話。。。それが福くんの戦友の実

寺脇さんと岸谷さんは親友。お互いの家族とも仲良しだったが、
寺脇さんは岸谷さんの奥さんとひかれあい、そして寺脇さんの一人娘は岸谷さんに恋してるという
ちょっと複雑な関係

ひとりひとりのエピソードがしっかり描かれ、どのような人生を歩んできたかが語られる。


今までまったく接点もなかった、5人が何でここの部屋にあつまったのか。
みんな、なぜ自分がここに来たかわからないが、それぞれ自分の人生に悩みや後悔を抱えていて、それから逃げようと思った時に
この扉が現れ、扉を開けたらこの部屋だったことがわかる。

この部屋は、各々の悩みや葛藤を吐露するための部屋。誰かに話すことで、ちょっと心が軽くなる。

すると、ここに、若い兵隊さん(鈴木福くん)寅吉が入ってくる。
彼は特別少年兵として、太平洋戦争を戦っているところだったけど、扉が現れて、そこを開けてここにきたようだった。

兵隊さん以外は現代を生きているもの。なので、「日本は負ける」こを教えて、また元の時代に戻ることを
止めようとするが、彼は戦場に戻ってしまう。

そのとき、すずさんと歩絵夢も一緒に戦場の世界へ、、、、ここで、すずさんは実と実際に出会うが・・・
実は突撃していってしまう。

実際の戦場を見て、平和を誓い、すずさんと歩絵夢は白い部屋に戻る

白い部屋に集まった面々は、それぞれ前に進もうと誓う。
そして、ひとりずつ部屋を出ていく。
最後に残ったすずさんを迎えにきたのは、あの学徒兵の寅吉。
二人で手をとりあって、部屋を出ていき、幕



ひとりずつ白い部屋に入ってきて、いったい何が始まるの?と思ったけど、
この舞台のテーマは反戦でしたね。今の世の中に対して、、、未来への警鐘ともいえる内容で、
とっても深いテーマだなと、でもゴージャスらしいなと感じました。

1幕で、ひとりずつのエピをしっかり描き、2幕でテーマに沿ってしっかりまとめるという
ゴージャスの舞台の手法は、今回も同じで、、、、ちょっと安心しました。

太平洋戦争のことは、私たちは実際に知ってるわけではないけど、
あんなにも若い兵隊さんたちが、半ば洗脳されるように、戦地に行って、
日本が負けるなんてありえないと思って戦っていたことが、悲しすぎました。
こういうことは、伝えていかないとダメなんですよね。

今回のゴージャス、30周年ということもあってかどうかはわからないけど、
すごく重厚なテーマで、、、だけど、ゴージャスっぽく、笑えるところもあり、
そして、歌とダンスで楽しませてもらいました。



キャストの感想
中川大志くん
シュッとした立ち姿で、めちゃくちゃかっこよかったです。
「歌妖曲」見に行けなくて(残念)でもWOWOWで見たけど、このとき、歌が上手いなって思って、
今回もその素敵な歌声を披露してくれて、感服でした。
座長さんとして、この舞台をしっかりまとめてるって感じでしたよ。

風間俊介さん
めっちゃうまいね~騎手の場面の鬼気迫る姿、引き込まれました。
すごいね。場を全部持っていく感じの、すごいオーラでした。
あと、発声がいいんですね。ちょっと声がかすれてたけど、セリフがとても聴きやすかったです。

鈴木福くん
もうこんな大人になって(笑い)
歌もダンスもうまくてびっくり。なかなか出てこないから何の役なんだろうって
途中心配になっちゃった。
あの時代にとてもまっすぐに生きている青年。すごく伝わってきました。

三浦涼介さん
どうしても「シバトラ」を思い出しちゃうんだけどさ。。。。20年くらい前?
たたずまいからして魅力あって、ステキでした。
ちょっとクールで、だけど、面白い人という役でしたね。
歌の場面ではっちゃけてる姿もよかったです。

保坂さん
さすが、、、歌を歌いだすと、シーンと聞きほれてしまったです。
老婆っていう役がね。。。なかなかでしたよ。

佐奈さん
福くん演じる学徒兵の戦友だったけど、この舞台のキモとなる役。


そしてゴージャスの二人。
岸谷・寺脇コンビは、そのままでした。
二人の掛け合いは、相変わらず最高でしたね。
劇中でも親友の役だったけど、、、、ちょっと一筋縄ではいかない恋愛に悩む姿は、
あんまり、今までのゴージャスで見れなかったので、新鮮でした。
最後はうまくおさまってよかった。

幕間にお弁当食べました。「地球ゴージャス三十周年記念御膳」
食事会場で食べるんですが、、、美味しかった~
でも、楽しくおしゃべりしながら食べてたら、時間がたってしまって、
あと5分とかで、、、最後せわしくなっちゃった・・・



また、次の公演も見に行きたいと思います。

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「帰れない男 〜慰留と斡旋の攻防〜」みてきました

2024-05-21 23:09:49 | お芝居
M&Oplaysプロデュース「帰れない男 〜慰留と斡旋の攻防〜」 本多劇場 2024.05.03 13:00~

なかなか面白そうなキャストだなと思ってチケットゲット。
林遣都くんや山崎一さんは、もう言わずもがなの演技にちがいないけど、
個人的な興味は、藤間爽子さん。藤間流の家元であり、阿佐スパの劇団員という。。面白い経歴なんで。
そして「マイファミリー」の印象がめっちゃ強い。

ということで、楽しみにGWに行ってきました。

話の内容は
「思い返すと、その屋敷は確かに立派な門構えではあったが、迷子になるほど中が広大だったとは、男は思いもしなかった。
 男は、気まぐれに親切にした若い女に招かれそこへ来た。最初、女はこの屋敷の女中かと思っていたら、実は主人の女房だった。年の離れた亭主を持つと、若くともこんなアンバランスなムードを身にまとうようになるのかと、男は勝手に納得する。
 屋敷の中は薄暗い上、廊下も恐ろしく長く、部屋の数も分からなかった。
 数日経って、友人が連れ戻しに来たが、男は「帰ろうにも出口にたどり着けないんだ」などと困った顔をする。

 中庭を挟んだ向かいの広間で、夜ごと催される誰かの宴。その幻想的に揺らめく人影をぼんやり眺める女に、男は次第に惹かれていく。男を躊躇させるのは、留守がちで、まるで自分の妻を斡旋するかのような、主人の謎の振る舞い。
 引き留めるわけではないが、時折、何やら共謀をほのめかすような女と、その主人との間で、男は次第に正気を失っていく……。」(公式より)

まず、セットが素敵で・・・
真ん中に客間があって、舞台奥側に窓があり、その先に中庭、大広間が見えるという感じ。
客間の手前側に廊下を配し、客間から台所とかに行くのに、その廊下を通るので、
すごく奥行きを感じたし、家の内部をうまく表していたと思う。
このセットだけで、ちょっと感動でした。


客間での男(林遣都くん)と女(藤間爽子さん)の会話から始まる。
雨が降っているのが見える見えないというような会話。。。もう一人いるのは、このうちの書生のような存在の男(新名基浩さん)
お茶を持ってきたりと女中(佐藤直子さん)が出入りする

町で馬に轢かれかけたその若い女を男が助け、そのお礼と汚れた服を洗うために、女(瑞恵)の屋敷に招かれたらしい。
男は野坂という作家。帰ろうとするのを引き留められる。女は思わせぶりな態度をとるので、野坂も興味をもつ。
そのうちにこの家の主人(山崎一さん)が帰ってくる。
主人は野坂のファンであるようで、ゆっくりしていってほしいと言う。
野坂は一晩泊まることとなる。

数日後、すっかりこの家に慣れている野坂。ここで小説を書くこともしている。
そこに、野坂の友人の西城(柄本時生さん)がやってくる。
野坂には妻がいて、その妻は野坂の知り合いのクボと不倫をしているらしい。
そのクボは自殺をしてしまったようだ。
さらに、西城は野坂の妻に惚れているようだ。彼女のことを考え、野坂に家に帰るように言う。
が、野坂は、この家の主人と奥さんの夫婦関係の興味があり、この家に滞在したいというのだった。
この家の主人は、嫉妬しながらも、野坂と妻の瑞恵の関係を気にしているらしかった。
そして、野坂はだんだん瑞恵に惹かれているのがわかる。

野坂と瑞恵に何かがあったのかなかったのか。。。わからないまま、野坂は滞在。
そして、野坂は家に帰ったようだが、、、
実は、この家の屋根裏に隠れていた。女中が彼の潜伏をサポートしていたようだ。
瑞恵もその後姿を消す、が、彼女も家の中に隠れていた。

嵐の日、二人は、再び出会う。そして気持ちを確かめ合った。

その半年後。雪の日に男がこの家を訪ねてくる。
この家で書き始めた小説が出版されて、その祝いの席を、大広間で行われるらしい。
主人が相手をしていて、瑞恵は大広間で花を活けているようだ。
大雪の影響で、頼んでいた仕出しが届かなくてちょっとイライラしている面々。
客間にみんな集まってきたが、はさみがないと瑞恵と女中とでいい争いになる。
流しになかったから大広間にあるのではと、広間に行こうとする女中に、野坂が
「君はいつもそうだ。確かめればいいじゃないか」と突然声を荒げる。

すると、主人がフラフラと部屋を出て大広間に。中庭の向こうに見える姿。。。
はさみで自殺を図る姿が映る。

そして幕。


なかなか、解釈が難しい話だった。
タイトルの「遺留と斡旋の攻防」というのが、よくわからなくて、、、うーん。私の理解力が乏しいのかな。
遺留と斡旋。。。まあ、主人が野坂に対してしたことといえば、そうなんだけど、
若いきれいな後妻を野坂に斡旋し、その様子を見てスリルを味わって、妻との関係をもっとよくしようと
してたってことですよね。主人は。
だけど、それがかなわず、三角関係に負けてしまった。
確かに、客間での野坂と瑞恵の様子。特に野坂が瑞恵を叱った場面で、二人の関係を悟ったからという
ことなんだろうけど、自殺をするってのが唐突すぎて。
主人は最後、自殺する必要があったか?私はちょっとびっくりしちゃったんだけどな。
なんか、よくわからずに、モヤモヤした感じで終わっちゃいました。


キャストの感想
野坂の林遣都くん
いやあ、声に表情があるんですよね。表情がちゃんと見えなくても、声でわかるという。
すごい役者さんだなあ。舞台、もっともっとやってほしい。。。
でも、チケットが取れなくなってきてるから、複雑。


瑞恵の藤間爽子さん
流石家元だけあって、和装の着こなしとか、所作が素敵だった。
そして、色っぽかった。割と童顔だけど、めちゃくちゃ艶っぽかったです。


主人の山崎一さん
もう、言わずもがなの存在感。
ちょっと外から見ているような感もあるんだけど、妻と野坂のことが気になって仕方ないという
だけど、大人なふりをして、若い妻を自由にさせてるぞっていう感が出てるのがおかしかった


西城の柄本時生さん
出番はそんなになかったけど、出てくると、何となく場をさらってしまう不思議な魅力。
一番普通の人って感じでしたが、まあ、野坂の奥さんに横恋慕してて、最後は結婚してしまうんだから
それなりにしたたかだったのかも。

書生の新名基浩さん
いい味だしてました。くすっと笑えるような演技で、場をなごませてくれました。

女中の佐藤直子さん
彼女もスパイスだった。特に書生の新名さんとのやり取りはおかしかったな~

難しい話ではあったけど、セットがめちゃくちゃ素敵で、そこに一番感動しました。
家の中、廊下、中庭。。すごく面白く見せるセットで、この物語の不思議な感じと相まって、
ステキな雰囲気を作り出していたと思います。
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「鴨川ホルモー、ワンスモア」 見てきました

2024-05-12 00:50:30 | お芝居
ニッポン放送開局70周年記念公演 「鴨川ホルモー、ワンスモア」 サンシャイン劇場 2024.04.25 19:00~

ヨーロッパ企画の上田さんの脚本・演出で、万城目さんの「鴨川ホルモー」を舞台化。
上田さんと聞いて、チケットをゲット。ヨーロッパ企画の面々も出るし・・・と。


万城目さんの小説は読んだことがなかったんだけど、とても興味があって、
とはいえ、最近私は読書ができない体質になってしまいまして(もう歳なんです~)
ただ、「鴨川ホルモー」にはめちゃくちゃ興味がわいて、私にしては珍しく予習を。。。
そう、映画を事前に見たんです。すごく面白かった。。。
芦名星さんが出てたのが、胸にぎゅっときてしまいましたが。

ということで、あの世界観をどうやって舞台化するんだろう。
映像ならできることも、、、舞台だよね。ホルモーの場面はやっぱり映像だよね~なんて
想いながら楽しみに向かいました。

いやあ、めちゃくちゃ面白かったし、楽しかったし、さすが上田さんだと感動でした。


さて、話の内容ですが
「2浪したのち京大に入学した安倍が、怪しい先輩の誘いと早良さんへの
一目ぼれに任せて入った「京大青竜会」なるサークルは、
千年の昔から脈々と続く謎の競技「ホルモー」をするサークルだった。
当惑とときめき、疑いつつ練習、そしてこの世ならざる「奴ら」との
邂逅。俺たちが開けたのはなんの扉だったろうか。世界の謎よりも魅惑
的な彼女の鼻、そして押し寄せるリグレット。すべては思い返せば喜劇。
鴨川ホルモー、叶うならワンスモア。」(公式より)

セットがなかなかよかった。。。鴨川の河川敷があって、、、なかなかの傾斜だったよね。
それが左右に分かれて移動すると、安倍の部屋になって。
土手の上が居酒屋「べろべろばあ」にもなるという。

ストーリーテラーのような形のべろべろばあ店長(中川さん)が前説のような形で、登場。
そこから舞台が始まる。
鴨川の河川敷にキャストが集まり、何かを見て盛り上がっている。。。そしてオープニング。

安倍(中川大輔さん)は京都大学に二浪して入学。同じく新入生の高村(鳥越裕貴さん)といるとことに、菅原(う大さん)、清原(石田さん)、大江(片桐美穂さん)から
「京大青竜会」というサークルのビラをもらい、勧誘される。そして新歓コンパへ誘われる。
とりあえず、コンパにはいってみようと会場の居酒屋「べろべろばあ」に行くと、そこで同じく新入生の早良京子(八木莉可子さん)に一目ぼれし、「京大青竜会」に入ることとする。
同じ同期として、芦屋(佐藤寛太さん)、松永(男ブラの平井さん)、楠木(清宮レイさん)、紀野(藤松祥子さん)と坂上(ヒロシエリ)さんのコンビ、双子の三好兄弟(角田さんと男ブラの浦井さん)がいた。

安倍と高村は安倍の部屋で、「京大青竜会」について話したり仲良くなっている。ある日、京子と町で会った安倍、遅くなった京子に自転車を貸すからと下宿まで連れてきたが、そのまま京子は安倍の家で寝てしまう。そんな日々をすごしていると。

夏のある日、安倍たちは先輩から吉田神社に集められる。そこで初めて「京大青竜会」がなんであるかを知らされる。「ホルモー」という1チーム10人で行う競技をする団体で、その「ホルモー」とは、鬼や式神たちを鬼語で動かし、相手と戦うものだった。京都には、立命館大学の白虎隊、京都産業大学の玄武組、龍谷大学のフェニックス、そして京都大学の青竜会と4チームあり、対抗戦を行っているとのことだ。ちょうど10人の同期たち、鬼語を練習する訓練が始まる。途中抜けようとする者がでたりするが、何とか10人ともそのまま参加することとなる。
いよいよ安倍たちのホルモー初戦。京大はいい感じであったが、高村の失策で負けてしまう。高村は「ホルモー」と叫び、、、次に現れたときはちょんまげ姿だった。

菅原たちは引退し、いよいよ安倍たちの代に引き継がれる。
安倍と高村は安倍の部屋にいる。が、そこで安倍は、自分が想いを寄せていた京子が、芦屋と付き合っていることを聞かされる。芦屋は高校時代の彼女の山吹巴(日下七海さん)と付き合っていたが、彼女と別れて京子と付き合っていたようだ。山吹は京大に落ちて浪人した末に、同志社大学に入学した。
楠木は引っ込み思案な性格だが、安倍に好意をもっていた。その楠木のことを松永は好きであった。松永は楠木をバイクでデートに誘うが、なかなか気持ちが伝わらない。
また、双子の三好兄弟は、大江先輩に好意を持っていて、お互いライバル視していた。
安倍が部屋にいると京子がやってきた。京子は芦屋が元カノの山吹といるところを目撃し、ショックを受けて安倍のところにやってきたのだった。そこでまた京子は眠ってしまう。
その寝顔を見て、京子の鼻の形が好きだった安倍はその鼻をさわろうとしてしまう。そのとき目を覚ました京子はびっくりして安倍のことを殴り出て行ってしまう。その後、芦屋が安倍のところにやってきて、安倍のことをボコボコにしてしまう。
同じころ、松永は楠木に振られ、また三好兄弟も大江先輩にふられてしまう。

安倍は菅原に「京大青竜会」をやめたいと話す。芦屋とは一緒にやっていけないと。しかし、代替わりして契約したのでもう抜けることはできないと諭される。
すると大江が、第十七条を使えばいいのではと言いだす。十七条とは「京大青竜会」を2チームにわけて「ホルモー」を行うことだった。他の大学も同じように2チームずつにすることが必要である。
まずは、安倍が5人を集めないといけない。芦屋が仕切っている「京大青竜会」からあと4人引き抜かなければいけない。高村は安倍の陣営。あと3人は三好兄弟と楠木も入ってくれた。
三好兄弟も芦屋をよく思ってなかったらしい。

一方芦屋に振られた山吹は、芦屋への復讐を考えていた。そこに「べろべろばあ」の店長が、昔は同志社大も参加していたのだと話し、とっておいた同志社大黄龍陣の黄色い着物を渡す。山吹は着替えて参加することとする。

「十七条ホルモー」が始まる。安倍たちの京大ブルースは勝ち進み、決勝は芦屋たちの京大神選組と。戦いは最初は芦屋たちが優勢。というのは、ブルースで一番戦力になっていた楠木がこの日はコンタクトの上から眼鏡をかけていて、よく見えなくて不調だったから。楠木は安倍のことが好きだったので、ちょっとコンタクトにしてみたが恥ずかしかったので、その上から眼鏡をかけていたからだった。
そこに、突然山吹が乱入してくるが、まったく勝負ができず、撤収させられる。
楠木は眼鏡をはずし、いつものペースに戻って、安倍たちブルースが勝利を収めた。

翌年、安倍たちが鴨川の河川敷に座っている。京大は新入生が入ってくる。安倍たちはビラを手にして、新人勧誘に出かけようとする。


この日は、おまけトークショーがあって、ゲストが、バイク川崎バイクさんでした。
前日がチョコプラだったと聞いて、ちょっとがっかりしたのは内緒です。(チョコプラ大好きなもんで・・・)

で、彼もトークショーで言ってたんですが、最初と最後のシーンが、鴨川の河川敷での新人勧誘に出かける場面で、
同じシーンを繰り返したのがとてもよかった。。。と。
私もまったく同じことを思いました。そう、最初は??という感じで始まり、そこからホルモーの説明とか、そういう風に話が始まって、
どういうものかがわかってから、代替わりした面々が、同じように新人勧誘にでかけるところで終わる。
話の内容がわかってから、もう一度同じシーンをみるというのが、なんか腑に落ちたというか、すっきりした感じで、とてもよかったです。
さすが上田さんの構成だと思いました~

映画版のオニたちのビジュアルが可愛くて、今回もその子たちが、プロジェクションマッピングで暴れまわってるのを見て
すごい感動でした。今や、プロジェクションマッピングを使えば、映画とおなじような感じでもできちゃうんですね。


ホルモーというよくわからない(笑い)100年も続くゲームの話が真ん中にはあるけど、
基本的に青春群像劇で、恋愛の描写も多かったりで、ちょっと微笑ましい感じがね。。。

で、どのキャストにもちゃんとスポットが当たるように作ってあるので、いろんな人に入り込めて楽しかった。
見に来てよかったなぁ
ホントに楽しい芝居でした。

私は若手キャストはほとんど知らなかったのですが、人気がある方たちみたいで、その方たちのファンが多かったようでしたよ。
それと、男性ブランコのファンの方もけっこう多い印象を受けました。



さて、主なキャストの感想。

メインのキャストの方も、なかなかよかったのですが、
一番印象に残ったのが、
双子の三好兄弟(角田さんと男ブラの浦井さん)
いやあ、似てる!似てる!どっちも別々で見てたときはそんな思わなかったのに、めっちゃ似てる。そこに感動。
シンクロしてるし(笑い)、同じ人好きになるし、、、


それから紀野さん役の藤松祥子さん。
この前の「切り裂かないけど攫いはするジャック」にも出てたし、ねもしゅーさんの舞台にも出てて、
はつらつとした演技のイメージだったけど、今回もめっちゃ元気な女子学生さんでした。


主演の安倍の中川大輔さん
私は初めて拝見の方。もしかしたら、テレビとかで見てるかもだけど。。。
安倍は映画のイメージが強い役ではあったけど、、、舞台版の安倍でしたね。すごくはまってました。
シュッとした姿だから、普段はかっこいい役やってるんだろうけど、この安倍の情けなさ、振り回されっぷりがよかったです。
でも、芯はある学生さんを楽しそうに演じてましたね。


早良京子の八木莉可子さん
初めてみた方なんですけど、初舞台とかで、でも、雰囲気でてましたよね。映画の芦名星さんとはちょっと違った感じではあったけど、
こっちの京子さんの方が好きかも。芦屋に振り回されて、で安倍を振り回して、、、罪だわ~


高村の鳥越裕貴さん
彼は「あいつが上手で下手が僕で」に出てた方ですよね。それと、「リバー」にも出てましたね。
うん、ちょんまげが似合ってた(笑い)なかなかなアホさ加減の高村にピッタリだったです。


楠木の清宮レイさん
すごくよかったです。乃木坂の方なんですね。安倍に気持ちを伝えるところとかよかったし、ホルモーでは大活躍だし、、、
映画版ではちょっとコミュ障気味だったけど、めっちゃ可愛い楠木でした。


松永の男ブラの平井さん
楠木のことがあんなに好きなのに、、、相手にされず、振られてしまって、叫んでる姿がおかしかったです。。
あのシーンは、いつまででもやってていいそうで(上田さんに言われたと、おまけトークで言ってました)


京大青竜会前会長のう大さんと、龍谷大のユウスケさんのかもめんたるのお二人
う大さんはそのまんまだった。演技してないんじゃないかってくらい、素の感じでした。
ユウスケさんは女装。。。笑っちゃった。


ヨーロッパ企画の面々
とくに居酒屋店長の中川さん、大活躍。
まさかの歌まで披露とは(笑い)さだまさしさんから山崎まさよしさんまで。。。
開演前のアナウンスから、ホントにお疲れさまでした。
あと、酒井さんが相変わらず小道具を作ってるのがおかしかったし、ホルモーの実況もよかったです。


ホルモー語、、、面白いしはまりそうだけど、難しい。
「げろんちょりー」しかわからんかったです。

でも、映画版を見ていってよかったなと。いきなりゼロからのスタートだと、ここまで楽しめたかわからなかったです。
まあ、ヨーロッパ企画っぽい演出だから、それなりに楽しめたとは思うけど。


ヨーロッパ企画は、秋に本公演があるので、また楽しみに見に行きたいと思います。


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「カラカラ天気と五人の紳士」 見てきました

2024-04-29 23:49:59 | お芝居
シス・カンパニー「カラカラ天気と五人の紳士」 シアタートラム 2024.04.20 14:00~

シスカンパニーの公演。今回は別役実さんの不条理劇。
豪華で、一癖二癖ありそうなキャストがそろったなと言う印象。なんか嬉しい。
特に、高田聖子さんと中谷さとみさんが、そろって新感線以外の舞台で見れるというのが嬉しかった。

話の内容は、

「ある日、ある所に、「棺桶」を担いでやって来た五人の紳士たち(堤真一・溝端淳平・野間口徹・小手伸也・藤井隆)。
どうやら、五人のうちのひとりが懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。
せっかくの景品を役立てるためには、仲間の一人が死んで棺桶の中に入らねば、
と、五人の議論が始まった。
いかに本人が死を意識せず、痛みを感じる前に死ねる方法がないものか、、、と
模索する五人。
そこへショッピングバッグを抱えた女性二人(高田聖子・中谷さとみ)が現れた。
彼女たちは、同じ懸賞の当たりくじの当選者たちだったのだ。
そして、その一等賞の景品とは・・・?」(公式より)

開演の少し前に、生演奏のヴィオラ奏者の穂高真奈美さんが登場。浮浪者のようなかっこうで。。。
そしてセットのベンチに座る。

セットは、駅のホーム。地下鉄のホーム。
会場に入った時に、あまりに普通にホームだったんで、二度見しちゃいました。え?何?って。
ただ、ホームに柱があり、そこに梯子がとりつけられている。。。

開演になって、
堤真一、溝端淳平、藤井隆、野間口徹、小手伸也5人のキャストが、棺桶をもって入ってくる。
まずは、棺桶を台の上にどう置くかでのあれこれ。
2つの台を、離れた場所において、それでは棺桶が置けないと、、、なんだかんだと話し出す。
不条理劇ですからね。

棺桶は、小手さんがクイズ付きの抽選で、アメリカの首都がニューヨークと間違えた答えを出したら、
ハズレの一等賞で当たったものらしい。組立図もあって、それで組み立ててからホームまで運んだらしい。
なぜ、ホームかとかは語られない。

棺桶があるならそこに入れる死体も必要ということで、この中の誰かが死ねばいいとなり、
なぜかそれが野間口さんが。。。ということになる。
ここで、仕切っているのは小手さん。野間口さんはホームの柱についた梯子に登らされる。
でも落ちて痛いのは嫌だという野間口さんに、落ちるときには死んでるから痛くないという、意味不明な理屈をつける。
その死に方は、天井にある電球をはずして、ソケットに指を突っ込むと感電して死ねるという。。。
野間口さんは、しぶしぶと電球を外そうとするが、電球が熱いためなかなかできない。

と、そこに、高田聖子、中谷さとみ2人のキャストが登場。
カートの中から布を出して下に敷き、そこに各々の荷物を広げだす。が、二人の荷物を置く場所を傘で区切るのだが
その傘の置き場所で、ひと悶着ある(ここが真ん中だとかなんとか)
二人は死のうとしてきたらしい。最後の1本のタバコを吸いだす。。。と、5人の男たちもそのタバコを吸わせてもらおうと、
ケムリだけでもと二人に群がっていく。
二人は賞品でもらった青酸カリを持っており、それで自殺しようとしている、
その青酸カリは、棺桶のクイズの正解の中の1等のものだ。

二人は棺桶があるなら、自分たちが死んだらそれに入れてもらおうと、交渉しだすが。。。
棺桶は組み立てるときに蓋をしてしまったので、開かないとなり、高田聖子さんが傘で暴れまわる。

ここのところ、雨が降っていないらしい。二人は持っていたラジオで天気予報を聞こうとすると、
ラジオのニュースで、賞品の青酸カリを送るはずが誤って重曹を送ってしまった」と流れた。
二人はショックを受け、馬鹿にされたと怒って、傘を振り回してホームから出て行ってしまう。

残された男たちは、二人の女が残していった荷物の中からラジオをつけると、
傘を振り回した女二人が、踏切から特急列車に突っ込み、バラバラになって死んでしまったというニュースが入る。
男たちは、棺桶のふたを荷物にあったくぎ抜きを使って開け、そこに荷物を収める。

雨は降っていないので、水もない状況。男たちはここで死を待っていくのか。
天井から白い糸が垂れてくる。誰かクモを助けた?
男たちは思い思いの場所で、その時を待ち始める。。。幕



不条理劇だから、かみ合わない、筋が通らないっていうのは、そうなんだけど、
だけど、なんかおかしくて、笑ってしまう。そんな感じの芝居だった。
大体、間違った答えをした人の中から当選とか、その景品が棺桶とか、、、意味不明だもんね。
意味が分からない会話も続くけど、なんかおかしい。

棺桶を置く台の場所だって、梯子の下に置いた台をどうするかとか
どうでもいいことなんだけど、それを延々と意味のない会話で真面目に続けていく。。。
うーん、なんか日本って平和だなって思っちゃいました。(この考えこそが意味がないかもだけどね)

途中から出てきて、場をさらった、聖子さんと中谷さとみさんは圧巻でしたね。
めっちゃ笑っちゃったし・・・

カラカラ天気って、タイトルは?って思ってたけど、
後半で雨が降ってなくてカラカラ天気なんだという状況だと説明があって、
そっか水も飲めないという過酷な状況なのねと理解。
こういう状況だと、女性の方が度胸が据わってるのかも。
棺桶に入るのにどうやって死ぬかとか、あーでもないこーでもないと言ってる5人より、
あっという間に傘を持って特急に突っ込んで死んじゃう女性二人。
いやあ、すごいです。


キャストそれぞれの感想を書くまでもないけど。
堤さんより、めっちゃ小手さんが目立ってたのがなんかおかしかった。
それと、中谷さとみさんを新感線以外で拝見するのは初めてで、なんか新鮮でした。


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「イノセント・ピープル 〜原爆を作った男たちの65年〜」 見てきました

2024-04-07 01:27:53 | お芝居
「イノセント・ピープル 〜原爆を作った男たちの65年〜」 東京芸術劇場 シアターウエスト 2024.03.21 19:00~

お友達に誘われて、このお芝居に行ってきました。
行く前に、感想とかちょこっと見たら、なかなか重い話らしいと。。。覚悟して見に行きましたが、
重いというより衝撃的に感じました。
アメリカ人の考え方のお芝居を日本人が演じるって、、、それも原爆の話なんで、すごいものを見たなと。
内容が内容なのに、引き込まれて、2時間ちょっと(休憩なし)の芝居があっという間でした。

話の内容は
「アメリカ ニューメキシコ州ロスアラモス。原子爆弾開発に従事した科学者ブライアン・ウッド。ヒロシマ・ナガサキに落とされた2発の原爆を作り上げた5人の若者たち。これは、彼らが歩んだアメリカの「第二次世界大戦後」の物語である。アメリカは朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラン・イラク戦争と、戦地へ若者を送り続けた。戦後も原爆・水爆製造に携わるブライアン。しかし、彼の息子はベトナムへ、そして娘はヒロシマの被曝2世と結婚する。」(公式より)

1963年のアメリカ、ブライアン・ウッドの家族がBBQの準備をしているところから始まる。
そこに18年前、一緒に仕事をしていた仲間が次々とやってくる。ブライアン・ウッド(山口馬木也さん)は今もその研究所にいる。グレッグ・シウバ(内田健介さん)は海兵隊、キース・ジョンソン(三原一太さん)は自動車メーカーのGMに勤めている。そしてカール・コワルスキー(阿岐之将一さん)は医者、ジョン・マッケラン(森下亮さん)は高校の教員をしている。彼らはルームメイトであり、当時一緒に研究をしていたが、18年ぶりの再会となる。
研究所の20周年と18年ぶりの再会とブライアンの息子ウィリアム(池岡亮介さん)のUCLA合格を祝って乾杯をする。
ブライアンの娘シェリル(川島海荷ちゃん)、妻のジェシカ(川田希さん)、またキースの妻ニナ(水野小論さん)、そしてジョンの教え子で妻になるリンダ(堤千穂さん)も参加していた。
海兵隊のグレッグは、いかに海兵隊がすばらしいかをみんなに話す。それを真剣にきいていたのはウィリアム。彼はUCLAにはいかずに海兵隊に行きたいと思っていた。そのことは妹のシェリルだけが知っていた。
ウィリアムは父と母に自分の決意を話すが、ブライアンは反対する。しかしウィリアムは決意を曲げなかった。

1943年のロスアラモス研究所
ブライアンとキースのところへ、ジョンが32面体なら核分裂反応をうまく発生させ、爆弾にできることがわかったと喜び勇んでやってくる。ジョンはずっとその計算をしていたとのことだ。
そこへカールがやってきて、女子寮のシャワーが壊れたから、二人の看護婦に自分たちの寮のシャワーを使わせてほしいと言ってくる。ブライアンたちは大興奮。看護婦のルーシー(大部恵理子さん)とジェシカがやってくる。まずルーシーがシャワールームへ向かう。キースとグレッグはあとを追いかける。
ブライアンは残ったジェシカの隣に座って話をする。

1975年のアメリカのとある店
ベトナム戦争が終わりパレードが行われるらしい。店にはグレッグと彼の妻のマーシャ(安川摩吏紗さん)が星条旗模様のハットをかぶってご機嫌。
ブライアン夫婦、キース夫婦、ジョンの夫婦もやってくる。キースの妻ニナは日本に旅行に行ってたとのこと。原爆投下された広島にも行ってきた
しかし、原爆資料館には不快感しかなかったと言う。日本人は被害者だと言ってそんな写真しかなかった。日本はパールハーバーや南京で人をたくさん殺しているのに、おかしいとおこっている。日本人はみんな同じ顔をしているとバカにしている。
そこへウィリアムが海兵隊の制服で車椅子で入ってくる。ベトナムの戦地で国のために戦ったことをスピーチしてきたのだった。
外のパレードでは花火も行われているが、ウィリアムはその音に敏感になって怖がる。
シェリルが日本人男性とやってくる。日本人男性はスーツで白い面を被った姿。シェリルは彼タカハシ・ヨウイチ(小日向春平さん)と結婚したいと言う。ブライアンは日本人との結婚は絶対反対だと言う。

1945年7月
ブライアンたちは水爆実験がうまく行ったことを喜んでいる。
原爆をヒロシマに落とそうとしている、そして戦争を終わらせようとしている、、、それをジョンはそれはいけないことだと恐怖に思っている。

2003年
ジョンは亡くなっていた。
グレッグやブライアンたちは911の同時多発テロを受け、イラクを攻撃すべきだと話していた。
グレッグにはリチャード(神野幹暁さん)と言う息子がいて、彼も海兵隊に入ってバグダッドに行く予定だった。が、それを車椅子のウィリアムが止める。
自分のようになってもいいのか。自分も海兵隊にあこがれて入隊したが、ベトナムの戦争でこのような体になって、恋愛もできなくなったと。ウィリアムは車椅子生活のため、ヘルパーのベロニカ(保坂エマさん)がいつも世話をしていた。
ジョンの妻のリンダが、夫の死は自殺だったと告白する。原爆の開発をしてきて自分のやったことによって、10万人という人の命が犠牲になってしまった。それを心を痛めていたと。自殺はキリスト教では認められていないので、事故死ということにしているのだとも語った。
医者のカールは自分も命が長くないと話、昔の被ばく実験の話を始める。人間がどのくらいプルトニウムを浴びても大丈夫か実験していたのだと、その時のデータがあるから今、原発があっても大丈夫なのだと。グレッグたちはモルモットだった。お前の体には実験で浴びていたプルトニウムがたくさんあるから、すぐ死んでいてもおかしくなかったと。


1945年のヒロシマ、ナガサキに原爆が投下されたときの音と、そして喜んでいるアメリカ人たちが描かれる。

2010年
ブライアンとグレッグが悲しんでいる。リチャードはイラクで命を落としてしまった。
オバマ大統領はスピーチで、今後は核を保有しないといった。ブライアンは怒っていた。
シェリルの夫のタカハシは白い面をはずし、ヒロシマに原爆投下されたときのことや、その後の話を話始める。彼は被爆二世だったのだ。

ブライアンは、ウィリアムとウィリアムのヘルパーであるベロニカとヒロシマを訪問する。
シェリルのお葬式に訪れたのだった。タカハシは自分とシェリルの子供たちをブライアンに紹介する。
ブライアンはシェリルとタカハシの出会いを聞く。タカハシは原爆を学ぶためにアメリカに留学していて、そのときに通訳してくれたのがシェリルだったと。
シェリルは自分にとてもよくしてくれたと。
タカハシは、ブライアンに、アメリカ人として原爆のことをどう思っているのかと聞くが、ブライアンは答えなかった。さらに、タカハシはブライアンに謝ってほしいと要求するが、ブライアンは謝ることができなかった。
それを見ていたベロニカが語りだす。ベロニカはもともとインディアンの一族だった。家族はウランが取れる鉱山で働いていた。そのウランは原爆に使うためだった。その町の人たちは多くがガンにかかって死んでしまった。ウランには放射性の物質が含まれていて、それを掘る仕事を長い間していたからだ。きっと罰があったのだと、ベロニカはタカハシに謝る。
そこにタカハシハルカ(花岡すみれさん)が来る。彼女はシェリルの娘で、お腹には新しい命が宿っていた。ブライアンはそのお腹に手を伸ばそうとする。

ここで幕


上にも書いたけど、衝撃的でした。
この話の作者が日本人だというのにもまた衝撃。
アメリカ人の視点で、原爆を作った人と、実際に原爆を落として戦争を終わらせたこと、その後の日本とのかかわりなどを描いていて、
少し嫌な気持ちになるところもあったり。
アメリカ人の日本人への差別の描き方が、想像を超えてて、そんな風に我々日本人のことを思っていたのかと。
特に日本人はみんな同じ顔。。。と。タカハシが最初白いお面をかぶってでてきたのには、やるせない感じになった。

ヒロシマの原爆資料館は、私たち日本人にとっては、被害者であることは当たり前で、あの事実を後世に残しておかなくてはいけないという
視点から展示があるのは、ごくごく普通のことだったけど、あれをアメリカ人が見たらそうは思わないということは
まったく思いもよらなかった・・・
アメリカ人はパールハーバーのことばかり言う!って思ってたけど、確かにアメリカ人からすれば日本の奇襲によって命を落とした人が
たくさんいるわけだから、被害者であり、、、
もちろん規模とか問題の大きさとかは、違うけど、それはちゃんと日本人も考えなければいけないと、初めて思い知ったという。。。

ブライアンたちは誇りをもって、原子爆弾を開発してきたわけで、技術者としては当然誇りをもって研究してきたわけで、
それが戦争に使われて、戦争に勝って終わることができたというのは、彼らにとって名誉なことだったと思う。
でも時代がたって、その爆弾によって命を失ったり、まだ苦しんでいる人がいることがクローズアップされて、
ブライアンたちのすべてが否定されるようになってきたのは、すごく苦しいことだと思う。
最後、どうしても日本人に謝罪できなかったのは、ブライアンのプライドが許せなかったんだなと、、、そこは少し理解できた。

ただ、ジョンは自分たちの関わってきた技術によって、たくさんの命を奪ったことに耐えかねて
自殺してしまう。苦しんで苦しんでというその気持ちがつらかった。

青春をかけて原子爆弾の開発に携わってきた5人の若者は、それが戦争で使われたことと引き換えに
それぞれの大きなものを失っていたのだなと思った。作った者、使った者、使われた者、誰もが大きなものを
失う。。。戦争などしていいはずがない。当たり前ではあるが、ものすごく強いメッセージを感じた。

それと、ウィリアムのヘルパーさんのことば。。。
インディアンの人たちがウランの採掘に携わって、、、たくさん亡くなった話。
アメリカ人にとっては、インディアンの人も違う人種であり、その当時は彼らの命も、日本人の命も同じように
考えられていたんだなと。人種差別って、日本人はあまり理解できないけど、でも、当時のアメリカ人はそれが
当たり前だったんだなということに、これも衝撃的な出来事だった。


そういえば、、、お酒って、普通お酒に見える液体を使うか、入れたようにして液体は使わないという感じだけど、
この芝居では、砂のようなものを使っていて、なかなかいいなと感じました。斬新だったけど。


主なキャストの感想
ブライアンの山口馬木也さん
彼の舞台を見るのはたぶん2回目かな。20代から80代まで演じられていたけど、
違和感なく演じてて、さすがの俳優さんだなと感動しました。特に声の演じ分けが素晴らしいなと。
こういうお父さんいるなという、、、アメリカだとか日本とか関係なく、親子の関係とかは
変わらないな~と感じることができた。

シェリルの川島海荷ちゃん
舞台は初めてなのかな?私は舞台で拝見するのは初めて。
10代の頃の若々しい感じはかわいかったけど、タカハシを連れて帰ってくるときとかは、大人びた感じをだしていて
なかなか舞台もいいね。と思いました~
思ったより出番が少なかったから、もっと見たかったかな。

グレッグの内田健介さん
海兵隊のすばらしさを語るところが、すごく印象的。自分の仕事に誇りをもって、強く語る人ってよくいるけど
(私はあまり好きではないけど)あ、こういう人いるいる!って思えて、とてもよかったです。

ジョンの森下亮さん
ジョンは5人の中では一番普通の感覚を持ってる人だったんだなと。
計算した紙を何部屋にもわけて置くくらい熱中して計算して。。。命をかけて計算してようやくつかんだ32面体・・・
だけど、それを使えば、たくさんの人を殺してしまう。。。その恐ろしさに気付いていて、葛藤する。。。そういう
繊細な部分がすごく出ていたと思う。だからこそ、最終的に耐えられずに自殺してしまったんだろうと。

ジェシカの川田希さん
夫によりそう、しっかりした妻という役柄がぴったりでした。
結婚前のナースのときの若々しい感じもよかったけど、研究者の夫とともに生きている妻という姿もよかったです。

ウィリアムの池岡亮介さん
ベトナム戦争で負傷して、車椅子姿になってしまって、自分の人生、自暴自棄になってしまう演技がよかった
花火の音にすらおびえてしまう、、、そんな自分が嫌になってしまったんだろうなと。あんなにあこがれていた海兵隊に入ったのにと。

ニナの水野小論さん
ナイロンのお芝居で何度も拝見させていただいています。お久しぶりに見れて嬉しかった。
誰とでも打ち解けられる明るい人を、はつらつと演じておられました。
ニナの広島原爆資料館に行ってきた感想に、衝撃をうけました。そっか、アメリカ人が見るとそう思うのかと。

それから、
ベロニカの保坂エマさん
エマさん、なかなか出てこないから、ちょっとやきもきしちゃった。
新感線以外のお芝居でみるのは初めてです。
でも、最後にすごく重い話をしてましたね。アメリカ人の人種差別の話、、、
それを淡々と話すのがとてもよかったです。



今、この舞台を再演したということは、ちょうど映画「オッペンハイマー」のこともあってかなと思った。
国、人種、時代、いろんなことが絡み合って、こういう悲劇的なことが起こったわけだけど、
今生きてる私たちが、これからの世代のことも考えて、きちんと向き合っていかなければいけないと、強く思った。
すごくいい作品を見れてよかった。。。

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「骨と軽蔑」見てきました

2024-03-19 00:56:47 | お芝居
KERA CROSS第五弾 「骨と軽蔑」 シアタークリエ 2024.02.29 18:30~

KERA CROSSラストの作品は、KERAさん自ら。。。それも新作書下ろしって。。。びっくり。
今まで第1弾以外はみんな見に行ってます。
第2弾は、直人主演の「グッドバイ」だったしね。

で。。。それにしても、よくこれだけの女優さんをそろえたものだと、、感動だわ。
チケットもよくとれた!

さて、話の内容は・・・公式見たけど、あらすじも書いていないので、、、まったくどんな話かわからずに、劇場へ。

ネタバレを含みますので、知りたくない方は気を付けてください。。。




話の舞台は、東西に分断され、その間で戦争が起こっている国。爆撃機の音がしている。
戦争はずっと続いていて、男性はほとんど戦争に行っている。女性もどんどん駆り出されている状況。
そんな中、西地区にあるある屋敷が舞台。この家は軍需産業を営んでいて、起こっている戦争に武器を売って稼いでいる。
このうちは、父と母のグルガ(峯村リエさん)、姉のマーゴ(宮沢りえさん)、妹のドミー(鈴木杏さん)、そしてお手伝いのネネ(犬山イヌコさん)が暮らしている。
マーゴは小説家だが、最近は売れていないようだ。
マーゴは結婚していたが、夫は半年前に失踪してしまっている。徴兵されるのが嫌で逃げ出してしまったらしい。
そしてマーゴ宛に届く彼からの手紙は、ドミー(とネネ)が勝手に読み、姉には渡さず黙っている。

父は寝たきりで、秘書のソフィー(水川あさみさん)が世話をしている。彼女は父親の看病をしているが、ほとんど愛人状態で、
父親の財産をねらっているようである。
グルガやドミーは面白くない。グルカはそれもあってか、アルコール中毒の状態で、ネネもドミーも彼女に酒を飲まさないように気を付けている。

姉のマーゴが居間に入ってくる。そこに妹のドミーもやってきて、二人は一つのクッションを自分のものだったのに、相手が取ったとケンカを始める。
いつも、何かのことで、そういう口喧嘩をしているようだった。

屋敷の外にナッツ(小池栄子さん)が現れる。写真を池に落としてしまったのをネネが見つけ、それを拾うとマーゴの夫の写真だった。不思議に思うネネ。
ナッツはマーゴの小説の大ファンで、マーゴに会いにここまでやってきたのだという。
ネネが案内し、ナッツとマーゴは対面。もともと手紙でやり取りしていた二人は意気投合する。
グルカとドミーも一緒に4人で食卓を囲むが。。。
お酒の隠し場所をナッツがグルカに言ってしまう

グルカは納屋に行き、隠してあった酒を飲んでいた。
そこに一人の女性(堀内敬子さん)が現れ、自分はムシだと言いだす。ムシとかみ合わない会話をしていると、ネネがやってくる。二人は一緒に酒を飲みだす。

マーゴの小説の出版社でマーゴを担当しているミロンガ(堀内敬子さん)が来ている。外は嵐である。
そこに酔っぱらったグルカとネネが戻ってきて、ミロンガを見てさっきのムシだと大騒ぎする。
酒を飲んだグルカに対して、酔っ払って変なことを言わないようにとマーゴは諭す。

ソフィーが下りてきて、父が息を引き取ったという。そして父が書いたという遺言状を持ってくる。それを読み上げると。。。
工場の経営はグルカに、そして遺産はグルカと姉妹でわけるようにと書いてあった。ソフィーには一切遺産はいかないことを知ったソフィーは泣き崩れる。


グルカは工場を切り盛りし、ソフィーはその秘書として忙しくしていた。
マーゴの書いた「骨と軽蔑」という作品が文学賞を受賞する。印税も入ってくるので、暮らしぶりも楽になるだろうと喜ぶ。
ドミーはマーゴ宛に、失踪した夫から七十通以上も手紙が届いていたことをマーゴに話す。その手紙はずっと自分が読んでいたと。
夫のことを愛しているマーゴに対して、夫はもうマーゴのことは愛していないと書いてあったと話す。マーゴはショックを受ける。
さらに、ドミーは実は自分はマーゴよりずっと前から彼のことが好きだったという。

しかし、その手紙は実はナッツが書いたものだった。ナッツはマーゴが夫が失踪した後、ショックを受けているマーゴのために、
夫になりすまして手紙を書いていたのだった。役所に頼んでマーゴの夫の写真も取り寄せ、それを手紙に入れて送ったりもしていたのだった。
でもその手紙がマーゴの手に渡ってなかったとは知らなかったのだった。
ナッツはマーゴにその真実を告げる。マーゴは最初は信じなかったが、ナッツが何度も話し、ようやくそれを信じる。

ミロンガもマーゴの担当をやめるという。ミロンガは売れなかった時と比べて、最近はマーゴの小説に興味がなくなったという。だから別の人が担当になった方がいいという。
そこにネネが文学賞の祝電をもってくる。その中に夫からの祝電があった。。。ナッツが疑われるが彼女は違うと否定。
マーゴとドミーはその祝電を読んで、喜ぶ。夫は生きていたし、文学賞受賞を祝福してくれていた。

ナッツは屋敷を去ることとなり、庭に出るが、そこにムシが3匹いた。ムシを助けて遊んでいたが、ちょっとの間に、鳥に食べられてしまう。
その日納屋で寝ているナッツのところに、そのムシ3匹が現れ、ナッツのせいで自分たちは鳥に食べられたと怒ってくる。ナッツは違うと主張するがわかってもらえない。

ソフィーは屋敷を出ていく。軍に入隊するためで軍服を着ている。
マーゴの夫から再び手紙がきている。マーゴはドミーと読む。
なぜ自分が徴兵を避けて失踪したか。彼は東地区の出身だったので、西地区の軍に行くわけにはいかなかった。そのため東地区に逃げたのだった。
マーゴたちの屋敷は東地区でも有名で、西のお城と言われていた。そこの軍需工場で生産された兵器は西地区だけでなく東地区にも売られていたのだった。
東地区ではマーゴたちの屋敷を爆撃する日を決めていてそれが、、、5/20。早く逃げた方がよいと知らせてきたのだった。
そして5/20は今日。。。。外から爆撃機が飛んでくる音が聞こえる。

焼け野原となった土地が映し出され、、、幕。




いろんな要素が詰まってて、あちこち散らかっちゃいそうなんだけど、そうはならずに
魅入ってしまったのは、キャストの素晴らしい演技力もあったのかなあって、見終わって思いました。
芝居を通して聞こえている爆撃機の音とか、戦争というものが背景にもあり、今の世の中を考えてしまうところもあったり、
かと思えば、マーゴとドミーの兄弟げんかでくすっと笑ったり、突然ムシがでてきたり。。
うーん、ケラさんってすごいな。

そう、ケラさんの芝居では珍しくキャスト紹介の映像がなかった・・・ちょっと残念。
その代わりではないけど、イヌコさん演じるネネが、我々お客さんに向かって話しかけて進行するというのが面白かった。

セットは、一家の邸宅。
リビングと中庭と。。。同じセットを使って表してて、ケラさんの芝居ではときどきありますよね。
で、中と外がごっちゃになって笑わせたりね。

この家は軍需工場をやっていて、武器を作って売っているので、戦争がなくなるのは困るわけ。
今のウクライナもパレスチナも、使われている武器を作る企業があって、軍需産業は戦争がないと栄えない。。
そんなことを考えてしまった。不条理だ。
そして主人が亡くなったあとの2幕。グルガがソフィーとこの工場を切り盛りし始めるが、
自分たちの西の国だけでなく、相手の東の国にも、武器を売っていることが説明される。。。
信じられない!とも思ったが、これが事実なんだろう、今の我々の時代も、、、含めて。
なかなか深いというか、考えさせられる内容だった。
武器を売っている相手の東の国が、最後、この工場や屋敷を爆撃するというのは、報いなんだろうか。

そう、「骨と軽蔑」というタイトルは何だろうと思ってたけど、
マーゴの書いていた、小説のタイトルだったんですね。。。賞をとった小説。
でも、耳から骨が出てくるというような話らしい、。。ホラー小説?



キャストの感想、、、
感想もなにもないくらい皆さん素晴らしいんですが、

一番印象に残ったのは、ナッツの小池栄子さんですね。
まず、、、どこの言葉だ?っていう訛りをずっと話してて、、、それが田舎者っぽくて、めっちゃ癖が強い
で、ゴタゴタしてるこの家を、さらに引っ掻き回すという。
こういう変な役を、普通に演じてしまう小池栄子さんに脱帽でした。

それからグルカの峯村リエさん
一幕と二幕では別人でした。一幕は主人に翻弄され、酒に逃げる痛々しい姿。そして二幕は颯爽とした女経営者。
まったく違う人格を、演じ切るのはさすがでした

マーゴの宮沢りえさん
やっぱり華がありますよね。りえさん。ナッツと意気投合するときの無邪気な姿や、ドミーと口喧嘩するときの子供っぽさとか
いろんな面を見せてくれました。

ドミーの鈴木杏さん
一幕はちょっと卑屈になってる妹って感じ。マーゴに対する嫉妬心の塊みたいだったけど、
二幕になってマーゴと仲良く手紙を読んだりする姿はかわいかったです。杏ちゃんは彼女の空気感を持っていると
いつも思うんだけど、今回も存在感抜群でした。

ソフィーの水川あさみさん
最初登場したとき、誰だかわからなかったです。あまり声質が舞台向きではないのではと思っていたけど、
意外にもこの役は合ってると思いました。
出番が少なめだったのがちょっと残念だったかな。愛人としてもっと引っ掻き回すのかと思ってました。

ミロンガの堀内敬子さん
出番は後半からだったけど、なかなかおいしい役だったのでは。特にムシの役(笑い)
いつも思うけど発声がしっかりしてるから、ホントに声がよいです。聞いてて気持ちいいんですよね。
マーゴの編集者というキャリア女性もはつらつと演じてらっしゃいました。

そして、ネネの犬山イヌコさん
ケラさんの芝居にはなくてはならない存在。今回はMCみたいなこともしていて、
お客さんとの掛け合いもなかなかでした。この家の家政婦さんがほんとにぴったり。

とにかくこの7人が揃ったことだけでも素晴らしいと思えるお芝居。
見に行けて幸せでした。。。

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風姿花伝プロデュースvol.10「夜は昼の母」 見てきました

2024-02-24 01:52:53 | お芝居
風姿花伝プロデュースvol.10「夜は昼の母」 シアター風姿花伝 2024.02.14 19:00~

一度行ってみたいと思ってた、シアター風姿花伝。
キャストもとてもいいので、チケットをゲット。

行きは目白駅からのんびりと歩く。。20分弱かなあ。
目白駅は学生時代毎日通ったところなので、久々に行きたかったんだよね。
ホントに駅とか変わっちゃってるけど。ちょっと歩いたところとか、変わってなかったり。
うん、懐かしかった・・・

さて、風姿花伝シアターはホントに小さい劇場。100席ないよね。
すごく贅沢な空間でした。

受付で名前を言って、座席を書いた紙と、1階のコーヒーショップの無料券をいただく。
着いたのが10分前くらいだったのと、幕間もトイレに行ってから下に行ったら、
かなり並んでたので、あきらめて、帰りにいただいて、駅まで飲みながら。。。

てっきり、毎回コーヒーチケットを配ってると思ったら、
この日はバレンタインデーだからと、岡本健一さんからのプレゼントだそうで、、、
(翌日Xで知りました)
ごちそうさまでした。ありがとうございました。

さて、話の内容は、

「鳩が鳴く
ダヴィドは母のナイトガウンを着る
ここは父が経営する小さなホテル
今日はダヴィドの16歳の誕生日
兵役を経験した兄
咳が止まらない母
ひたすら喋り続けては空回りする父
家族が奏でる追憶の四重奏」(公式より)

スウェーデンの作家ラーシュ・ノレーンの作品だそうで、舞台の記事とか見ると、
自伝的要素が強い作品とあったんですが、父母息子二人の家族の話で、崩壊寸前の家族で
見ていてつらい部分もあるような。これが自伝的。。。と、思いめぐらしたりしてしまいました。

舞台はひなびたホテルの厨房。
このホテルを経営している家族の話。父親(山崎さん)はアル中。以前に入院したこともある。
母(那須さん)は、どこか病気なんだろう。咳をし続けている。
息子が二人。長男イェオリ(隼太くん)は、まだまともな人みたい。ホテルを手伝っている。
弟のダヴィド(岡本健一さん)は学校もいかず、毎日家で何もしない問題児。

弟が一人でいるところに、兄が入ってくる。口紅を塗っていた弟を攻撃するところから始まる。
この日は弟の誕生日。その一日のできごとの話
弟は働かず、学校もいかず、毎日家でダラダラしているので、兄はそれを見てイライラしているのだ。
父は食材の支払いがままならず、苦労している。母は父を見放すわけではないが、家族の問題に苦労している。
父はアルコール中毒で病院に入っていたこともあるほど。酒をやめてちゃんと働くというが、
隠れて酒を飲んでしまう・・・が、母には見つかってしまう。
もう飲まないと約束した父だが、弟に酒を飲んでいる現場を押さえられても、
飲んでないとしらを切りとおす。しかし、床下や、料理に使う肉の中にまで酒を隠していて、
そして飲んでしまう。。。飲んだ後の至福の顔。。。。
母からは「また飲んだら別れる」と言われてもその場だけ。
家族は酒を飲んだ飲まないからついにケンカが始まり・・・・父は最後は酒によって壊れていき
いつまでも笑い続けていく。


いやあ、すごい話というか、やるせない話。
崩壊している家族の物語で、特に何かが起こるわけでもない、ある日の話を描いているんだけど。
すごい熱量で、、、3時間20分(休憩15分込み)の話があっという間というくらい引き込まれてしまいました。
家族が崩壊したのはアル中の父のせいではあるんだけど、家族のことなんか何も考えてないように見えて
なんだかんだと家族のことは思っているようではある。
で、怒りに満ちている長男も、行き場のない思いを抱えながら葛藤している次男も、困った家族を向き合って
体も悪くしている母親も、家族のことをどこかで愛している。
がゆえに、悲しい辛い話だなと。。。
もう崩壊してしまったこの家族、、、行きつく先はどこなんだろうって、思っちゃいました。

ときどき、ダヴィドの心の中の世界が現れて。。。そこでは父親、母親は殺めてて、でも兄は寸前でやめてる。
そこに何か兄に対する何かがあるのかな~


キャストの感想。
4人とも本当にすごかった(この表現が一番ぴったりという感じ)

ダヴィドの岡本健一さん
席が結構前だったから、もうすぐそこに岡本健一さんという感じで眼福でした。
一番年下の弟の役?って思ったけど、しっかり16歳に見えました。
行き場のない思いを抱えて苦悩するダヴィドが伝わってきました。

父親の山崎一さん
山崎一劇場でしたね。アルコール中毒で壊れていく様は、独壇場でした。
すさまじい演技でした。

母親の那須佐代子さん
体を壊しているのに、家族を思う強い気持ち、よかったです。
こんなお母さん、、、大変だよね。もう疲れちゃったという表情がよくわかったです。


兄のイェオリの竪山隼太さん
サックス演奏するんだねえ。。それも生演奏。かっこよかった。
っていうか、ロンのときと体格変わった?ってくらい恰幅がよくなってた。
お鬚もあったし。。。別人みたいでした。
岡本さんより年下だけど、しっかりお兄さんでしたね。


キャストの熱量をずっと浴びてて、心がヒリヒリする芝居でした。素晴らしい芝居を観させていただきました。
この空間がすごく贅沢でした。

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「オデッサ」見てきました (ネタバレあり)

2024-02-05 00:29:21 | お芝居

「オデッサ」 東京芸術劇場プレイハウス 2024.01.24 19:00~

2024年の初観劇は、このお芝居になりました。
三谷さんの新作で、出演は、カッキーとエマちゃんと迫田さん。鎌倉殿トリオですね。
めっちゃ楽しみで、チケットゲットできて、ワクワクでした。

いやあ、面白かったです。さすが三谷さん。そしてキャストも芸達者な面々で、よく笑わせてもらいました。
面白かったです。

話の内容は、

「アメリカ、テキサス州オデッサ。
1999年、一人の日本人旅行客がある殺人事件の容疑で勾留される。
彼は一切英語を話すことが出来なかった。
捜査にあたった警察官は日系人だったが日本語が話せなかった。
語学留学中の日本人青年が通訳として派遣されて来る。 取り調べが始まった。
登場人物は三人。 言語は二つ。 真実は一つ。
密室で繰り広げられる男と女と通訳の会話バトル。」(公式より)


開演前の三谷さんの挨拶というか注意事項。。。今回は鹿児島弁と英語でのアナウンスに、もうここから三谷ワールドに笑いが起きてました。

舞台はテキサス州のオデッサにあるレストラン
カチンスキー警部(エマさん)は、日系の女性警察官、そしてこの町に留学してきている日本人の青年スティーブ日高(カッキー)。
二人がこのレストランに来ている。
オデッサで一人の老人が殺害された事件が起きて、その担当がカチンスキー警部。
しかし、テキサス州では今17人の連続殺人事件が起きていて、こちらに警察の大半はさかれているため、老人殺害事件はカチンスキー警部ただ一人が
担当している。
この事件の容疑者としてあがっているのが、コジマカンタロウ(迫田さん)。しかし、彼は日本語しか話せない。警察には人がいないので、外部の
日本人留学生のスティーブに通訳をお願いし、尋問することになった。

カチンスキー警部には子供がいて、その朝食の食材を買い忘れたということで、いったん外出する。
スティーブが一人取り残されたところに、アルマジロが入ってきて、餌をあたえたりしている、
そこにコジマがやってきた。
話しているうちにコジマが鹿児島県出身だとわかり、スティーブと同郷だとわかる。コジマの身の上話をきくうちに、スティーブはコジマは無実だと
考え、彼を救おうと考える。

カチンスキー警部が戻ってきて、彼の尋問を開始する。
殺されたのは地元の老人、その息子が殺された時間ごろにコジマがその場所を通り過ぎたのを見たと証言している。
尋問されたコジマは、自分がその老人を殺したと答える。が、スティーブはわざと、コジマは無罪を主張しているとウソの通訳をする。
その後も、コジマが殺害したと答えるのを全てウソで答える。コジマが殺害した方法を身振り手振りで話すのも、彼は蕎麦屋をやっていて
蕎麦の打ち方を説明しているとウソをつく。
さらに、コジマがなぜそこにいたかの話をしているのを、オデッサの風景に魅せられてポエムを読んでいたといい、そのポエムをスティーブは
作り上げカチンスキー警部に伝える。

コジマがトイレに行っている間、カチンスキー警部はそのポエムに感動し、そんな人が殺人事件を起こすはずがないと、無実を信じようとし始める。
スティーブは英語はまずまず話せるようになったが、まだ口論ができるまでではないという。そこまでいけば英語が一人前だと思うのだと話す。
カチンスキー警部は、英語ができるくらいな日本人はたくさんいるので、その程度の英語でオデッサで働こうとするスティーブに厳しく当たる。
彼女が警察官になったのは、父の跡を継いだとのこと。母は日本人で弁護士だが、彼女のようにはなりたくなかったらしい。

コジマが戻ってきたが、カチンスキー警部はコジマが無罪だと思いだしているので、笑顔で握手を求める。そして、蕎麦のことについてきいてくるので、
コジマは戸惑う。スティーブは、ソバとは、Situation Of Violence Actionのことだと説明して、殺害時の状況をもう一度説明するように言う。
カチンスキー警部はその姿を見て、蕎麦を作るところだと思い感動する。

スティーブは老人の衣服の状態を確認。すると、拳銃がないことがわかった。犯人は拳銃を持っているのではと思う。
コジマは自分が有罪である証拠があるといって、それを取りに行くといって、席をはずす。
その間に、真犯人は誰かという話になる。第一発見者が怪しいのではというスティーブ。息子は銃の不要運動をしていて、老人とは意見が合わなかった。
また、盗まれたお金に関しても、どうしてそんな大金をもっていたのか、コジマはわからないのではと。
そんなとき、カチンスキー警部に子供から電話がかかってくる。眠れないのだと。。。そこで警部は子供とアルファベットのしりとりを始める。
アルファベット7文字で最後がXの単語で終わりにするルールとのことで、スティーブも巻き込まれてしりとりで遊ぶ。

そこにコジマが被害者の拳銃を持ってくる。殺害したときに盗んだという。
が、、カチンスキー警部に本部から、老人の息子が自首したと連絡が入る。警察からの問い合わせの電話に追い詰められて観念したのだという。
コジマの無罪は決定した。カチンスキー警部はコジマに今日一日警察が手配したモーテルでゆっくり休むよういう。

スティーブは最後に、通訳でウソをついて、警部を騙していたことを話す。警部はスティーブにビンタする。
スティーブとコジマは鹿児島弁で話だし、そこに警部にまた子供から電話がかかってくる。明日持っていくリンゴの話で、色が変わらないように塩水につけておくよう警部は話す。
コジマは帰る間際に、そういえばと、リンゴは塩水ではなく砂糖水につけた方がよいと言って去っていく。

スティーブは何かおかしいと思う。。。コジマは英語がわからないはずではなかったか。カチンスキー警部と子供のやりとりを通訳していないのに
なぜわかったのか・・・コジマは英語は話せるのではないかと。。。
だとすると、なぜコジマは有罪だと主張したのか・・・
カチンスキー警部は急に思い出す。テキサス州の17人の連続殺人事件のことを。あわてて、犯人の似顔絵を見るとコジマに似ていた。
彼にとっては、連続殺人事件がばれるより、老人殺しの方が都合がよかったのだった。

コジマが再びレストランに現れる。拳銃を向けてくる。コジマは生まれがロンドンで英語が話せると。10歳の時から鹿児島に住んでいる。指宿の警察では
鹿児島弁が変だとバカにされていたと。拳銃をなくしたことでクビになり自暴自棄でアメリカに来て、人を殺して死のうと思ったと。
スティーブにお前の鹿児島弁も変だと言い捨て、部屋を出ていく。それをカチンスキー警部は追いかける。

スティーブは初めての通訳をうまくできたと思ったのに、なんで最後に鹿児島弁を叱られないといけないのかと落ち込んでいる。
銃声が聞こえたあと、カチンスキー警部が戻ってくる。コジマはアルマジロの尿で足をすべらせ井戸に落ちてしまったとのことだった。

カチンスキー警部は最後に自分がニューヨークからオデッサに来た訳を話す。酒に酔って拳銃とパトカーをなくしたと。。。そして彼女も帰っていく。
ひとり残ったスティーブはアルファベットしりとりを・・・それもこの芝居で出てきたキーワードで。。。

カテコもなかなかかっこよかった。後ろに映っている映像を、カチンスキー警部が撃っていくと、「Odessa」に変わっていくと。
おしゃれなカテコでした。


言葉の行き違い。カッキー通訳のその場しのぎの適当通訳で笑わせてもらったけど、
でも、、、最初からあれこれ伏線が張ってあり、最後は回収するという、非常に緻密な芝居だなと感心・・・
確かに、連続殺人事件が起きてたという話もあったし、その事件の記録が無造作に置かれて、それをコジマがしっかり読んでたりと。
あと、アルマジロの出現すら伏線だったとは。。。
さすが、三谷さんと最後のどんでん返しに感動でした。
コジマはすべてわかっていたとは、、、一枚も二枚も上手でしたよね。

ただ、面白い、ただ謎と解くだけでなく、ところどころに、3人の過去の話とかも織り交ぜていて、どのキャラクターも非常に
人間的に描かれていたので、すごく深みがある芝居になってたなと思いました。

身振り手振りをあんな風に別の解釈で違訳できちゃうってすごいなあ。蕎麦打ちと殺人事件には笑っちゃったけど。

英語の部分はちゃんとスクリーンに字幕も出るから、英語めっちゃできない私でもよくわかりました(汗)
英語、日本語、鹿児島弁・・・いろいろ飛び交いながらもちゃんと理解できましたよ。
そう、英語監修は、宮澤エマ、鹿児島弁指導は迫田孝也とのクレジットもよかった・・・

テキサスなので、ウエスタンの格好をした荻野さんの演奏も最高でした。


キャストの感想

スティーブのカッキー
いやあ、英語の発音めっちゃきれいなんですけど。
そしてセリフ量半端ないです。英語、日本語、鹿児島弁、お疲れさまでした~
コメディって難しいだろうけど、まじめに一生懸命通訳している(それも無実だというようにつじつま合わせして)姿が
めちゃめちゃ面白くて、さわやかなカッキーの見た感じとのギャップが面白かった。
でも、最後一人になった場面では、いろいろと苦悩を持ってる青年がにじみ出てて、さすがだなと。
今年はこのあと、ハムレット主演ですね~見に行きたい。めっちゃ大きくなっちゃったカッキー。楽しみです。


カチンスキー警部のエマさん
エマさん、めっちゃ可愛かった。当て書きだというだけあって、めっちゃ役にぴったりでしたよ。
英語監修なだけあって、さすがの発音でした。ものすごくきれいでしたよね。
容疑者の事情聴取に来た警部なんだけど、ただその捜査場面だけではなく、シングルマザーだったり、子供を愛していたり、
それから日本人の母との確執とか、そういうところもしっかり描いていて、頑張ってる女性警部というのが伝わってきました。
で。。。途中、スティーブと抱き合ったり惹かれあったりしてたのが、異常におかしかった。。。


コジマの迫田さん
さすがの迫田さんでしたね。容疑者づいている迫田さん。。。ホントに殺人者で最後は井戸に落ちるって(笑い)
バリバリの鹿児島弁さすがでした。鹿児島弁指導ですからね。確か大河の「西郷どん」でもやってましたよね。
苦難の人生を送ってきて。。。アメリカに来て自暴自棄になっている怖さというのもよく出てました。
特に、最後に銃をもって入ってきて、警部やスティーブと対峙するときの演技は怖かった。。。さすがでした。
ハリポタのロンのぶっちゃけた演技をしてた人と、同じ人とは思えないくらい・・・
また、ロンに復活とのことで、時間あったら見に行きたいな~


ということで、今年最初の観劇は、笑わせていただきながらも、三谷さんの緻密なストーリー造りと
3人の素晴らしい演技で楽しむことができました。
今年はどのくらいお芝居に行けるかなあ・・・
もういくつかチケットゲットしているので、楽しみです。素敵なお芝居と今年もめぐり合いたいなと思ってます。

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2023年見に行ったお芝居

2024-01-07 00:59:58 | お芝居
2024年は地震・事故・火事というようなことから始まり、どうなってしまうのか、本当に不安です。

2023年も、猛暑、異常気象などいろいろありましたが、そんな中でも、お芝居にはたくさん行きました。
2023年は33本。
昨年行った芝居は下のとおりです。

1. 2023.01.09 12:00~ 彩の国シェイクスピア・シリーズ「ジョン王」 シアターコクーン 
2. 2023.01.12 19:00~ 「宝飾時計」 東京芸術劇場プレイハウス
3. 2023.01.25 19:00~ 月影番外地 その7「暮らしなずむばかりで」 ザ・スズナリ
4. 2023.01.29 13:00~ 「宝飾時計」 東京芸術劇場プレイハウス
5. 2023.02.23 13:30~ PARCO劇場開場50周年記念シリーズ 「笑の大学」PARCO劇場
6. 2023.02.27 14:30~ シス・カンパニー公演 「ケンジトシ」 シアター・トラム
7. 2023.03.17 14:00~ ナイロン100℃ 48th SESSION 「Don't freak out」  ザ・スズナリ
8. 2023.03.19 12:00~ オールナイトニッポン55周年記念公演 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」より「たぶんこれ銀河鉄道の夜」 紀伊国屋サザンシアター
9. 2023.03.21 13:30~ 「カスパー」 東京芸術劇場シアター・イースト
10. 2023.03.30 18:30~ PARCO劇場開場50周年記念シリーズ ミュージカル「おとこたち」 PARCO劇場 
11. 2023.04.16 13:00~ TEAM NACS Solo Project 5D2 -FIVE DIMENSIONS II- 幾つの大罪〜How many sins are there?〜 EX THEATER ROPPONGI
12. 2023.05.27 13:00~ イキウメ「人魂を届けに」 シアタートラム
13. 2023.06.09 19:00~ イキウメ「人魂を届けに」 シアタートラム
14. 2023.07.29 12:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター
15. 2023.07.30 12:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター
16. 2023.08.03 19:00~ asatte produce 「ピエタ」 本多劇場 
17. 2023.08.14 12:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター
18. 2023.08.17 18:00~ こまつ座 第147回公演 「闇に咲く花」 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
19. 2023.09.08 12:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター
20. 2023.09.17 12:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアタ 
21. 2023.09.18 12:00~ 2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星』 THEATER MILANO-Za
22. 2023.09.22 19:00~ ヨーロッパ企画第42回公演 「切り裂かないけど攫いはするジャック」 本多劇場
23. 2023.10.02 13:00~ ヨーロッパ企画第42回公演 「切り裂かないけど攫いはするジャック」 本多劇場
24. 2023.10.11 18:00~ ケムリ研究室no.3「眠くなっちゃった」 世田谷パブリックシアター
25. 2023.10.15 14:00~ 2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星』 THEATER MILANO-Za
26. 2023.10.18 18:30~ 「レイディマクベス」 よみうり大手町ホール
27. 2023.11.15 12:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター
28. 2023.11.15 18:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター
29. 2023.11.23 13:00~ 「無駄な抵抗」 世田谷パブリックシアター
30. 2023.12.06 18:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター
31. 2023.12.21 18:30~ 舞台「OUT OF ORDER」 世田谷パブリックシアター
32. 2023.12.30 12:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター
33. 2023.12.30 18:15~ 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」 赤坂ACTシアター

33本とはいっても、ハリーポッター10本なので、他のは23本ですね~
例年よりちょっと少ないのは、ハリーポッターのチケット代がお高いからです・・・

では、今回も昨年見た中からベスト5を選びたいと思います。


5位 舞台「OUT OF ORDER」 

笑った笑った。。。面白かった。
一昨年の三谷さんの芝居「ショウ・マスト・ゴー・オン」と同じように、次から次へといろんなことが起こり
ホントに楽しかったです。
ユースケさん、倫也くん、そして猫背椿さん、、、みんな芸達者で本当に面白かった。
年末に気持ちがアップする楽しい芝居が見れてうれしかったです。


4位 PARCO劇場開場50周年記念シリーズ 「笑の大学」

まず、このお二人の空気感が最高によかったです。
内野さんと瀬戸くん。リズムも間合いもとてもよかった。
もちろん、三谷さんの脚本も。。。
太平洋戦争下という状況での、国家権力とその対極にあるような演劇人。
その二人の気持ちがだんだん通じ合っていく過程。そして赤紙が来たというラストの光景。
話は面白くて笑いながらも、戦争に対する三谷さんの想いも感じることができました。
見に行ってよかったと思う芝居でした。


3位 2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星』

早乙女兄弟の殺陣に圧倒されたけど、でも、おとっちゃんを思うみさき、いぶき。。。
ここに涙腺が緩みました。
人情もののいい芝居でしたね。
まあ、新感線らしく、笑いもあって楽しかったけど。
キャストも適材適所でよかったです。特に早乙女太一くん。
めちゃくちゃかっこいい殺陣と、古田さんに成り代わったあとのしょぼい殺陣。笑いましたね~
山本千尋さんの身体能力の高さや、久保史緒里ちゃんの歌のうまさも堪能できました。
今年は新感線、どんな芝居を見せてくれるのかまた楽しみです。


2位 シス・カンパニー公演 「ケンジトシ」 

宮沢賢治の世界観がすごく好きなので、このお芝居を見て、
また賢治記念館に行きたくなりました。結局今年は行けなかった。

岩手の四季の映像。そしてヴィオラの生演奏。
賢治とトシの兄弟愛。
若くして先に逝ってしまったトシへの賢治の愛。号泣ですもんね。
二人は本当の同じ思いで結ばれていたんだなと感じました。
二人を演じた中村倫也さんと黒木華さんも素晴らしかった。

コロナで延期になってしまって、ようやく見れたこの舞台。
本当によかったです。


1位 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」

なんだかんだといって、10回も見に行ったら、感動しますって。
それにやっぱりよくできてる話だし。劇場そのものがハリーポッターの世界だし。
魔法もふんだんに使われてるし。
しっかり計算され、作られた芝居だなと思いました。
いろんな席で見れたのも楽しかったな。
そして直人ポッターは、見るごとに進化してて、素晴らしかった。
特に父親としてアルバスと対峙する姿が、厳しく優しく、そして悩んでる。
よく出てて、何度も見に行けて幸せでした。


明けて2024年、どのくらいお芝居行けるかなあ。。。
夏のツアーに何本行けるか次第かな。。。(金銭的なこともあって)
とりあえず、もう何本かチケットはゲットしているので、
今年くらいの本数は行ければいいなと思ってます。
今年の1本目は、三谷さんの「オデッサ」の予定です。

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