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2010-11-17 | from m/b

世の中の漠然としたものや、根拠や出所が見えてこないものに対して、いまいちピンとこず柔軟さに欠ける私。
そんな私は先日、aura-somaを勉強したという友人から、綺麗な桃色のオイルと水が二層になった瓶をいただいた。私のために選んでくれた11番です。
  
んんん。面白いものを頂いてしまったナァ。私に使いこなすことができるかしら? …とか思うのだけれど、友人はそんな私の性格を分かりながら、何かのメッセージを込めて贈ってくれたのだもの。ここは深く考えずに「感じて」みようじゃないか!
  
とても愛らしいカラーだし、何よりその友人の気持ちが嬉しくて、昨晩などそのボトルをベッドまで持ってきて、少し体に塗り、その不思議なエネルギーを感じたような感じないような気分に浸りながら、ちょっとわくわくしながら眠ってみたのです。



こういうのを奇跡とよんでいいのかどうか分かりませんが、私にとっては奇跡だ!と思えるほどびっくりしたことが早速に起きたのです。

夕食中、二度ほど電話が鳴ったのだけれど、出たら相手がすぐに切ってしまうという、少々気味が悪いことがありました。
そして夕食も片付けも済んだ頃に三回目の電話がかかり出てみると、それは三年前までピアノを習いにきてくれていたA君という生徒さん。どうやらものすごく緊張しながらかけてきたようで…。

私とほとんど歳の変わらないような生徒で、私が学校を卒業した頃から縁あって習いに来ていて、それはそれはそれは困難だらけのレッスンでした。
毎回色々な方法で歩み寄ってトントンと叩いてみるのだけれど、周囲の人・モノすべて敵といった感じで心も口も頑なに固く閉ざしている。私にも悩みは大いにあり、年齢が近いということもあってか他人事とは思えず、どうにかならないものかとこちらも心を開いて、ものすごく頑張った思い出のある生徒です。

「こんにちは」の一言が言えないような不器用でシャイでいつでもブスっとしているA君は、動物にも接したことがないようで、「犬、撫でてみる?」と言うとラブの頭を毛並みと逆方向に一度だけサラっと撫でてくれました…。めったに喋らないA君、たまに喋るとぎょっとするようなとんでもなく悪い一言だったりと、なかなか魅力が人には理解されにくいタイプでしたが、どこか深いところにキラリと何かを秘めているような期待と好感も実はあり、どうにかそのとんがった部分が丸くならないものかなと、こちらも一生懸命でした。

そうそう、ある時、研修だったか何かで京都へ行ったのでと言って、可愛らしい和紙の貼られた手の中におさまるほどの小さな日本茶葉の缶をお土産に買ってきてくれ、愛想なく手渡してくれたことがあり、もう、びっくりやら嬉しいやらで、しばらく缶を大事に置いていたものです。

でも、レッスン中もし私が気を失って倒れたとしても何事もないように放っておかれるのだろうな(どうすべきかの術を知らない)…とまぁ例えは変ですが、そんな不器用な感じのするA君。
そんな彼はどこへ行ってもうまくいかず悩み、次第に心身共に疲れきりいつも何かに対して憤怒し、ある日、大人とは思えない態度でレッスン室から無言のまま大足で帰って行ったのです。




それっきり会うことも言葉を交わすこともなく年賀状の返事もなく、その後も色々と悩み苦労があり今ももがいているのではないか?と時々思い出しては気になっていました。

そんなA君が昨日、三年ぶりに電話をかけてきてくれたのです。聞けばレッスンを辞めた直後、一念発起し職場を変え都会へ出て一人暮らしを始めたとのこと。
一人では何かを決めるのが苦手で、コピー機やCDデッキさえ操作できないような彼がです。相当なエネルギーが要ったはず。当時の心情は察するに余りあります。
あの最後のレッスンの時みたいに、周囲に対してああでもしないと前へ踏み出せなかったのだろう。

この地を去るときに挨拶を…と思っていたのだがバタバタして何も言わずに出てきてしまった、あんなに世話になったのに悪いことをした…とその無礼を謝ってくれるA君。
「いつでも味方ですよ」という気持ちで私なりに心から言った言葉や行動をいつも無表情のまま悉く流され、さみしいものだなと勝手に思い、時には自己嫌悪に陥ったりしましたが、なんだかやっと心が繋がった気がし、声を聞くことができ本当に嬉しかったです。十年近く接していてA君の口から初めて自然な「ほんと、ありがとうございました」を聞き、その、何か大きな重たいものが落っこちたような爽やかさ軽やかさに感動しました。こちらこそ「どうもありがとう」です。

実家を出て一人暮らしを始めたことも驚きですが、自ら何かを話したことなどなかった人がこうして電話をかけてきてくれたことも大変な勇気だったと思うのです。
勇気を出して底力を発揮し行動をした人というのは急激に成長し、こんなにも生き生きとするものなのだなあ。「忙しくて大変です」と言いつつ声が別人のように明るかった!

この嬉しい出来事、aura-somaの力が引き寄せた?