お気に入りを、さらにお気に入りに。

2011-09-22 | from m/b

2011-9/22
とても気に入って着ておられたという某人気アメカジブランドのチェックのシャツ、これを使って来年の手帳カバーとペンケースを…ということで作らせていただきました
>>(shop→sold out8ページから見ていただけます)

「このシャツは4種類のチェック地でできているので、その4種全部を使って欲しいのです!」とのことだったのですが、送っていただいて最初拝見したとき、なかなかその4種が見つけられず焦りました。ちょっと遠くに離れて全体像を見てみて、やっと見えてきたのですけれどね。

ステーショナリーという小さな面積のところにこれだけのチェックを入れるって、一体どんな感じに仕上がるのかしら?と不安があったり、普段なかなか身近にない雰囲気の素材だったこともあり最初少し敬遠気味だったのですけれど、生地を触ってあれこれ配置を考えているうちに、混乱しながらもだんだん愛着がわいてきて楽しく作らせていただきました。
  
オーダーメイドは自分の好みだけでは進みませんから、新鮮な発見がよくあります。

 


eustoma

2011-09-19 | from m/b

2011-9/19
何かと感じやすい季節の変わり目… この時期のせいかな、しょっちゅう父の夢を見る今日この頃。
先日など真夜中に涙で顔がぐしゃぐしゃになって目が覚めたという…こんなことってあるんだな。
  
父にお供えする花を育てる。
これは庭のことをするのが好きだった父との、会話みたいなものです。
これ、発芽したては驚きの小ささのちょっとむずかしすぎる植物だけど挑戦中ですよ、できるかな、待っててね。
「ぁ、みえるみえる!」 …やっと母にも見える大きさに育ってきました。

(父に見せるために、母と私どっちがきちんと咲かせられるか競争しよう!と、同じ花の種類違いのタネを購入したのですけれど? わ、わすれてるんでしょか? おかあさん、種は蒔かないと咲かないし、播種適期を逃しますよ。今のところ私の勝ちです)

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tournesol

2011-09-16 | from m/b



先日、少し気持ちが疲れ気味だったその日、日が暮れる頃になって急遽よその町での用事ができ渋々出かけたのですが、夕方の西へ向かってのドライブは思いのほか気持ち良く、用が済んだあとそのまま帰るのが惜しくなって、目に入った店へふらりと入ってみたのです。

するとすぐ、あれですよ、あの決まり言葉、「どういったものをお探しですか?」って80歳前と思しき店主のおばあ様、お化粧、ちょっと濃い。

(あー、つかまった;)

ちょっとウロウロ見たいだけだったので「ちょっと色々見せてください」て言ったのにずっと横に付いてきて、ちょっとしつこい。強引で、だんだん心底いやな感じになってきた頃、「ごめんなさいね、しつこくて」と何度も丁寧にしつこく(!)言う店主さん。
空気読んでるのだか読んでないのだか、もう、何かを通り越してなんだかだんだん心を開いてしまった私は完全におばあ様ペースに引きずりこまれていて、商売人らしく人の心理を読み取るのが絶妙なものだから、日頃の悩みのひとつも相談してしまいそうな自分がいて可笑しくなる。

心の中でくすくす笑っているうちに、なんだか身も心も軽くなってきた!

この狭い小さな店にひとたび入ったら最後、買うまで絶対出られない「こりゃ、蟻地獄だな」と最初は息苦しく思ったのに、物を売るという自分の仕事に真面目で一生懸命なプロ意識の高いこのおばあ様を見てるうちに「すごいなあ…素敵だ」と思えてきて、今日はこの店主さんに委ねてもいいじゃないか、という気分になってきたから面白い。






棚から箱から奥から次から次へと出してきては試着をすすめてくださる。
「お嫁に持っていきなさい。もし、お産をしたらこれを着て赤ちゃんに添い寝してあげなさい。今どきのではちょっと愛想ないですよ」とか、その世代の方特有のなかなか面白いコメントが次々飛び出す。そんなの好みの問題だし、赤ちゃんに恵まれるかどうかも分からないことだし!ていうか無事お嫁に行けるかどうかだって分からないし!

…と心で突っ込みつつも、このなんだかうるさいほどの押し付けが心地良くなってきたのは不思議。

結局、かなり迷って買うことにしました。
この、何から何まで「なんかすごい」店主のおばあ様とのやり取りは興味深く、もう、値段の半分は今日の思い出に…と支払った感じです。(こういう買い物、嫌いじゃないな)

「大事にしてくださいね」と、包むときにシュッシュッシュッて三回も香水振り掛けてくださった…「ええっ!」ちょっとびっくりしたけれど、大切な自分のお店の商品、それくらい心を込めて送り出したいのでしょうね。
とても大切なものになりました。

今回私が買ったものは、パジャマです。
寝るときは、ひねくれた私を穏やかな自分に戻してくれそうな、優しくて、ちょっとすてきなものがそばにあるといいな。

(画像 : 弱々しくくすんだ色…夏の終わりのひまわりが素敵)


「お茶がこわい」

2011-09-13 | from m/b

2011-9/13
塩スイーツが根強く流行り続けていますが、昔の昔っから在る塩味饅頭が好きだわという方は結構多いようで…古くから塩田が栄えていた播州赤穂の名物ですね。
母の郷里ということもあり口にする機会が多く、お墓参りなどで赤穂へ行く時には「あの人もこの人も大好きだから」と買って帰ることになります。
  
寒梅粉(もち米)を使った皮の中に、ぎゅっと甘く塩のきいた餡。干菓子のよう。
地味な見た目と真面目な味のこの塩スイーツの元祖、疲れて「あぁ甘いもの、食べたいな」ってときに体も心も満足する、しっかりとした甘さなのです。

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キーケン・フォッシ

2011-09-01 | from m/b



夏の終わりのとある日、母があれ作ってよと言う。 
明日、お客様がみえるからシフォンケーキでもてなしたいと言うのだ。

どなたか問うと、「私にとっては」全然関係なく正直あまり嬉しくないお客様(…親しみを込めて、こう言わせていただこう;)

えー、いやだ。ぜったいいやだ!
「自分で何か作ったら? 昔シュークリームよく作ってたじゃん」と何度も促すも全く聞いてもらえず、結局いつの間にかキッチンに卵6個がしっかり用意されていたという...
  
はァァアアー ぜんぜん作りたくない。
が、時間は過ぎ、夕方になってしぶしぶ作り始める私。泡立てて混ぜて型に入れて、えーいとオーブンに投入。ふっーぅ、しんど。
あとは焼き上がるのを待つだけ。ふんふんふん♪












…あり? ありり?

ぜんぜん膨らんでなーい!その上、な、なんかぼろぼろ。
きちんと分量量ったし、きちんと泡立てたのに、なんで? これまで何十回と焼いてきたケーキなんだけど? ショック!
父が邪魔をした? だって父にとっても少々面白くないであろう、この今回のお客様。(親しみを込めて、こう言わせていただ...)
生きていた間はあまり意思表示をしない静かな父でしたが、亡くなってしまってからよく意志を示す父です。こういうことがよくあります。


私、なめてました。何事も心を込めてするべきです。 気のこもらない仕事って、本当にこうなるのですね。びっくりしました。
原因は色々重なったのだと思いますが、植物オイルを使うべきところを、頂き物のいわゆる「健康オイル」というものを代用したのが失敗だと思われます。(でもまぁ、気がこもっていれば素材選びももっと慎重になったはずですから、オイルのせいではなく私が悪いのです)

※これ系のオイルでもレシピによっては上手くいくこともあるようですが。





見るに堪えない、、いや見てはいけない画像ですので白黒で。

ちょっと食べてみると? なんとこれが思いのほか美味しいー!
どこかの国に、ややこしいカタカナの名前のついたこういう伝統菓子、ありそう。
この感じ、二度ともう作れないかも(色々な条件が必要なんでね、やるきの無さとか)って思うと妙に大切に思えてきてしまいます。
でも、やっぱりお客様には出せません。


さて、どうしよ?
明日、ケーキなかったら困るしな。頼まれた責任もあるしなあ。なんだかんだ言って、やっぱり美味しいの食べていただきたいし(あれ? 作っている間に愛情わいてきてる)。
何より、このまま、この原因不明の失敗のまま放置しておくと、私は今後、怖くてシフォンケーキを作れないひとになってしまうのが恐ろしく、夜遅くになって植物オイルを買いに走り、心を込めて焼き上げたのでした。
  
次の日の朝、お仏壇の横に置かれたケーキ(一応成功)を見て 「わー!パパがシフォンケーキを届けてくれてる!」と大喜びの母...;  






当日お昼前にみえた、その初対面のお客さまは(くやしいけれど?)なんとも素敵なご夫婦でした。

私はお茶係。紅茶を準備し…

今回の私の失敗エピソード、「そのお話を聞くと、より美味しいわ!聞けて良かった」と楽しそうに飾りのハーブまで硬い茎ごと食べてくださった奥様。


誰かのために気持ちを込めて作るって、心の潤いをもたらすもの。
自分のためでもあるのね。