旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

日本心身学会北海道支部第39回例会

2014-02-23 23:29:33 | 学会活動
本日は上記の会がありました。今回は一般演題のほか、緩和ケア特集です。

午前中は教育講演二つ。

札幌医療生協ホームケアクリニックの前野宏先生の「在宅緩和ケアの現状と課題」は家族の協力のもと、抗がん剤池沼を避け、葬儀の仕方まで準備された方の例が印象的でした。前野先生のバックボーンである聖書やマザーテレサの話からdoingよりもbeingの大切さを再認識させられました。

北大精神科の田中輝明先生は「緩和ケアとメンタルケア―緩和ケアチームにおける精神腫瘍医の役割―」のテーマでリエゾン精神医学と精神腫瘍学の違いが少し分かりました。医療モデルから心理モデルの違い。震災後のケアも心理モデルの活用が必要。グリーフ(同時多発的喪失体験)に相対する際には「ひと」が問われるとのことです。

午後の特別講演では市立札幌病院精神医療センターの上村恵一先生が「がん患者のこころのケアについて今我々ができること―精神心理的ケアの専門家としての役割はどこにあるのか―」を語りました。

「distress(悩み)をバイタルサインのひとつに」「困った患者はその人独自の現実感をだいじにする」「生まれ方は選択できない。死に方は選択できる。だから後悔もある」などたくさんの教訓をいただきました。

一般演題では腰痛のユニークな治療法が興味深く、活用してみたいと思いました。