倶知安は最低気温がマイナス10度まで下がりました。今、列車で札幌から戻りました。
北国に生きることは厳しいことです。ピリピリした風、足元をすくわれる雪道。もっと楽な暮らしがあるだろうなと思いつつ。ここに生活している方々のためにもうひと踏ん張りのわが人生。
きょうは北大大学院の博士論文締切日です。ぼくが退職前で直接指導できるのは2年のみ、あとは2年間は外から応援することで入学してくれた人たちです。
大島寿美子さんは現在北星大学で准教授をされていますが、かつてはアメリカで医療ジャーナリストをしていました。現在は教育の仕事の傍ら、がんと闘っている女性たちのために患者組織づくり、運営にも携わっています。
最終的にまとめた論文のテーマは
(婦人科がん術後のサバイバーシップケア:術後フォローアップに対する患者と医師の意識に関する質的研究)
羽原美奈子さんは地域看護分野で実践・教育・研修をされてきました。今回のテーマは
突発性大腿骨壊死症患者に対する生活の質研究
多くは医原性疾患で複雑な思いで生活している方々が医療福祉を適切に活用して生きてほしいという願いから成し遂げた研究です。
木佐健吾君は卒業8年目の臨床医ですが、法学者であるお父上さまの影響もあって地域社会への関心を強く持った医師です。
プライマリケア外来における診察時間に関する研究
が論文のテーマです。本人が決めたテーマです。難しい課題にしっかり取り組んでくれました。特に第3章「診療時間の構造」第4章「医師が診療時間を決定する要因」は力作です。
3人の共通点は質的研究と量的研究を組み合わせていること。ぼくが参加するゼミが月2回だったため、それぞれ仕事がありながら毎週のように自分たちで勉強会を開いてグループ学習を繰り返してきたことです。教授が頼りないと自主的にがんばれねばならなかったのです。
松下村塾的な研究室で、よかったのでしょうかね。
これから厳しい審査があります。3月に3人とも修了できることを念じています。
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