goo blog サービス終了のお知らせ 

about him

俳優・勝地涼くんのこと。

5月の沈黙

2007-10-04 01:15:03 | その他
2005年12月から2006年4月にかけて、珍しくテレビで彼を見る機会が多かった。
2月はテレビには出なかったものの映画やドラマの撮影の様子が聞こえてきたし、4月は『恋するハニカミ!』のみだったけれど(あとNHKの『いっと六県』で上演中の舞台『父帰る/屋上の狂人』の映像を一部流した)、『父帰る~』のレポをネットでたくさん読めたので情報不足は感じませんでした。 

次の仕事についても舞台が終わる頃には告知されるだろうと思ってたんですが、予想に反して5月に入っても何も情報が聞こえてこない。
そればかりか事務所公式のメッセージも全然更新されないまま。約一ヶ月に及ぶ舞台が終了して時間的にはいくらか余裕ができたと思われるにもかかわらず。 

ひょっとして仕事で海外行ってるのか、あるいは千秋楽を迎えたら疲れが一気に出て寝込んじゃったのかとも思ったんですが、東京近辺でたびたび観劇中のところを目撃されているのでそのどちらでもない。
となるとあと考えられるのは・・・・・・心の問題。  

4月の舞台は見ていないのですが、観劇レポはほとんどが絶賛状態、彼に対する評価もすごく高い。
カンパニーのチームワークも最強で、日々進化し続けるとんでもなくクオリティの高い舞台だったのがひしひしと伝わってきました。 
そんな充実した日々が突然なくなって、そこに長いオフが重なったとしたら(長丁場のあとだし新作情報がないことからして十分ありうる)虚脱状態に陥ってもおかしくない。 

さらに彼が前年から時折口にしていた「漠然とした不安」。
その不安が大学に行くという保険をかけず不安定な専業俳優の道を選んだこと(その選択を決して後悔はしてないでしょうが)に由来する以上、これはもう耐えてゆくしかないわけですが、舞台が終わって気が抜けた時にこれまでは漠然としていたものが一気に形になって噴き出してしまったんじゃないかと思えるのです。 

学生がたとえ学校にろくに行かなくても学費さえ払っていれば学生なのと違って、事務所に所属しているとはいってもやはり俳優は演じることによって俳優たりうる部分がある。
まして「『職業は俳優』とそんな大きなことはまだ言えない」(18歳当時のインタビュー。2007年6月の
escala café」のインタビューでも同様の発言をしていました)と考えている彼であってみれば、仕事をしていない状態が続くと、自分が何者なのか、その足元さえ覚束なくなるような不安を感じるんじゃないか、と。  

頻繁に観劇に通っていたのも、「時間的余裕ができたから」「知り合いが出演してるから」という以上に、少しでもお芝居に近いところにいないと不安で居たたまれなかったのでは。
けれど見に行ったら行ったで、きっとまた「なぜ自分は客席の側にいるのか」と考え込んでしまったり・・・。
そんな悪循環を一ヶ月近く繰り返してたんじゃないでしょうか。勝手な想像ですけれども。
 
 

思うんですが、彼ってファンに愚痴らないですよね。甘えないし、媚びない(ファンに愚痴りまくる芸能人もそういないでしょうが)。
ちゃんと友達とお客さんの線引きができている。
撮影の苦労話を書くときも「大変でしたあ~!」「涙です。」などあくまで軽い調子で、「でも楽しかったです。」「やり甲斐がありました。」といったフォローの言葉も忘れない。
メッセージを読むといつも自然と彼の笑顔が浮かんできます。だからこそ、どうしても笑えない気分の時は更新できなくなってしまうのかもしれません。 
『Kindai』7月号(同じ事務所の北条くんとやっていた連載の最終回が載った号)の発売日(5月23日)にメッセージを更新してくれたのは、突然の連載終了にファンが動揺しないようにとの本人なり事務所の人なりの気遣いだったんでしょうね。
頑張って長文を書いてくれたその気持ちが嬉しいです。

正直、このメッセージが明るい調子だったので、無駄に心配しすぎたかなとも思ったんですが、6月7日発売の『POTATO』7月号の記事を読んだら、舞台が終わった後いつになく役を引きずった、高校卒業以来の長いオフに「休みがつくづく性に合わないと思い知らされた」「休んでていいのかな?」と不安になったと話していて、「ああやっぱり」という感じでした。
8月発売の『俳優になる』でも「何もしていない自分が、まわりに置いて行かれちゃう気がした」と言っていたし・・・・・・一ヶ月さぞ悶々と苦しんでたんだろうなあ。
ただファンに愚痴らない代わり友達にはたくさん甘えたり弱音を吐いたりできてるようなので、そこの部分は安心してるんですが(悩みを吹っ飛ばしてくれた二宮くんに感謝!)。 
このさいぜひフォスターさんには倒れない範囲内で彼をガンガン働かせて頂きたいです。
その方がファンも本人も(たぶん)喜びます。あくまでも「倒れない範囲」で。 

――そういえば8月もやはりメッセージの更新が滞りましたが・・・こちらはあまり心配にならなかった。
『さよなら』PVのインタビューや『Cool Trans』で最高の笑顔を見せてくれてたからかな?


P.S. 上記の文章を書いたのはブログ開設前、去年の12月頃でした。その後まもなく事務所のメッセージコーナーはなくなってしまったので、いまや遠い昔の話題という感じですね。
メッセージに代わる個人ブログの開設については長らく「Coming Soon」状態になってますが、ずっとこのままでもいいんじゃないかという気もします。
たぶん短い文章一つ書くのにも、読者であるファンや関係各方面に相当気を使ってしまうタイプだと思うので、負担になるのなら無理にやらなくても、と。
メッセージ中の何気ない文章にしばしば胸打たれてきた身としては結構残念ではありますけど。

話は変わりますが、最近はオフの過ごし方として、トレーニングジムやウェイクボードの話をよくしていますね。
「根は結構家にいちゃう、何もなかったら夕方まで寝ちゃったりとかするから、なるべく、こう、出ていくようにしてる」という、『月光音楽団♪』ほかでの発言を聞くと、休みを「何もしていない」時間にせず有効活用してゆこう、(とくにジム通いはもともと舞台『犬顔家の一族の陰謀』に向けての体力作りだったようなので)役者としてのレベルアップのための充電期間にしようと積極的に動いているようです。

不安をまぎらわすのでなく、不安を感じる必要がないほどに日々を充実させてゆこうとする――。
あれから一年を経て、より前向きに逞しく歩んでいる彼の姿が何だか眩しく思われるのでした。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『空中庭園』(2)-5(注... | トップ | 『末っ子長男姉三人』 »

その他」カテゴリの最新記事