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俳優・勝地涼くんのこと。

『この胸いっぱいの愛を』(1)

2007-02-08 00:08:19 | この胸いっぱいの愛を
2005年10月公開の映画。評価は賛否両論のようですが、個人的にはかなり好きな作品です。
門司の町並み、ヴァイオリンの音色、BGM、画面の色調、作品を構成するもろもろが、ゆったりとした優しさに満ちた雰囲気を生み出していました。
公開終了から大分経った頃、監督かプロデューサーかが雑誌のインタビューでこの映画について「品のある映画を作りたかった」とコメントしていたのを読みましたが、まさにそんな感じ。

登場人物の性格づけが一捻りしてあるのも特徴で、
頼りなさと包容力が自然に同居している比呂志(伊藤英明さん)、
「憧れのお姉さん」「不治の病」「音大生(卒業してるけど)」と三拍子揃いながらいかにもな儚げな女性でなく強気な姉御肌の和美(ミムラさん)、
実に弱弱しく影が薄いのにラストで意外な正体がわかる臼井さん(宮藤官九郎さん)、
友達のいない孤独な少年というからもっといじめられっ子タイプかと思ったら口が悪く負けん気の強いキャラだったヒロ(富岡涼くん)、
そして若くして極道の世界に生きながら根はナイーブでロマンティストのヤクザ・布川(勝地くん)。 

映画同様、勝地くんの評価も賛否両論、というか「何あのヘタクソ」から「彼の演技に泣かされた!」まで見事に真っ二つ。
思うに彼の「一生懸命つっぱってるんだけどいかにもヤクザが板につかない感じ」を、そのまま「ヘタ」と取るか「ヤクザが板につかない男の役なんだからあれで良し」と取るかが評価の分かれ目でしょう。
『この胸~』オフィシャルフォトブックの勝地くんインタビューを読むと後者が正解なのがわかります。
勝地くんグッジョブ、いやむしろ彼の資質を見極めてこの役に起用した監督グッジョブというべきでしょうか。
ヤクザという役柄上布川はガラの悪いキャラにならざるを得ないが、そのために作品の品性を落としたくはなかった、だから言葉が悪くても怒鳴りまくってても下品にならない役者を選んだのだろうから。
しかしそもそもなぜヤクザを出そうと思ったのだろう?原作(梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』)の布川は別にヤクザじゃないし(というより名前と男前設定(笑)以外全くの別キャラ)。  

そして、もともと人柄に惹かれて勝地くんのファンになった私が、「俳優・勝地涼」に惚れ込んだのがこの作品でした。
『イージス』は彼を見た最初の作品だけに、自然に「勝地涼=映画版如月行」の図式が頭の中に出来上がってしまったので、演技として上手いのかどうか当初はもひとつ判断不能だった(他の出演作品もいろいろ見た後にDVDで見返して、「やっぱり上手かったんだな」と改めて思いました)。
『さとうきび畑』はつくづく名演技なんですが、それだけにかえって随所で「勝地くんすごい!」になってしまった、平山昇でなく勝地涼を見ていた部分があった(彼目当てで見たのだから当たり前っちゃ当たり前)。

けれど『この胸~』では布川輝良というキャラクターに惚れた。 
個人的に勝地くんに「男」を感じたことはほとんどない(役にも本人にも)のですが、布川は「男」だった。めちゃめちゃ青臭いんだけれど、確かな男の匂いが感じられた(これで撮影当時18歳とは!)。

布川にはまるきっかけになったのは中盤に出てくるある台詞。文字で見れば何でもない台詞なのですが、そこには布川という男の全てが詰まっていた。
そして布川に魅了されると同時に、たった一言、正確には台詞を発する声のトーンで、布川の人間性を表現しきった勝地涼という俳優の力量に感銘を覚えずにいられませんでした。 

私はここから勝地くんファン道の第二ステージに進んだような気がします。その意味でも非常に印象深い作品です。
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