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俳優・勝地涼くんのこと。

『SOUL TRAIN』(1)-1

2007-11-30 01:39:11 | SOUL TRAIN
2006年12月22日レンタル開始、2007年1月26日発売のDVDドラマ。
事務所公式のメッセージで7月初め頃に告知されたこの作品、「今までにない【勝地涼】」という表現に、これまで幅広い役柄を演じてきた勝地くんだけに「今までにないってどんな役なんだろう?」と考えこんだものです。
当時ファンの方たちのブログでも様々な予想がなされていた記憶があります。
(セットにカンヅメ状態での撮影らしい様子から「シチュエーションコメディではないか」と推測された方の慧眼には後々感心したものでした)

その後9月になって『SOUL TRAIN』というタイトルが発表になり、作品の公式サイトもオープン。
原作は『THE 3名様』で知られる漫画家・石原まこちん先生初の自伝的小説と知って、さっそくに読んでみました。
読んでの感想は・・・おそらくは勝地くんファンの多くが思ったことでしょうが、なぜこの役を勝地くんに振った?フリーター、27歳(DVDでは25歳設定)、童貞、不細工(推定)・・・一つも勝地くんとかぶるところがない(笑)。

同じくアット・ムービー社が製作したDVDドラマ『THE 3名様』も塚本高史くん、佐藤隆太くん、岡田義徳くんの男前3人組(原作はあの絵柄なので断言はできませんが3人ともまず男前ではないだろう)での映像化でした。
原作のイメージ通りのキャスティングだと映像にした時におそらくもっと地味で暗い感じの、マイナー系の作品になっていたろうところを、ストーリーやキャラ配置は基本原作通りでも演じ手にイケメン俳優たちをもってくることで、ポップなお洒落感が加わってより多くの層に受け入れられ、ヒットシリーズになりえたのでしょう。
もともと仲良し&そろって原作ファンの3人が持ち込んだ企画だけに(詳しくはこちら参照)、製作側の計算に拠らずたまたまそうなったのかもしれませんが。
この『3名様』の成功を受けて、『ソウルトレイン』製作に際してこれまた原作より数段男前の勝地くんを主人公須藤役に持ってきたんだろうなーとか想像したものでした。

それにしても勝地くんにとっては、「2006年は挑戦の年」だったと本人が語っていた通りに多分に冒険的な役柄でもあったのでは。
勝地くんは多彩な役をこなせる役者さんですが、どの役をとっても芯に凛としたものがあった気がします(『1980』あたりは微妙かな?)。
しかし須藤というキャラは原作の描写からすればいわゆる「キモい」タイプのダメダメな男子なわけで、凛としていては役として成立しない。須藤を演じるにあたってはその凛としたもの、彼の持ち味である爽やかさをできる限りセーブする必要がある。
まさに「今までにない【勝地涼】」だったわけですね。

けれど一方で、本気でキモくなってしまっては本末転倒というか勝地くんをキャスティングした意味もない。
爽やかさを制限しつつもぎりぎりキモくなりきらない寸止め状態に持っていけたのは彼独特の透明感とそれをある程度コントロールしうる演技力あればこそだと思います。

またビジュアル的な利点も大きかった。たとえばここで共演している黄川田将也くんが須藤を演じたとしたら、いかに演技力でカバーしようと顔もスタイルも格好良すぎて説得力がなかったでしょう。
勝地くんは確かに美形なんですがアクの強い顔立ちではないので、あの印象的な目力を封印してしまうと比較的小柄な体型もあいまって意外なほど目立たなくなる。
だからそこに須藤特有のダサいファッションや猫背もプラスして、「元は悪くないんだから磨けば光りそうなのに・・・」という男の子像を作り上げることができたのだろうと思ったものでした。

(つづく)


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