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about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『QRANK』

2007-03-22 00:51:09 | 雑誌など
2005年11月発売号(vol.12)。内容は翌年正月公開のアニメーション映画『銀色の髪のアギト』(勝地くんは主人公アギトの声を演じた)についてのインタビュー及び写真6ページ分。
6ページといっても見開きなので3枚のみ、1枚目は遠景なので一瞬「どこにいるんだ?」という感じだったりしますが(笑)。

2枚目の俯き加減で地面を軽く蹴っている(ように見える)横からのショット、3枚目の正面からの写真とも、とくに表情を作っているわけではないのにどことない翳りがあって、ちょっとミステリアスなナイーブそうな空気を漂わせていました。 
インタビュー記事のほうも非常に読みごたえがあって、写真と連動したのか全体に「悩み多き青年」といった趣き(むしろこの時の彼が抱えていた「悩み」が写真に出てしまったというべきでしょうか?)。 

このインタビューを読んで改めて感じたのは、本当に「正攻法」の人なんだな、ということ。
もっと小手先だけで、怒るべき場面では怒ってみせ泣くべき場面で泣いてみせることも技術的には十分可能だろうに、「彼(演じているキャラクター)はここで何故怒るのか、その背景には日頃のどんな考え方があるのか」まで突き詰めようとする。
その役の考え方、感じ方、人生までも限られた場面の中で表現しようとしている。
もしも脚本の不備で設定が破綻しているキャラを演じるはめになったとしたら、さぞや苦労することでしょう。  

そして、「経験豊かな俳優は、もしかすると、そういう(注・役の感情に自身の感情がシンクロする)感覚を常にコントロールして、スイッチを入れることができるのかもしれないですね」という質問に対して、
「そういう方は、一緒に演技をさせてもらっているとわかりますよ。」 
――正直、「怖いな」と思いました。彼の前で気の抜けた、上っ面だけの芝居をしようものなら、あの綺麗な目で見切られてしまうわけですよ。
舞台『父帰る/屋上の狂人』を演出された河原雅彦さんが勝地くんについて、
「あの瞳を見てると気が引けちゃいますよね(笑)。美しすぎて目が合わせられないっていうか(笑)」
「こっちがごめんなさいって言いたくなるくらいキレイな目」
と語っていましたが、やっぱり「見透かされてしまう」感覚があったんでしょうか。  

それから、アギトの心についての、
「いくら純粋でも大人にはなっていくじゃないですか。自分の力ではどうしようもなく。それがすごく歯がゆくて、いろんなことに〝何でだよ!?〟て気持ちになる。それは今の僕と似ている気がしました。」
という分析に、役に対する理解の深さを感じました。

そして「今の僕と似ている」という部分。
つねづね「早く二十歳に(大人に)なりたい」と発言していた彼ですが、おそらく大人になりたい気持ちが強いほどに、実年齢に精神年齢がともなっていかない苛立ちがあるのかな、と思いました。
傍目には実年齢プラス5歳くらいの精神年齢に思えるんですが、本人としては至らないところばかり目に付くんでしょうね。 

他にも一番印象に残った場面の話などしていたのですが、これについては『アギト』について書くときに取り上げたいと思います。

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『BOYS BEAT』

2007-03-05 00:09:19 | 雑誌など
2004年5月に出版された『JUNON』別冊のムック本。若手俳優7人の写真集+ロングインタビューを掲載。
時期的に『亡国のイージス』の出演が決まったかどうかの頃かと思います(もちろんまだ正式発表前なので『イージス』には一切触れてませんが)。

写真のロケ地は遊園地(あらかわ遊園)と都電荒川線内。文庫本片手に電車に乗る姿は本好きの勝地くんらしい。
遊園地でパチンコやったりホットドック食べたりしてる彼の、悪童めいた笑顔がまぶしいです。
内容的にも、幼稚園から17歳現在に至るまでの成育史を語っていて、とても充実していました。

「クソガキ」全開な幼稚園・小学校時代のエピソードが面白い(笑)。
上っちゃいけない学校のタンクに上った話には『永遠の仔』のワンシーンを思い出しました。
インタビュアーの方?も「想像できない」「意外にも」と書いてますが、あの勝地くんにこんな時代が!という感じです。
まあ本人も言う通り、体が大きくて運動神経もいいような子は自然とクラスの中心人物になるものだし、さらに勉強もできて、スカウトされちゃうような美少年とくればそりゃもう無敵でしょう。強気で怖いもの知らずのやんちゃ坊主になるわけです。
下手をすればもっと生意気な、嫌味な性格に育ってもおかしくないところですが、今どき珍しいような好青年に成長したのは、早くから芸能界で揉まれたのと、あとはもうご両親の教育の賜物なのでしょうね。

基本的に子供を叱ったりするのはお母さんで、お父さんは普段は細かいことは言わずでんと構えていて要所要所を締める感じのようです。
昔ながらの無口で厳格な父親のイメージですが、一方で奥様に頭が上がらない様子(笑)。
子供たちに「女の人の言うことはハイ、ハイって聞いてればいいんだよ」「お母さんが文句言ってきた時は、納得いかなくても、そうだね、わかったって言っとけ」なんて教えてるあたり。
勝地くんの「男の人は女の人の手の平で転がされているほうがいい」と言う男女観は、ご両親の関係に由来してるのかも?

「うちは5人家族のうち4人が男で、女はお母さんだけだから、そういう意味で母親がちょっと不利というか。でも、負けてないですけどね(笑)」という勝地くんの言葉に、家族で唯一の女性であるお母さんを男性陣みんなで大切にしているのがうかがえて、勝地家の暖かさが伝わってきました。

このインタビューはプライベートの話が主体なだけに、語り口調も彼らしい丁寧さの中に茶目っ気がちらちら覗いていて(「だからぁ、小学校の時は勉強できたんですって、実は(笑)。」とか)、やっぱり17歳の少年なんだなあという感じでした。
かと思えばラストで仕事についての気構えを語る場面では、「(勉強や就職など)みんなが頑張らなきゃいけないとこで、僕は運だけで来てるから。この幸運を当たり前だと思っちゃったら、失礼かなって気がするんですよ。」などと、十代とも思えないような冷静かつ深みのある言葉を口にする。
確かにデビューのきっかけ自体は運が大きかったと思いますが、現在の彼が演技派として高い評価を得ているのは、まぎれもなく本人の才能と努力の結果でしょう。
私立の進学校を二年で辞めて公立中学に移り、堀越の芸能コースに進み、今は専業俳優、という経歴も役者一筋という感があります。

そしてそれだけ仕事を大切に思いながらも、一番大切なのは友達と過ごす時間だと言い切る。
このインタビューの頃はまだ高校生なので、今は当時以上に彼の中で仕事の比重が大きくなっているでしょうが、雑誌やトーク番組で友達とのエピソードを楽しげに語る彼を見るに、やっぱり最優先は友達なんじゃないだろうか。
友達を何より大事にする彼は、なんだかとても格好いいなあと思います。

そしてこの本を語るうえで外せないのが編集後記。
遊園地に向かう途中の駄菓子屋さんで梅ジャムせんべい他を買い込んだ勝地くんは、撮影が終わるのを待ちかねたようにせんべいを食べてたそうなのですが、
「「おいしいですよ。食べません?」とスタッフにもおすそわけしてくれました。」
のだそうです。読みながら「ああ勝地くんだなあ」としみじみ嬉しくなってしまいました。

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『Relax』

2007-02-19 22:06:25 | 雑誌など

2005年10月発売の『Relax 11月号』に「若手俳優の休日」というタイトルで勝地くんの写真が4ページ(4枚)掲載されました。
といっても彼のリアルな休日に密着取材したわけではなく、ラコステのフレグランスをつけて(香水の宣伝企画らしい)「さもあろうか」という休日の一コマ×4(「コップ片手に窓辺に立つ」、「運動がてら散歩」、「CDショップで新譜を物色」、「自宅で映画を見つつソファでうたたね」)を演じるというもの。
ちょっと気だるげなようでいて相変わらず眼差しが凛としている一枚目の写真が一番好きです。 

個人的には写真集とかアイドルっぽいものはあまり出して欲しくないなあと思ってるんですが(あれば買っちゃいそうだけど)、シチュエーションを演じるタイプのもの、彼が「主」ではなく写真家=監督の求める世界観を表現する「構成素材」になっているような作品ならぜひ見てみたい。
要するに、「勝地涼写真集」でなく「○○作品集 featuring Ryo Katsuji」の方がいいなあ、と。ただポーズを取って表情を作るよりも「演じる」ほうが俳優としての本領が発揮できそうですし(『MORE』で連載されていた「蜷川妄想劇場」とか出てほしかったな)。
勝地くんは髪型やメイク、表情によって驚くほど雰囲気が変わるし、ポップなのもクール系もはまりそうなので、被写体としてかなり面白いんじゃないかと思うんですが、どうでしょう?(誰に聞いているのか) 

ところでこの『Relax』で一番のサプライズは「勝地くんが香水を常用していた」こと。わりに硬派なイメージがあるんでかなり意外でした。
まあペンダントとかリングとかアクセサリー付けてることも多いし、結構お洒落さんなんですよね。不思議とちゃらちゃらした印象にはならないんですが。

 


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