昨年まで八尾市のT社で主に物件を購入してきましたが、やはり1社だけに依存してしまうのは、リスク分散や物件供給数の観点からも避けるべきかと考え、昨年末くらいから、同様に築古戸建て物件をリノベーションしてもらえるような不動産会社を探していました。
そんな中で不動産物件のポータルサイトである楽街でよさそうな築古戸建て物件を見つけ、その販売元を確認したところ、グランレーヴという不動産会社(大阪市、代表:谷山氏)でした。
初めて聞く名前だったので、その会社の公式Webサイトを確認したところ、築古戸建てのリノベーション物件を中心に物件の販売・リーシング・管理サービスを一気通貫で行っている不動産会社でした。前回お知らせした松原のリノベーション物件も、この会社から購入した最初の物件です。
合同会社グランレーヴ:https://gr727.com/
事例紹介:https://gr727.com/gallery/
(通常は具体的な社名は載せないのですが、この会社からブログに社名を記載する許可が得られたこと、また私自身もこの会社からすでに3物件購入し、問題ない会社だと確認できたためです。)
事例紹介のページを見るとわかるように、ボロ物件をリノベーションして見違えるような戸建・テラスに再生しているようです。
そして、この会社代表である谷山在勲という名はどこかで聞いたことがあるような…
過去の名刺を調べてみると、私が不動産投資を始めた7-8年前ぐらいの頃に個別相談をした不動産会社の担当者でした。つまり、谷山氏はその不動産会社を辞めて、新しく、このグランレーヴという会社を立ち上げたらしいのです。
そこで、この会社に昨年の秋ぐらいに連絡を取って話を聞きました。(以下の情報は昨年聞いた情報に加え、最近得た情報も含まれています)
会社について
会社設立は平成30年7月であり、会社を立ち上げてまだ3年あまり。主に戸建リノベーションを事業の柱とするとともに、最近は築古木造アパート(いわゆる文化住宅)も手掛け始めた。代表と社員1名の2名体制。おもに代表が物件選定・リフォーム・リーシング。社員は物件売買・賃貸管理を担当している。ただ、賃貸管理については管理物件が40を超えてきたこともあり、現在外部委託を検討している。
ターゲットとなる物件について
物件としては単に仲介するだけの物件と、リノベから賃貸管理までをフルカバーする物件(以下、クラルテシリーズ)の2種類。特に後者のクラルテシリーズは厳選されたお勧め物件でぜひ自社で管理もしていきたいと思える物件。前者の単なる仲介物件に対して、リノベや賃貸管理を引き受けることは基本考えていない。
クラルテシリーズとして提供できる数はおととしぐらいまでには月に1-2件程度あったが、令和3年以降は物件の価格が上がってきていて、最近は2ヶ月に1件ぐらいの数に減ってきている。代表が直接物件を選定して投資家に提供している。選定基準としては、賃貸需要や周辺環境、さらにリフォームする価値のある物件かどうかも大事な基準。例えば、家の構造上、どうしても人気のある間取り(例えばLDKを作る、比較的広いユニットバスに入替える、室内に洗濯パンを設置する、など)の設計が難しい物件は仕入れない。このような厳しい選定基準で仕入れた物件に通常の賃貸物件のグレードを超えるようなリノベーションを実施することで、利回りは最低でも12%、場合によっては13~14%となる物件に仕上げていく。
駅から徒歩15分以内であればよいが、それを超えるエリアであれば駐車スペースが確保できるようなリノベーションを行うことも検討する(ブロック塀などを撤去して軽自動車が置けるスペースを確保する等)。家賃が7万円ぐらいになってくると、軽自動車を保有している世帯も多くなってくるらしく、この対策も結構重要らしい。
この会社のWebサイトには、リフォーム費用、物件価格、家賃が掲載されていたため、そのデータをもとに価格vs家賃を示したのが下図。(元データは会社概要の成約事例より:https://gr727.com/company/ )
横軸はリフォーム費用を含めた価格(単位:万円)、縦軸は家賃(単位:円)。物件はテラスもしくは戸建。
破線は、線形近似であり利回り12.97%。また、利回りの平均値は13.42%。
しかも、リノベーションの費用込みでこの利回りなら、私としては十分満足できる利回りです。
対象エリア
物件対象エリアは、大阪府全域だが西は兵庫県神戸市までなら可能。リフォーム業者は毎回同じ業者を使い、スケールメリットおよび同一品質の提供。こんなに広くカバーできるのかちょっと心配ですが、可能とのことでした。また、自分が所有している物件でも、管理やリフォームの対応をしてもらえるらしいです。
投資家への物件情報提供の流れ
事前に物件の希望条件を投資家からヒアリングし、その条件にマッチした物件が出れば、まずは事前登録している投資家に物件を紹介する。一斉にメルマガで配信して早い者勝ちというようなシステムではない。したがって、紹介された物件情報をもとに、ある程度時間をかけて自分でも物件の良しあしを検討して、購入の是非を決定することができる。実際、私も紹介された物件のうち、購入しているのは2~3軒中1軒ぐらいだと思います。
物件紹介時の資料としては、物件概要書(リフォーム費用込みの価格、土地・建物情報、想定賃料等)のほか、賃貸需要資料、路線価図、リフォームプランが提示される。そのリフォームプランでリノベーションを行った場合のトータルの価格と、実現可能な予想利回り。リフォームの内容については、投資家と細かく決めることもできるし、ある程度お任せでお願いすることも可能。
現在の登録済み投資家は20-30人程度。賃貸管理物件は50件ぐらい。
厳選物件を紹介してもらえれば積極的に買い増していきたい!という投資家は現在3人ほど。(私もそのうちの一人です。^^)
ただ、どちらかというと、登録はしたもののリフォームに300万円もかけるのはちょっと過剰かなと考えてなかなか踏み切れない投資家のほうが多いらしく、登録はしたものの実際は購入していない人も多いらしい。
他の業者のところに比べればまだ投資家の数が少なく穴場的な感じですね。ただ、最近は紹介できる厳選物件が2ヶ月に1軒のペースとなっているため、あまり投資家が増えてもそのニーズにこたえるのが厳しいかも、とのこと。
リーシング・賃貸管理
クラルテシリーズでは、賃貸募集開始後2か月以内で決まることがほとんど。過去1件だけコロナ禍の影響で4か月ほどかかったことがあったが非常にまれなケース。また、リーシング開始2ヶ月目以降3か月間は最低家賃の8割をグランレーヴ社が保証してくれるサービスも自動的に付帯されます。最低家賃とは、物件購入時にこの物件の家賃の下限と想定家賃が提示されるのですが、その家賃の下限です。募集初期の段階では、想定家賃+α で家賃が設定されます。ほとんどのケースで最低家賃の場合でも利回りが12%を下回ることがありません。
これまでのリーシング実績や初期だけサブリースのような契約からも、想定家賃の目利きは信頼できそうです。また、賃貸管理費用は戸建物件では家賃に関係なく一律2,000円(税抜)。これも一般的な戸建物件管理会社よりも比較的安いです。ただ、退去してから次が決まるまでの期間も賃貸管理費用は掛かります。
感想
ここからは、1年間ぐらいこの会社と付き合ってきた情報も含めた感想です。
これまで築古戸建版倍管理会社として、大阪ではT社やW社と付き合ってきていましたが、今後はこのグランレーヴ社とT社の2社を中心に物件を買い増ししていきたいと強く思うようになりました。
W社についてはまだリノベーション案件を経験したことが無いので正確な評価はできませんが、これまで何度か物件見学に行った時の経験から、コスト重視のリフォーム・リノベーションという感じです。その分、安い価格でのリノベーション、結果としてそれに見合う家賃となり、利回りは12~14%を実現できる という感じです。
T社についてはすでに何件もリノベーションをしていただいています。こちらは利回りが12%となるように物件の売却価格が決まります。利回りは家賃と仕入れ価格とリフォーム費用で決まるわけですが、そのバランスによっては(特に仕入れ価格が高くなると)どうしてもリフォームのクオリティも落ちてしまう部分があります。
W社およびT社とくらべて、グランレーヴのクオリティは明らかに違います。ただ、W社やT社のリノベーション費用200-300万円と比べて、グランレーヴはだいたい300万円もしくはそれをやや越える金額です。その差額とクオリティの差を考えると、グランレーヴのほうがコストパフォーマンスは高いのではないか、と感じています。
特に、違いを感じるのは、他社であれば「家賃にはほとんど影響しないからやらないよ」という部分も、やっちゃいます!
外壁塗装はもちろん、汲み取りは公共下水に接続、ユニットバスは1216サイズ、システムキッチンは広いシンク・人造大理石天板仕様・ビルトインコンロ、リビング照明はダウンライト、時には人感センサーや黒板シート(マグネットもくっつきます)等。
(ただ、最近は少しコストカットも検討してきてはいるようです…)
通常の賃貸物件では考えられないクオリティです。それでいて300万円ぐらいに抑えられているところがすごい!!
もしかしたら、余計な部分を削れば、もう少し費用を抑えることでもっと高い利回りが狙えるような物件になるかもしれませんね。
このように、通常の賃貸物件を超えるリノベーションを行い、それに見合った家賃を得る、将来の人口減少・物件供給過多となった場合でも他の物件と差別化を図りたい、という方法が自分のやり方にあっていると思う人にとっては方向性がぴったり合った不動産会社になると思います。利回りは12~14%ぐらいです。
一方で、家賃はそこそこでいいので、リフォーム費用はなるべくかけずに高利回りを狙う、というやり方もあると思います。利回りが高く狙えるのであれば、こちらの方法もありだと思います。
両方のやり方があるのでどちらがいい悪いということは言えませんが、私は家賃の価格帯がやや高い物件(6~7万円)を中心に不動産賃貸業を進めることで他の物件との差別化を図りたいと考えています。また、スタート時点の家の状況が良ければ、その後の維持・管理も比較的楽になるし、入居者の満足度の高い家であれば入居期間の長期化にも貢献できるでしょう。さらに、今後の人口減少で賃貸物件の供給過多となった場合でも、最後の最後には家賃を下げる、という切り札を持っている、というのは大きな安心にもなるかなと考えています。
最後に、私が最近リノベーションしていただいたクラルテシリーズのキッチン部分の before/after を紹介します。
購入時 ⇒ 解体 ⇒ 完成
グランレーヴの谷山さんに確認したところ、現在投資家募集中ということなので、興味のある方は以下にアクセスしてみてください。
合同会社グランレーヴ:https://gr727.com/