サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

トランクルーム事業の実績(~2021年)

2021-07-11 15:51:45 | トランクルーム事業

トランクルーム事業について、前回報告してから4年が経ちました。

昨年、所有する2店舗のうちの1店舗を売却したので、総括したいと思います。

トランクルームは、ここ数年、よく街中でも見かけるようになってきましたね。

 (私のトランクルームの画像ではなく、著作権フリー画像です。)

私がやっているのは、こういった屋外に設置するのではなく、ビルのワンフロアーを借りて、そこへパーティションを設置して、1区画あたり月額3千円~3万円ぐらいの賃料(4-5千円ぐらいの価格帯が多い)で貸す、というビジネスです。

入居者募集・退去時の対応、家賃督促・集金など、すべて運営会社にお任せで、私がやっていることといえば、集金表をチェックして滞納状況を管理業者に報告して家賃督促を依頼することと、管理業者からの入金を確認するくらいなので、楽ではあります。ただ、家賃滞納や家賃遅れの割合は5%ぐらいありますね。以前には、借主が自己破産したケースもあり、その場合は滞納された家賃も結局支払われませんでした。

トランクルームは、比較的生活に余裕がある人が借りるのかなと思っていましたが、どうもそういうことでもなさそうです。

 

以下は、物件購入時から売却までの運営期間における、月間CFと積算CFの推移です。

左軸が積算CFで、右軸は月間CFです。横軸は運営期間(ヵ月)であり、およそ7年ほど運用したことになります。

前回、報告したのは、積算CFがやっとプラスになった時でした。

まず、この物件をおよそ500万円で購入しました。

運用開始時はもちろん全空であり、すぐに多くの家賃収入は見込めないため、月間CFは赤字続きです。

積算CFも赤字が膨れていきます。

これは、稼働率の推移です。このトランクルームの区画は30あるのですが、そのうちどれほどの割合が稼働しているのかを示しています。

また、オレンジのラインは、この運営会社が示した事業計画書での稼働率です。当初の話では1年から遅くとも1年半ぐらいで80-90%になるという話でしたが、実際はそこまで到達するのに3年かかったことになります。

2年を過ぎたあたりで稼働率が50%を超えてきて、ようやく月間CFがプラスになりました。計画とは大きく乖離していたため、この時は「トランクルームに手を出して失敗したな~」という印象でした。

ただ、そのあとは、稼働率はさらに少しずつ上がっていき、3年以降は90%ぐらいで安定していきました。

3年半を過ぎるころには、最初の時期の赤字分も回収が終わり、積算CFがプラスになりました。

このころは月間CFが10万円を超えています。物件費用が500万円であるため、利回りは30%ぐらいになりました。

ちなみに月間CFとは、家賃収入から、フロアの家賃や運営会社管理費などの経費をすべて引いた後の手残りです。

総括すると、最初の3年はまさに辛抱の期間でした。最終的に稼働率が90%に行くとわかっていればまだ落ち着いてみていられますが、初めての事業であり、ちょっと騙されたかな、と疑心暗鬼になっていました。

 

このトランクルーム事業のメリットは、入退去があっても貸家と異なりリフォームの必要もないし、そもそも単なるパーティションなので劣化したり壊れたりということもなく、その点はよかったです。しかも、最後は利回り30%でした。

デメリットは、結構入れ替わりがあります。もちろん長い人は長いですが、短いと数か月で退去されることもあり、そのため稼働率のグラフもがたついています。満室近く稼働となるのに3年もかかり、それまでの間は精神的にも結構きついです。1区あたりの家賃が数千円なので、手間がかかる割に儲からないです。もちろん、業者に丸投げでやってもらっているので、私が手間がかかるわけではないのですが、万が一、この業者が、方針変更でこの事業から撤退するからほかの業者を探してあとはオーナー側で好きにやってくれと言われた場合、薄利多売のようなビジネスをやってくれる業者があるのか、自分でやるにはあまりに手間がかかるため難しいです。トランクルーム専用業者もいますし、結構、競争が激しくなってきているため、この先もこの業者が事業を拡大していけるのかどうか、不安です。また、不動産と違って、土地(場所)は賃貸ですし、パーティションはほとんど売り物にはならないので、資産性がかなり低いです。収益性が高いことが唯一の魅力で、最後はオーナーチェンジで事業譲渡するしかないですね。

このように、メリット以上にデメリットも多く、高利回りにはなるもののリスクが高いです。

この店舗は8年で売却というか店舗をたたみました。

先ほどのデメリットを意識したということではなく、借りていたビルのオーナーが変わり、新オーナーが、ビルを建て替えるので退去してほしい、と突然言われてしまいました。3年かかってようやく稼働率が高くなってきたのに、移転となるとまたゼロからのスタートです。もちろん、ただで移転してほしいというわけではなく、それなりの違約金をもらってのことでしたが、最後は利回りが30%となっていたので、やはり残念でした。。。

ちなみに、最後の3か月の月間CFが23万円ぐらいになっているのは、退去が決まってからは家賃免除としていただいたためです。

ビルからの退去については、また、何かの機会に記事にしたいと思います。

 

長くなりましたが、所有する2店舗のうち、まだ売却していない、もう一つの店舗についても状況をお知らせします。

こちらの店舗も500万円あまりで購入したトランクルームです。実は、先ほどの店舗Aと同時期にこちらも購入しました。

先ほどと同じくキャッシュフローの推移と稼働率の推移です。

これは、先ほどのトランクルームと違い、最初の4年半は借上げ契約での運用を行っていました。なので、稼働率の推移データは4年半以降しかありませんが、ほぼ90%と高い状態で推移しています。

今では借上げ契約はやめたそうですが、私が最初にFC契約するときには、このような一括借り上げ方式(5年間)を選ぶこともできました。

一括借り上げの場合には、満室時の約60%の賃料がオーナーに支払われます。不動産賃貸業の感覚からすると、60%しか支払われないのは少ない気がしますが、結果的には、こちらのほうが得でした。

もし、稼働率(計画)が1年後に80-90%になるのであれば、満室時の賃料の60%しか支払われないので損です。

しかし、積算CFを先ほどの店舗Aとこの店舗Bで比べるとわかりますが、積算CFが300万円に達するのに、借上げ方式の店舗Bは4年でしたが、店舗Aでは6年半もかかったことを考えると、借上げ方式がいいですね。また、5年過ぎれば、高い稼働率でそのまま、通常の賃貸契約へと引き継げるので、月間CFがマイナスになることもありません。

もしかしたら、店舗Bの稼働率は1年で90%に達していたのかもしれませんが事実はわかりません。

すでに、借上げ方式がなくなったところを見ると、おそらく、どこも事業計画通りにいっていないのではないか、と想像できます。言い換えると、当初はそれだけ運営会社も稼働率を高められる自信があったので、借上げ方式を提示していたのでしょう。

現在、店舗Bでは利回りは20%台前半くらいです。店舗Aでは利回りが30%ぐらいまで行きました。どちらも稼働率は90%です。では、その利回りの違いは何か、それはビルのフロア家賃が店舗Bのほうが高いことが原因です。

運営開始後、4年半ごろにビルのフロア家賃が3.5万円も値上げされたことで、その後の収益性が悪くなりました。まぁ、それでも20%を維持しているのであれば、悪くはないかとは思っていますが、こちらも、長く持つのはちょっとリスクもあるので、高く売却できる機会があれば売ってしまってもよいかと思っています。

 

結論:

私なら、トランクルーム事業はもうしないですね。ハイリスク・ハイリターン投資の一つだと思っています。

今のところ、太陽光発電や不動産投資、社債等についてバランスよく資金を配分して資産を増やすのが堅実で、トランクルームはお勧めしません。

もし、トランクルーム事業をやるのであれば、万が一、運営会社が破綻しても、自分で集客・滞納対応などをやる自信があれば、アリだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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トランクルーム事業の実績(2017年まで)

2017-05-13 09:05:22 | トランクルーム事業

トランクルーム事業を大阪で始めてからすでに3年が経ちました。

これまで何度か記事としてまとめようとはしたことがあったのですが、FC契約のため、どこまで開示してよいのか悩んだりしたこともあり、今日にいたりました。

 

トランクルーム事業とは簡単に言うと、物置を人に貸して家賃収入を得る、というものです。また、そのタイプには、大きく分けて野外タイプと屋内タイプの2種類あります。

世界的にみると、すでに40年前から始まった米国では10世帯に1室、20年前から始まったイギリスでは100世帯に1室の利用があるようです。日本ではまだ10年余りしか経過していません。そのためか、現状は300世帯に1室程度の利用にとどまっています。

そして、米国では40年間常に成長を続けていることから、日本でも今後の成長が期待されているようです。

でも、それほど巷でトランクルームという言葉は聞かないので本当に日本でもその利用が根付くのかちょっとわかりませんが。

 

さて、私が取り組んでいるのは屋内タイプのトランクルームです。これは、ビルの1フロアを貸し切り、30くらいのパーティションに分け、それぞれを個人や会社に貸し出しています。実際の設置・運営はすべて、ある企業に全面的に委託しています。私が普段行っていることと言えば、委託企業から毎月振り込まれる入金確認と、ビルオーナーへの家賃支払い、光熱費支払いくらいです。

トランクルームのパーティションサイズは0.5帖から6帖あり、賃料は毎月0.3~3.6万円です。

サイズ 単価(税込) 部屋数 合計額
A \3,024 1 \3,024
B \4,320 3 \12,960
C \5,940 5 \29,700
D \6,480 1 \6,480
E \7,992 4 \31,968
F \8,640 2 \17,280
G \9,720 5 \48,600
H \10,800 1 \10,800
I \12,960 1 \12,960
J \15,120 2 \30,240
K \17,280 1 \17,280
L \17,712 2 \35,424
M \19,440 1 \19,440
N \35,856 1 \35,856
合計   30 \312,012

 初期投資額は470万円でした。

さて、まず稼働率の推移は以下の通りです。

 横軸は、月数です。縦軸は、契約数ベースおよび賃料ベースの稼働率です。

契約数ベースの稼働率とは、契約数÷全部屋数です。具体的には、30室のうちどれくらいの割合が借りられているのか。

賃料ベースの稼働率とは、家賃収入÷最大家賃です。最大家賃とは、設定された家賃ですべての部屋が契約できた場合の家賃であり、31.2万円です。

実際には、キャンペーン価格が適用されたりすることも多いため、家賃は当初の設定金額よりも下がります。そのため、賃料ベースの稼働率が契約数ベースの稼働率よりも低くなっています。

 最初の1年間は伸びていますが、2年目はほぼ横ばい。3年目から再度伸び始め、4年目で契約ベースの稼働率が9割ほどになりました。

当初の事業計画では1年後には契約ベースの稼働率が9割に達するというものでしたが、実際には3年もかかりました。

3年目から再度増加し始めたのはおそらく新たな値引きキャンペーンの効果が高いと思います。(ここはFC契約のため具体的には書けません。すいません。)

そのため、契約ベースの稼働率と賃料ベースの稼働率がさらに乖離しています。

なお、毎月のビルオーナーへの家賃支払をトランクルームの家賃収入が上回るには賃料ベースの稼働率が40%を超えなくてはいけません。それは3年目に入ってから達成しています。つまり、3年目でようやく毎月のCFがプラスになった、ということです。

それを示したのが、下のCFの推移です。

棒グラフは、毎月のCF(=トランクルームの家賃収入 - ビルオーナーへの家賃支払)です。

ようやく3年目(24ヵ月を過ぎたころ)に入ってからプラスになっていることがわかります。

曲線は、毎月のCFを積算したグラフです。当初はずっと赤字続きであり、3年目の最初のころでは、赤字が90万円ぐらいにまで膨れました。そこからようやくCFがプラスとなったことで、積算CFは増加に転じ、つい2か月前にようやく積算CFがプラスになりました。

これでようやくスタート地点に立ったという感じですね。これから、当初の投資金額の回収が始まります。

毎月CF=10万円とすれば、およそ4年後には当初の投資金額470万円の回収が終わるわけです。ビジネスをスタートしてから7年後にすべて回収できる、ということになります。利回りで考えると、10万円*12ヵ月/470万円 = 25.5% です。

不動産とくらべて、設備メンテナンスがかかるわけではないので、このままの調子でいけば、悪くはない事業です。ただ、毎月のCFがプラスになるまでが精神的にもきついですね。

 

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