サイエンス好きな男の日記

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ビジョナリーカンパニー 飛躍の法則

2013-09-07 05:44:16 | スキルアップ

「ビジョナリーカンパニー 飛躍の法則」ジェームズ・C・コリンズ著を読んだのですが、とても興味深く、考えさせられる書籍でした。

この書籍の前作にあたる「ビジョナリーカンパニー」では、どうやって偉大な企業が偉大であり続けられたのかを分析した本だったらしいのですが、この「ビジョナリーカンパニー 飛躍の法則」では、どのようにして偉大な企業へと成長できたのかを分析しています。

きっかけは、日曜朝のテレビ番組「がっちりマンデー」で森永卓郎氏が、この書籍の中にある、経営者は「時を告げるのではなく、時計をつくる」という考え方を紹介していたことでした。つまり、経営者が従業員に指示を与えるのではなく、自発的に行動するような仕組みを作るべきだ、といったニュアンスで説明されていました。こういった考え方に触れたいと思ったわけです。

以下、書籍から、興味深いと感じた文言を抜粋します。

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第2章 野心は会社のために

偉大な実績に飛躍した企業はすべて、決定的な転換の時期に第5水準の指導者に率いられていた。「第5水準」の指導者は個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さという矛盾した性格をあわせもっている。(省略)野心は何よりも会社に向けられていて、自分個人には向けられていない。 

第3章 だれをバスに乗せるのか

「誰を選ぶか」をまず決めて、そのあとに「何をすべきか」を決める。ビジョンも戦略も組織構造も技術も、「誰を選ぶか」を決めた後に考える。

第4章 最後にはかならず勝つ

厳しい現実を直視し、必要な対策をとる。その結果、市場で1位か2位になれないなら潔く撤退する。

第5章 単純明快な戦略

偉大な企業になるには、3つの円が重なる部分を深く理解し、単純明快な概念(針鼠の概念)を確立する必要がある。3つの円とは、自社が世界一になれる部分はどこか、経済的原動力になるのは何か、情熱を持って取り組めるのは何か、である。 

第6章 人ではなく、システムを管理する

・重要なのは規律ではない。自ら規律を守る人を集め、この人たちが徹底的に考え、(省略)一貫したシステムの枠組みの中で規律ある行動をとることが重要なのだ。

・第5水準の指導者がいて、適切な人をバスに乗せ、厳しい現実を直視する規律を持ち、真実に耳を傾ける社風を作りだし、評議会を作って3つの円が重なる部分で活動し、すべての決定を単純明快な針鼠の概念に従ってくだし、虚勢ではなく現実の理解に基づいて行動すればよい。

第7章 新技術にふりまわされない

どの技術分野に関しても決定的な問いは、その技術が自社の針鼠の概念に直接に適合しているのかである。

第8章 劇的な転換はゆっくり進む

最終結果がどれほど劇的であっても、偉大な企業への飛躍が一気に達成されることはない。巨大で重い弾み車を回転させるのに似て、当初はわずかに前進するだけでも並大抵ではない努力が必要だが、長期にわたって、一貫性をもたせてひとつの方向に押し続けていれば、弾み車に勢いがつき、やがて突破段階に入る。

第9章 ビジョナリーカンパニーへの道

偉大さのためには基本的価値観が不可欠だが、基本的価値観がどのようなものなのかは特に重要ではない(省略)基本的価値観を組織に組み入れているか、長期にわたって基本的価値観を維持しているのかが問題なのだ。

本当に問題なのは、「なぜ偉大さを追求するのか」ではない。「どの仕事なら、偉大さを追求せずにはいられなくなるのか」だ。「なぜ偉大さを追求しなければならないのか、そこそこの成功で十分ではないのか」と問わなければならないのであれば、おそらく、仕事の選択を間違えている。

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さらに、まとめると、適切な人たちの集団が、3つの円が重なる部分に対する戦略を考え、淡々と実行することでおのずと偉大な企業へと成長してしまう、ということですね。

これは企業だけでなく個人にもあてはめることができます。自分の今の仕事は、本当にわくわく感を感じる内容なのか、その仕事に対する自分のスキルはトップレベルなのか、報酬は十分満足できるものなのか。このすべてがYESであれば、本当に仕事が楽しくて、仕事をせずにはいられない、といった状況になるのでしょう。70歳、80歳になっても仕事を続けている人の多くはこのような状況なのではないかと、思った次第です。

コメント
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