サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

福島復興支援ファンド1号(太陽光発電ファンド)

2013-04-28 22:12:51 | 太陽光発電

福島復興支援ファンド1号について、少し詳しく調べてみました。

http://www.kanayamacorporation.co.jp/fundindex.html

これは太陽光発電事業によるファンドで、運用期間5年間、利回り5%の商品です。
多くの太陽光発電ファンドが償還まで20年であるのに対し、これは5年と短期です。

この事業者であるクリーンエナジーは、アンタリスソーラー社との間で、福島県、宮城県における独占販売契約を締結したことで、太陽光発電パネルを通常の半額程度で購入できたとのこと。

これについては、以下のWebページにも記載があります。
http://www.antaris-solar.com/jp/
http://www.dreamnews.jp/press/0000069183/ 

このファンドについて、メールで質問したところ、以下がわかりました。

・投資対象:2013年8月31日までの1年間に建設(予定)される32基分に投資される予定

・2013年4月現在の募集状況:5億円の募集に対して9500万円

「今後予定される応募につきましても、対応可能な建設用適地は充分に確保
しておりますので募集を継続しております。」とのことです。

利回り5%と、そこそこミドルリターンと思われましたが、当初の予定の1/5ほどしか資金は集まっていないようです。

また、募集のWebページには、

出資対象事業に係る財産が損失により減じた場合の顧客の損益分担に関する事項として、
「出資者は、本匿名組合出資の額の範囲内でのみ損失を負担します。ただし、事業からの損失については、営業者、出資者の順に負担します。なお、各出資者に繰越損失がある場合には、次年度以降に利益分配が実施される際、優先的に損失が補填されます。」との記載がありました。

この時の、営業者のみなし出資額は2千万円とのことです。つまり、2千万までの損失については営業者が負担する、ということです。

また、保険でリスクを転嫁できる災害は次の通りとのことでした。

保険によってカバーされるリスク:
火災、落雷、破裂、爆発、風災、雹災、雪災 、給排水設備事故の水濡れ、
騒擾、労働争議等、車両・航空機の衝突、建物外部からの物体の衝突、盗難、水災、
電気的・機械的事故、その他偶然な破損事故等

保険によってカバーされないリスク:
地震、噴火、戦争・暴動

「機材の構造計算を必ず行い震度6強までに対応しております。実際は地震リスクより風災リスクのほうを重視しております。
設計においては風速45メートルまでの対応をしております。どの候補地も水災、地すべり などの可能性はありません。
雪害においては1.5mまでの積雪対応をしております。」とのことです。

 

現在の工事の進捗状況について以下の回答をいただきました。

設置工事の進捗状況
このファンドは募集できた分だけ順次設置する方式ですので、3月末までの申請分(買取単価42円)はおおよそ募集実績相当分に留めております。引き続き、募集は継続するものの、4月以降の申請については買取単価は37.8円となります。なお、配当の段階ではファンド申し込み時の買取単価による区別は致しておりません。
昨年度申請分は既に造成工事が終了しました。 5月下旬より順次発電機材の設置をし売電を開始して参ります。

「募集できた分だけ順次設置する」とのこと。1基の取得費用が1250万円、応募金額は9500万円なので、8基設置したということでしょうか。予定では32基でした。予定と大きく異なってしまっている点が不安要因ですね。

また、5年後の償還の原資について尋ねたところ、

償還の原資は売電収入+同社が行う太陽光パネル及び機材の販売利益の蓄積です。
予備財源として、関連会社からの借入、金融機関からの借入をする場合がございます。

とのことでした。

売電収入のみかと思っていましたが、太陽光パネルおよび機材の販売利益や借り入れからも調達する可能性があるのですね。しかし、販売利益といってもそもそも黒字になる会社なのかは不明です。借り入れができるかも不明です。

結局売電収入が頼りです。募集できた分だけ設置するということなので、収入は募集で集まった金額に比例するため、売電収入は予定の1/5程度ですね。一方、土地は既に確保している、ということ。もし、土地は当初の予定通りの面積を確保しているなら、土地の1/5しかパネルが設置されていない状況。土地を確保している分、地代を無駄に払っていることになりそうですが、そもそも地代は全体の費用からするとわずかなので、問題とはならないでしょう。

以上から、いくつかある太陽光発電ファンドの中では、現状で予定よりもかなり設置台数が少なくなってしまっていることへの不安はあるものの、これがもっともよいように思いました。

ただ、太陽光発電ファンドとしては私はやはり7%ぐらいの利回りでないと、リスクと見合わないように感じます。しかし、他は20年の長期であることを考えると、ちょっとひかれますね。

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maneoのための三菱東京UFJ銀行銀座支店の口座開設

2013-04-25 17:49:37 | 匿名組合

maneoからの振り込み手数料は、三菱東京UFJ銀行銀座支店の場合にのみ無料でできるということなので、その支店での口座を開設しています。

口座開設希望店は、原則として自宅または勤め先の近くの支店ということですが、私の場合どちらにも当てはまらないため、口座ご利用目的を記入する欄に

「資産運用。運用先からの振り込み手数料が無料となる銀座支店の口座開設をお願いします。」

と記載したところ、銀座支店で開設できました。

 

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maneoが倒産した場合の出資金について

2013-04-24 23:00:55 | 匿名組合

もう今となっては心配はいらないでしょうが、以前は maneo は赤字であり、maneoが倒産した場合に、ボロワーからの返済やローン案件への出資金がどうなるのか心配していた時期がありました。

その時に役に立ったQ&Aを以下にメモとして残しておきます。

maneoの投資物件
【UBI株式会社第3弾】『白金エリア』マンション購入資金 不動産担保付ローンへの投資
でのQ&Aから。

=========================================================

【質問】

現在UBI社のデフォルトリスクよりも
maneo社の倒産リスクを恐れていて、大きな投資を躊躇しています。

リスク説明には、maneo社が倒産した場合「お客様が預けたお金が返ってこないおそれがあります。」とあり、
更にレンダーからの催促は出来ないとも記述されています。

仮にmaneo社が倒産した場合、こちらのローンの返済は完全に止まってしまうのでしょうか?

また継続されるとして、その後の返済はどのように行われるのでしょうか?

ご回答の程よろしくお願いします。

 --------------------------------------------------------------------------------------

【回答】

ご質問対しては、UBI社とmaneo社から回答させていただきます。


【UBI社より】

UBI株式会社、代表取締役の竹内泰光です。
この度は、当社への投資をご検討いただき、ありがとうございます。

maneo社の倒産リスクについてですが、
本年の4月に当社グループの一員となりました。

maneo社は黒字化しましたが、同社の財務内容は、未だ磐石とまでは言い難い部分もあり、
ご懸念の件は他の多くのレンダー様も同様の危惧を持たれているのではないかと理解しております。

私どもUBI株式会社は、グループ化した以上、
多くのレンダー様に、当社として責任を負っていると考えています。

maneo社が多くのレンダー様に支えられて事業展開していることを十分に理解しており、
万が一、同社が倒産した場合の責任についても負わせて頂く覚悟でグループ化しております

maneo社は、ボロワーとレンダーの、いわゆるマッチングビジネスに従事しておりますので、
そのような意味では、黒字化した限り、倒産のリスクは低いと言ってよろしいかと考えます。

下記、maneo社の回答文中にあります、万が一の際の破産費用につきましては、
そのようなことが起きた場合は、その費用につき当社が負担いたしたいと存じます。

UBI株式会社
代表取締役 竹内泰光


【maneo社より】

このたびは弊社案件への投資をご検討いただきまして、
誠にありがとうございます。


まずは弊社の倒産リスクに関して説明させていただきますと、
お陰様で、弊社は本年度に入りまして黒字経営に転換しました。

4月以降、ずっと黒字を継続しております。
従いまして、弊社の倒産リスクというのはかなり減少していると考えております。

次に、レンダー様による催促ができないというのは、
ボロワーに対する直接の取立行為はできないという意味であり、
maneoに対しては当然出資金の返還請求は可能です。

そして、弊社が倒産した場合にボロワーの返済がどうなるかと申しますと、
ボロワー自体の返済義務が消滅するわけではなく、ボロワーによる返済は行われます

そして、弊社が蓄積した利益と返済された元利金を原資に、
各債権者(レンダー様もここに含まれます)への分配が行われます

この分配割合や方法に関しては、破産管財人によって決定されますが、
弊社の場合、債務というのは(レンダー様からお預かりしている出資金以外は)、
人件費とオフィス家賃とサーバ費用および細かい経費支払くらいです。

これは、少なくとも現時点では今年度から蓄積できている利益の範囲で
支払い可能な水準です。

従いまして、あくまで現時点でのお話となりますが、
現時点で弊社が倒産した場合、返済された元利金から破産管財人への支払報酬を除いた額くらいが、
レンダー様へ分配可能な金額になるかと存じます。

以上がご回答となります。


maneo株式会社
妹尾 賢俊

(更新:2011/8/12 19:38)

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太陽光発電ビジネス(比較)

2013-04-16 23:58:41 | 太陽光発電

次に、他の太陽光発電ビジネスによる投資商品と比較します。

投資を比較するための指標として、投資によって得られると見込まれる利回りである内部収益率(IRR)を求めます。

各年の収入を(1+r)^n (n:年数) で割って積算し、それが投資資金に一致するr を内部収益率とします。言いかえると、回収年ごとに区分けされた投資資金がすべて同じ利回り r の1年複利でそれぞれ決められた期間、運用されたと仮定した場合の利回りです。

わかりづらいですね。

具体に示します。以下は、20年運用時の、年ごとのモデル計算時の投資による収入(収益+元本返済)と、その現在価値です。(ローンなし、年間予測発電量 57,000 kwh)
現在価値とは、収入を (1+r)^nで割った値です。rは、事前に Excel の IRR 関数で求めた r を使っています。

Excel では、各年に対して 収入÷(1+r)^n の値(つまり現在価値)を合計した額が初期の投資額(モデル計算では2000万円)となる r を求めています。

この現在価値が、先程の"回収年ごとに区分けされた投資資金"です。現在価値の総和を計算すると、当然ですが、ぴったり2000万円になります。

投資による収入 現在価値
1 \1,933,349 \1,822,660
2 \2,153,700 \1,914,150
3 \2,089,635 \1,750,880
4 \1,984,749 \1,567,787
5 \1,857,275 \1,383,099
6 \1,893,398 \1,329,273
7 \1,852,662 \1,226,207
8 \1,814,666 \1,132,296
9 \1,779,064 \1,046,526
10 \1,105,551 \613,102
11 \1,713,861 \896,035
12 \1,683,764 \829,900
13 \1,655,057 \769,047
14 \1,627,564 \712,974
15 \1,441,130 \595,160
16 \1,575,620 \613,448
17 \1,550,918 \569,260
18 \1,526,921 \528,364
19 \1,503,540 \490,487
20 \680,695 \209,344

区分けされた投資資金はそれらが回収されるまでの間、すべて利回り r (1年複利)で運用されるということ。

 

さて、今回の太陽光発電ビジネスのモデル計算では、以下となりました。

■内部収益率

頭金年間予測発電量
51,000kwh54,000kwh57,000kwh60,000kwh
なし
100万円 29.3% 41.5% 52.9% 63.8%
500万円 9.5% 11.8% 14.0% 16.3%
1000万円 6.5% 7.8% 9.1% 10.3%
一括支払 4.6% 5.3% 6.1% 6.8%

 一括支払いの場合でもIRRが6%前後と比較的高い値です。税引き前では、7.5%(税率80%と仮定)です。

投資に対する利回りでは、このIRRで比較するのが一般的なようです。

前回の利回りの計算では、一括支払いの場合 2.5%ぐらいでした。これは、1年複利で20年間運用した場合の収益と、太陽光発電の収益が一致する利回りを計算したわけですが、実際には毎年収益があるものの、その収益はその後は一切収益を生みません。

それと、1年複利で20年間運用した場合の利回りと比較するわけですからどうしても低くなってしまいます。

一方、今回の内部収益率は、収入を得るまでの期間(1年目の収入は1年間、2年目の収入は2年間、・・・)に対する利回りなので、こちらのほうがより現実に近いですし、収入を得た後の20年目までの期間は計算対象に含めないため、利回りは、1年複利20年間運用よりも高くなります。

以下では、IRR 7.5%(税引き前) として、他の運用商品と比較してみます。

 なお、以下の投資商品はあくまでも参考のためであり、その良し悪しを判断するものではありません。リスクは、個々のビジネスによって異なるため、単純な比較はできません。

 

(3) 他の投資商品との比較


まず、太陽光発電のファンドです。

 ■鹿島灘1号太陽光分譲ファンド(匿名組合契約) http://zecj.jp/kashimanada-solar-fund
  株式会社ゼック http://zecj.jp/ が募集しているファンドです。

  場所:茨城県鉾田市梶山の土地 3,939m² 
  買取価格:42円/kwh
  募集口数:141口
  1口:50万円
  分配金計算期間:20年
  途中解約:不可
  目標年間平均分配率: 8.7%

Webに記載された「鹿島灘1号太陽光発電事業に100万円出資した場合の出資者に対する現金分配額(想定)」 から IRR を計算すると、6.1%でした。

分配金の総額を20年で割ると、年間平均分配金は¥85,000。これを出資額100万円で割ると、年間平均分配率は 8.5%となり、先の目標年間平均分配率とほぼ一致します。しかし、この分配金には出資した100万円も含まれている点に注意が必要です。IRRが8.5%よりも低いのは、そのためでしょう。

 

 ■ふくいソーラー市民ファンド(匿名組合契約) http://ecoplanf.com/solar-fund/summary/
  (株)福井市民発電所によるファンド

  場所:福井県 
  買取価格:42円/kwh
  募集口数:49口
  1口:20万円
  運用期間:20年
  途中解約:不可
  目標年間分配利回り: 2.5%

ふくいソーラー市民ファンドのWebに記載された分配計画(利益分配想定額)からIRRを計算すると、2.9%でした。
こちらは、目標年間平均分配率に近い値ですね。鹿島灘1号太陽光分譲ファンドと同じ方法(年間平均分配額/投資額)で計算すると、6.6%となります。

比較するときには、やはり同じ物差しで測らないと危険ですね。

 一口20万円と他よりも小口です。ただ、それでも IRR 2.9% はちょっと低いかな。

 

■福島復興支援ファンド(匿名組合契約) http://www.kanayamacorporation.co.jp/fundindex.html
 事業者は(株)クリーンエナジー

  場所:福島県や栃木県など 
  買取価格:42円/kwh
  募集口数:1000口
  1口:50万円
  運用期間:5年
  途中解約:不可
  目標現金分配金: 5%
    運用期間終了後、出資金元本償還

これは、毎年5%の分配金が支払われ最後に元本が償還されます。したがって、計算をするまでもなく、IRR は 5% です。
運用期間が他と比べて短期であり、事業継続時に発生する故障などによる分配金低下のリスクは少ないだろうことを考えると、IRR 5%よりも高く評価すべきかも。ただ、短期であるために、トータルで得られる収益は当然少なくなります。長期だがリスクをとるか、短期でリスクを減らすか、判断が迷いますが、感覚で言ってしまうと IRR 6%の先の投資物件と同程度の評価となりそうな気がします。

 

 ■地域MEGAおひさまファンド(匿名組合契約) http://www.ohisama-fund.jp/index.html
   おひさまエネルギーファンド株式会社による運営

  募集区分は2つありましたが、ここでは分配利回りが高い B号匿名組合を対象とします。

 募集口数:400口
 1口:50万円
 運用期間:20年
 途中解約:不可
 目標年間分配利回り:3%+プレミアム配当

 Webサイトにある分配計画(プレミアム配当含む)をもとに IRR を計算すると 4.2 % でした。プレミアム配当はかなり不確定なのかもしれませんが・・・。

 ==== 

次に分譲タイプです。こちらは、太陽光発電システムを自分で所有するもので、私がモデル計算した投資案件と似たタイプです。

 

■花畑ソーラー発電所(分譲タイプ) http://www.cosmos-rom.net/garden.html
 (株)コスモスエンタープライズ によって募集・販売される、土地付き分譲タイプの発電所です。

 これは、私がモデル計算をした太陽光発電ビジネスと似た投資商品です。

 場所:長野県茅野市
 買取価格:42円/kwh
 価格:1870万円(税込) 48kw太陽光発電設備および20年間土地借地権付き
 運用保守費など:
 ・賃貸借地権(20年) 15万円/年(2年目以降)
 ・管理費:6万円/年
 ・企業総合保険(オプション):3万円/年(2年目以降)
 ・遠隔監視システム(オプション):6万円/年

   年間発電量は、5年間は 58,270kwh, それ以降はモジュール性能低下率 -0.4%/年 との記載があります。

  しかし、年間発電量は収益と密接に関係しますし、パラメータが多いと比較も困難なため、年間発電量は、以前のモデル計算と同じく、51,000kwh, 54,000kwh, 57,000kwh, 60,000kwh の4パターンとします。花畑ソーラー発電所では、損失係数を 0.79 としていますが、モデル計算を行った発電所の営業担当者も2割ほど予想を低くしていると言ってました。

 モジュール性能低下率は、モデル計算と同じく -1.0%/年とします。(安全を見て)

 パワーコンディショナーについては、10~15年で交換が必要との記載があります。その価格は記載されていませんが、モデル計算と同じく価格は50万円とし、10年目に交換するとします。

 予備費としてモデル計算と同様に5年ごとに10万円計上します。

 撤去費用については記載がありません。どちらにするかちょっと迷いましたが、モデル計算と同じく、こちらも20年後に100万円で撤去することにします。

 上記条件でIRRを計算すると、次のようになりました。なお、比較のため、以下は税込(税率20%)としています。

対象年間予測発電量
51,000kwh54,000kwh57,000kwh60,000kwh
モデル計算 5.8% 6.6% 7.6% 8.5%
花畑ソーラー 5.3% 6.3% 7.2% 8.1%

花畑ソーラーとモデル計算ではほとんど差がないですね。この差は、運用保守費の差となります。

花畑ソーラーで 57,000kwh とした場合、撤去費用がかからないのなら 7.5%、また遠隔監視オプションが不要なら 7.8%  となりました。つまり、ちょっとしたモデルの差でこの違いはなくなるようなレベルです。

このような分譲タイプの太陽光発電への投資商品はほかにもいくつかWebにて見つけることができました。しかし、管理費が不明だったり、その内容が不明だったり、追加費用の有無が不明だったり、というように、詳細が不明なため、比較を行うことができませんでした。

 

分譲タイプは2例しかありませんがどちらも7.0-7.5%ぐらいですが、ファンドの場合は最大でも 6.1% でした。差は 1-1.5%程度ですが、20年間の運用と考えるとその差は無視できません。

分譲タイプとファンドの場合のリスクの違いですが、太陽光発電システムを所有した場合、匿名組合と異なり、営業者というものがないため、営業者が倒産するといったリスクはありません。万が一、維持・管理業者が破たんした場合でも他の業者に委託することは不可能ではないはずです。少なくとも、その太陽光発電システムを所有しているのですから、それが正常に動き続けていさえすれば収入は入ってきます。しかし、匿名組合の場合、本人の意思にかかわらず、事業が売却され、しかも手元には元本が全く戻らないこともあり得ます。

一方、匿名組合では、自分の投資と太陽光発電パネルが厳密にひもづいているわけではないため、仮に、地震などの災害でパネルの一部に大きな損害が発生しても投資家全員でその被害を分散することができます。さらに、1口の投資額は20万円や50万円と言ったように比較的少ない金額です。そのため、投資をいくつかの異なる太陽光発電ファンドへ分散することでリスクを低く抑えることが可能です。

こういったメリット・デメリットやIRRの違いを理解したうえで、分譲タイプとファンドとのどちらに投資するか、検討したほうがよいでしょう。

 

私としては、もし分譲タイプがファンドよりも、IRRが 1-1.5%ほど多いなら、分譲タイプを選びます。分譲タイプだと多くの場合、日々の発電状況をリモートから確認でき、自分の太陽光発電所で発電しているという実感を得ることができ、面白いと思います。

もし、IRRが分譲タイプと同程度のファンドが複数あるなら、リスク分散の点から、複数のファンドへ資金を分散して投資するでしょう。

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太陽光発電ビジネス(パラメータ分析と利回りの評価)

2013-04-14 01:33:26 | 太陽光発電

次にパラメータ分析と利回りの評価を行います。

(2) パラメータ分析と利回りの評価
ローンの有無や年間予測発電量、売電単価による収益への影響を調べます。

ローン:頭金なし、100万円、500万円、1000万円、一括支払(2000万円)
年間予測発電量:51,000kwh, 54,000kwh, 57,000kwh, 60,000kwh
※ (1) で説明したように、初年度から年1%の割合で年間予測発電量は減少していくとします。そのため上記は正確には発電初年度の年間予測発電量です。

販売業者による年間予測発電量は、60,000kwh 程度と予測。悪くても56,000kwhとのこと。
今回、パネル設置予定場所での、NEDOで公開されている年間予測発電量は58,000kwh程度。

20年後の収益(税引き後の収入を毎年積算したもの)は次の通りです。なお、頭金がある場合は、積算した収入から頭金を減額しています。

税引き後の収入とは、売電収入-運用保守費 -(ローン金利+ローン元金)-償却資産税-所得税 です。

頭金年間予測発電量
51,000kwh54,000kwh57,000kwh

60,000kwh

なし 617 799 982 1164
100万円 635 817 1000 1182
500万円 707 889 1072 1254
1000万円 797 979 1162 1344
一括支払 977 1159 1342 1524

単位:万円

頭金の違いによる収益の差は、およそローンの金利支払いの差です。

また、頭金の額によらず、予測発電量が1割変わると、収益は180万円くらい変わります。売電単価は、24年度は42円/kwh, 25年度は37円/kwhらしいので、その差は1割強ほど違っています。売電単価と発電量の積が売電収入なので、発電量1割の違いは売電単価1割の違いと同じ効果を生みます。したがって、売電単価の違いによって、収益は200万円くらいの差になります。一括払いの場合、これは収益の 13%から20%程度の差となりますから大きいですね。

 

次に、この事業の収益を評価します。

収益の評価方法として2通り考えます。

(1) 実質投資額に対する実質利回り

投資資金を一括で払う場合には、実質投資額は実際の投資資金2000万円と一致します。

ローンを組んだ場合には、投資資金の一部もしくはすべてを後で支払うこととなり、最初から投資資金のすべてを用意する必要はありませんが、そのためにローン金利を支払うことになります。ローンの元金および利金の支払いをあと送りすることで、その資金を運用に回せると考えると、最初に必要な投資資金は、ローンの元利金よりも少なく済みます。しかし、その運用での利回りをローンと同じ利回りとするとすると、結局投資実質額は実際の投資資金と一致します。ここでは、話を簡単にするため、ローン利回りとほかの運用の利回りを同じと仮定します。そのため、ローンの頭金によらず、常に実質投資資金は2000万円です。

 実質利回りは、1年複利での運用とした場合の、収益額と一致する、利回りとします。

つまり、何%の運用で、実質投資資金の増加分が収益額と一致するか、ということです。

式にすると、実質投資資金をA, 収益額をδAとすると、実質利回り r は
A+δA = A*(1+r)^20
をrについて解くことで得られるとします。

実質投資資金と収益額から、実質利回りを計算すると次のようになりました。

頭金年間予測発電量
51,000kwh54,000kwh57,000kwh60,000kwh
なし 1.4% 1.7% 2.0% 2.3%
100万円 1.4% 1.7% 2.0% 2.4%
500万円 1.5% 1.9% 2.2% 2.5%
1000万円 1.7% 2.0% 2.3% 2.6%
一括支払 2.0% 2.3% 2.6% 2.9%

 ローン金利の支払いがあるため、頭金が少ないほうが実質利回りは低下しますが、大きな差はないですね。

だいたい、2.0-2.5%前後といったところでしょうか。

なお、この値は税引き後です。税引き前だと、2.5-3.0% ぐらいです。

これを多いと見るか、少ないと見るか・・・・。買い取り制度の変更、地震などの自然災害、インフレリスクなどを考えると、個人的には思ったほど高くないかなと。

売電収入は、200万前後で推移しますから、投資資金2000万円であれば、表面利回りは10%程度となりますが、最終的な発電システムの価値は0円となるため、トータルとしてみたときの利回りは、それと比べるとかなり小さいですね。

 

(2) 自己資金に対する収益率から得られる実質利回り

投資のための借入金であるレバレッジの効果を考える指標として、ROI(自己資金に対する利回り)という指標があります。

ローンを組んだ場合、最初の投資資金が自己資金であり、それによってどれほどの収益を上げられるか、ということです。

しかし、頭金0円の場合、初期投資はありませんから、ROIは無限大になってしまいます。

以下の方法でROIを定義します。

ROIは、1年複利の場合に、頭金を何%で運用すると、収益+投資資金(2000万円)になるか、と定義します。

頭金年間予測発電量
51,000kwh54,000kwh57,000kwh60,000kwh
なし
100万円 10.5% 11.7% 12.7% 13.6%
500万円 4.5% 5.2% 5.9% 6.5%
1000万円 3.0% 3.5% 3.9% 4.4%
一括支払 2.0% 2.3% 2.6% 2.9%

 上記は税引き後の実質利回りです。

一括支払いの場合は、ローンを組まないため、(1) の実質利回りと同じです。

頭金が少なければ少ないほど、ROIは増え、最後は、無(頭金なし)から収益や投資資金を生むことになるため、実質利回りは無限大(∞)となってしまいます。
借入れをすると自己資金だけの投資より、効率的な資金活用ができる、ということですね。
ただ、これでは、元手が0円の場合には、定量的な比較はできないですね。元手が0円なら、20年後に1円だろうと1000万円だろうと、ROIは無限大です。

万が一事業が失敗した場合、収入はなくても多額のローンを返済し続けなくてはなりません。一括支払いでは支払いは終わっているため、後で支払うお金はほとんどありません。どちらも多額の資金を失うことに変わりはありませんが、一括支払いではリスクを先に取っていますが、ローンはそれを先送りしています。したがって、レバレッジを効かせるなら、事業が失敗した時の手当の仕方を事前に検討しておくことが必要でしょう。

結論としては、投資資金の大部分をローンで借りられるのであれば投資としてのうまみはありますが、全額自己資金とすると、利回りは2.5%前後です。

私の場合、全額ローンで借りられることになったため、今回投資を行うことを決めました。レバレッジを効かせた投資はこれが初めてになります。

次に続く・・・

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