サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

宇治市テラスハウスの売却(戸建投資はどれだけ儲かったのか)

2020-09-05 08:27:38 | 不動産賃貸業

宇治市の築古テラスを売却することになりました。

保有期間は3年半余りと結構短かったのですが、どうも賃借人に縁がない、という感じで、最後はちょっと悩みましたが、賃借人の退去予告のタイミングで売却活動を始め、10日ほどで正式な買い付けが入り、売却となりました。

あまり期間が短いのでどれだけ参考になるかわかりませんが、物件仕入れ・リフォーム・客付け、そして最後に売却という戸建物件のひととおりのステップを踏みましたので、築古物件の投資ではどんな項目にどれほど費用が掛かったのか、最終的にどれほどの収益をあげられたのか、具体的な数字をもとに検証してみました。結果は想定よりもひどかった

物件概要:
住所)京都府宇治市(S38築)
購入)2017年2月に470万円で購入(金融機関から470万円借入)
融資条件)借入金470万円、金利1.975%、 期間10年の元利均等払い
売却)2020年10月に510万円で売却 → 実質的な運用期間は3.5年
入退去)2017年8月入居(家賃6.0万円)→2019年7月退去
             2019年10月入居(家賃6.2万円)→2020年10月末退去予定
リフォーム)2017年3月洗濯パン設置、1階・2階エアコン設置、火災検知器、郵便受け交換
      2019年7月退去に伴い、和室3部屋の畳表替え、1階クロス張替え、洗面所CF上張り、ふすま張替え
管理)自主管理なので管理費はなし

以下、収入・支出の詳細(すべて単位は万円)です。
所得・住民税の税率は33%、支払いはその年末とします(実際の支払は所得税は翌年3月、住民税は来年度ですが…)。借入金がもしなかった場合にどうなるかを後で議論するため、借入金有り無し(つまり、支払金利分を経費として算入できるため)の場合で所得税・住民税を分けています。
(補足)所得・住民税の計算では建物の減価償却費も必要経費として処理しています。一方、火災保険は便宜上、支払時の一括償却としています。

 

2017年(物件購入、賃借人入居)

【物件価格】491.8(購入額470に仲介手数料21.7および未経過分固定資産税0.1含む)

【物件購入】所有権移転登記12.0  売買契約関連0.3  引越代15.0  火災保険10.0

【融資関連収入】借入金470.0

【融資関連支出】融資関連費用 0.7  根抵当権設定6.2 ※所有権移転登記および根抵当権設定は司法書士に依頼

【リフォーム】エアコン2台設置19.3  洗濯パン設置およびキッチン換気扇交換6.5  照明器具・火災報知機など 8.1 水道・光熱費1.3 (入居が決まるまでの3~4か月間)

--

【収入】礼金6.0  家賃収入30.0

【支出】広告費13.0  不動産取得税5.9

【融資関連支出】金利7.6 元金35.7

--

【所得・住民税】-26.1(融資なし)-30.9(融資あり)
※税金がマイナスの場合、他の所得と損益通算することで支払う税金が減ったことを意味します。

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2018年(賃借人入居中)

【収入】家賃収入72.0

【支出】 固定資産税1.6

【融資関連支出】金利8.2  元金43.6

--

【所得・住民税】14.7(融資なし)12.0(融資あり)

-------------------------------

2019年(賃借人退去・新賃借人入居)

【リフォーム】和室3部屋の畳表替え、1階クロス張替え、洗面所CF上張り、ふすま張替え 22.9    水道・光熱費0.5 (入居が決まるまでの3か月間)

【収入】家賃収入50.8  礼金26.0  原状回復費(賃借人負担)4.7

【支出】固定資産税1.6  広告費10.0

【融資関連支出】金利7.3  元金44.5

--

【所得・住民税】6.7(融資なし)4.3(融資あり)

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2020年(賃借人退去予定・物件売却)

【収入】家賃収入55.8 火災保険払戻 5.6

【支出】固定資産税1.6 

--

【融資関連支出】金利4.4  元金346.1  根抵当権抹消費用(抹消証書作成費や登録免許税等)1.3 ※手続きは司法書士に頼まず自分で。

【売却額】510.3(未経過分固定資産税 0.3含む)

--

【所得・住民税】13.3(融資なし)11.4(融資あり)

 

これで、何にどれだけかかったのか具体的にわかりますが、数字だけが並ぶと全体像が見えてこないので、以下に整理しました。

 

収入
(家賃・礼金等)

支出
(リフォーム・
固定資産税等)

所得・住民税 融資関連収入
(借入金)
融資関連支出
(元利金など)
所得・住民税
(融資有)
2017 36.0 91.3 -26.1 470.0 50.2 -30.9
2018 72.0 1.6 14.7 0 51.8 12.0
2019 81.4 35.1 6.7 0 51.8 4.3
2020 61.4 1.6 13.3 0 351.8 11.4
合計 250.8 129.6 8.6 470.0 505.6 -3.2

融資に直接関係のない収入・支出、そしてそれらに基づき所得・住民税、さらに、融資に関連した収入・支出、それらを考慮した場合の所得・住民税を上記の表にまとめています。

税金が比較的安いのは、築古物件なので建物部分は4年で償却できるため、減価償却が毎年25万円ほどあったためです。

家賃収入などは251万円ほどありますが、支出が130万円ほどかかっているのが痛いですね。購入当初の登記費用やリフォームは仕方がないにしても、2019年も退去で原状回復費用が掛かっていることも響いています。

5年未満なので、譲渡所得の税率が高く、以下になりました。

【短期譲渡所得】36.3  =(売却額510.3 - 物件価格491.8 - 減価償却費103.6 - 仲介手数料23.4 - 印紙代0.5) * 税率39.63%

 

上記から、短期譲渡所得も含めた最終的な損益および内部収益率(IRR)は次の通り。
(補足)内部収益率の計算での収入・支出のまとまりは3か月とし、それで得られたIRRを12か月/3か月=4倍して表示しています。

  • 融資がない場合
    • 利益 68.2  IRR 3.8% 
  • 融資がある場合
    • 利益 44.3  IRR 11.2%

この物件は、470万円で購入し、家賃6万円で運用を始めたため、表面利回りは 6*12/470=15.3%です。

それだけの表面利回りがあったとしても、実際にはほとんど儲けが出なかったことになります。

融資が無い場合、IRR=3.8%であり、また単純利回りは 4.1%(=利益/運用期間(3.5年)/購入額) しかありません。

築古物件での不動産投資で期待される内部収益率(IRR) 8%以上だと考えているため、このケースでは融資を受けていたことでなんとか収益性を確保していますが、はっきり言って失敗でしたね。

途中退去がなく、長~く住み続けてもらえればよかったのですが、やはり1-2年ほどで入退去を繰り返してはダメだということがよくわかりました。今後の反省材料にします。

 

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大阪府松原市の築古テラスを購入

2020-09-03 18:58:12 | 不動産賃貸業

2年ぶりに不動産を購入しました。

しかも、これまでで最も遠方の大阪府松原市の築古テラスです。さらに、初めてのオーナーチェンジ物件。

  

前回のブログで書いた八尾市の業者から購入した物件です。

不動産業者の話によると、物件を仕入れ、リフォームとして300万円ほどをかけて、それに利益を載せて、450万円で販売したようです。家賃は、4.6万円なので、利回りは 4.6*12/450=12.3%です。(不動産業者が売主なので、仲介手数料も発生しません。)

今回購入した物件がどうだったかはわかりませんが、この業者の基本的な考え方として、物件の仕入れ額は、家賃相場をもとに15%の利回りとなる金額から、内覧時に算定したリフォーム費用を差し引いた額を指値として買付を入れて購入しているとのことでした。投資家には利回り12%で販売するため、想定通りのリフォーム費用であれば、この業者の利益は利回り15%と12%との差額となるわけです。

具体的に言えば、仮に想定家賃5万円とした場合、利回り15%であれば、物件価格は5*12/15%=400万円です。リフォーム費用が200万円であれば、物件仕入れは400万円-200万円=200万円となるため、指値として200万円を提示して売主が承諾すれば、その額で物件が取得できるわけです。そして、実際にリフォームを行い、投資家には 5*12/12%=500万円で販売します。よって、この業者の利益は500万円-400万円=100万円です。

しかし、実際のリフォーム費用が見積もりよりも高くつくこともあります。その場合、販売価格は家賃と利回り12%で一意に決まるため、リフォーム費用が想定よりも高くなった分、自社の利益を減らさざるを得ない状況になるわけです。しかし、そういった事情はこの業者の中で吸収され、結局のところ、投資家の視点に立てば、物件仕入れの状態がどうであれ、どの物件も、きれいにリフォームされた利回り12%の投資物件である、ということ。あとは、その物件の周辺環境(最寄駅や商業施設、近隣の雰囲気など)を確認することで、その物件の購入可否の判断ができそうです。

 

これまでの私の所有物件と比べて利回りは少し低いのですが、床・壁・天井の下地を再作成し、シロアリでやられた箇所もきちんと直し、浴室・キッチン・洗面台・トイレなど費用が掛かる水回りもすべて新調された状態でした。ここまでやっているのであれば、当分の間、修繕費用も掛からず、今後10年、20年経った時でも比較的高い収益性が維持できるのではないかと期待しています。

また、物件購入の条件として物件管理をこの業者に委託することになっています。松原市は自宅からかなり離れているので自主管理は無理ですし、またこれ以上自主管理物件を増やすのもしんどいなと思っていましたので、問題なし。

また、この業者の社員はみな若く、とても誠実なビジネスをやっていってくれそうだ、という印象を強く持ちました。

以上が、私が今後、この業者で物件を増やしていきたいと思った理由です。

 

保有物件は以下の通りです。 

住所 種別 築年 購入価格 修繕費用 家賃 利回り

売買情報入手経緯

大阪府松原市 テラス2DK S46 450万円 0 4.6万円 12.3% at home
京都府宇治市K テラス4DK S39 470万円 26万円 6.0万円 14.5% HOME's
大阪府守口市 テラス3LDK S39 548万円 5万円 7.0万円 15.2% goo不動産 (任意売却)
京都府京都市伏見区 マンション3LDK H2 500万円 150万円 7.0万円
(5.2万円)

12.9%
(9.6%)

at home (任意売却)
京都府八幡市 マンション3LDK S55 380万円 100万円 6.7万円
(5.2万円)
16.8%
(13.0%)
不動産会社Webサイト
京都府宇治市O テラス3DK S41 450万円 30万円 6.5万円 16.3% チラシ
大阪府東大阪市 戸建2LDK H2 580万円 100万円 7.0万円 12.3% goo不動産

利回りは、修繕費用込みの価格をもとに算出。

賃料のカッコ内は、管理費・修繕積立金を差し引いた後の額です。利回りのカッコ内は、管理費・修繕積立金を家賃から差し引いた場合の利回り(実質利回り)です。

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今後の不動産投資は徹底したリフォーム済みの築古戸建

2020-09-03 16:19:34 | 不動産賃貸業

ブログの記事として掲載していませんでしたが、この半年ぐらいで今後の不動産投資についていろいろと考えるところがありました。

結論としては、リスクが低く、かつ収益性が高い不動産投資は、築古戸建(またはテラス)だということです。この結論の前提として、築古の最大のリスクである建物の老朽化を徹底的なリフォームを行うことで回避することです。

1棟ものではない理由:まだ最終的な結論を出せずにいますが、どうしても収益性が高くない。自分で作った収益シミュレーションで過去に何度か検討したことがあるのですが、これはいいかも、と思った物件でも実際に計算すると内部収益率などが戸建ほど高くない。ただ、もう少し検討したいと思ってはいます。

中古区分マンションではない理由:修繕積立金や管理費による収益性の低下に加え、今後10年、20年と経った時にそれらの費用がさらに増え、ますます収益性が悪くなり、売るに売れなくなるリスク、さらにリフォームしても近い将来建替えなどになると、そのコストが無駄になってしまう。また、出口が見えない。

築古戸建はこれまで過去の修繕履歴や管理状態がわからない、表層リフォームでいくらでもきれいに見せることができるが躯体の老朽化やシロアリ被害などの状況がわからずとんでもない物件をつかんでしまうかもしれない、といったリスクがあります。これまで4物件ほど購入していますが、それなりに過去に修繕・リフォームをした形跡がわかる物件だけを購入し、建物老朽化のリスクを回避してきたつもりではあったのですが、素人判断ですのでやはり不安でした。

しかし、ここ最近で、こういった築古戸建リスクを回避するため、徹底的なリフォームを行うことを前提とした業者がいくつかあることがわかってきました。

  • 堺市の業者
    • 物件価格は200~400万円、リフォームは200万円前後のパック料金、家賃は4~5万円なので、利回りは10-13%。物件販売・リフォーム・管理を実施。
  • リフォーム業者
    • 業者が市場でよさそうな物件を見つけてくれる。物件金額は100~300万円、リフォーム(古民家風)は100~300万円。家賃は4~6万円。目標利回りは12-15%。例えば、家賃5万円、利回り15%とすると、リフォーム込みの物件価格は、5*12/0.15=400万円。物件の状態から算出したリフォーム費用が200万円だったとすると、物件仕入れ価格は200万円でなくてはいけないので、200万円で買付を入れる、というシナリオ。もちろん、その買付が通らないことのほうが多いようですが、運よく購入できれば、高利回り物件とすることができる。この業者の収益の源泉はリフォームなので、この業者にリフォームを依頼することが条件。管理は自主管理でもよいし、提携の管理会社を斡旋してもらうことも可能。
  • 八尾市の業者
    • 物件仕入価格は100~200万円、リフォームは200~400万円、家賃は4.5~7万円。入居者が付いた状態で投資家に販売。利回り12%と入居者家賃から販売価格を決めている。例えば、家賃が5万円なら、利回り12%なので、5*12/0.12=500万円が販売価格。特徴は徹底したリフォーム。投資家が長期にわたって安心して資産運用できる、入居者も安心して長期間入居してもらう、という考えで事業を行っている。

いずれも物件を安く仕入れて、入居付けが可能なレベルのリフォームを行い、投資家に販売する、というスキームは共通であり、築古による老朽化リスクを回避できることがわかります。また、購入時は設備もきちんと修復あるいは新調であることから入居者のクレームも少なく、また長期にわたって住んでもらえるでしょうし、大家としても精神的にも楽です。

この3業者のうち、最初の業者は金額が固定であることが気になっています。本来なら、老朽化の状況でリフォーム費用も大きく異なると思うのですが、それが固定だと結局あらかじめ決められたリフォームとなり、目をつぶれる程度の不具合であれば、そのままにされてしまう可能性がある気がしてしまいます。

次の業者は、必要なリフォームをきちんとやっていると思いますがその最終形が古民家風なのです。もちろん、そういった雰囲気が好きな入居者、投資家がいるとは思いますが、私にはどうもピンときませんでした。

最後の業者は、徹底したリフォームであり、また、そのゴールも今風のリフォームであり、安心感があります。さらに、まだ固定した投資家がおらず、投資家の競争が少ないので、じっくりと物件を吟味することもできます。利回りは12%なので、築古戸建としてはそれほど高利回りではないですが、その一方で安心した資産運用ができそうです。そのため、当面はこの業者と付き合っていこうかと思っています。

 

 

 

 

 

コメント (3)
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