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「もったいない」という気持ちが世界を救う 佐藤・日工大教授 第4回みやしろ大学で講演

2010年07月15日 18時18分32秒 | 宮代ニュース
「多くの人が日本の伝統的精神である『もったいない』という気持ちで周りを見直し・行動すれば、環境問題、食糧問題など世界が悩んでいる問題の解決への道が拓ける」。
15日開催された宮代町の生涯学習講座「第4回みやしろ大学」で、講師をつとめた日本工業大学の佐藤茂夫教授は「『もったいない』精神で毎日の生活をみなおそう」と呼びかけた。



「みやしろ大学」は60歳以上の町民を対象とした生涯学習講座で、毎回さまざまなテーマで講演を聞いたり、体験・見学などを行っている。60歳以上を対象としているが、一部の講座を除いては誰でも自由に講座を受けることが出来る。15日、佐藤・日本工業大学教授を講師に迎えて「『もったいない』精神で毎日の生活をみなおす」と題して行われた第4回講座も一般公開され、150名近くが受講する盛況となった。



環境や資源の問題など世界規模の難しい問題を、お年寄り世代には馴染み深い『もったいない』という世界に誇れる日本の精神で解決していけることを、各種の取り組み事例などを紹介しながらわかりやすく説明。講演を聞いた人は「環境や食糧など難しく自分では解決できないと思っていたが『もったいない』と見直すことで、身近な問題となり、考えることが出来るようになった」と。



日本の伝統的精神である『もったいない』を世界の言葉にしたのは、2004年度のノーベル平和賞を受賞したケニアの元環境副大臣ワンガリ・マータイさん。マータイさんの活躍によって近年、世界中で団体や個人が「MOTTAINAI」をキーワードとして環境問題など各種問題解決に向けた活動を行っている。



「『もったいない』はケチとは違う。ケチは自分のことしか考えないが、もったいないは、それが出来るまでの努力や苦労、時間や歴史などそれら全部を失うことを思い、敬う気持ちがある」と佐藤教授。環境3Rと言われるReduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)に加えて Respect(尊敬)の意味を含んでいるのが『もったいない』ということとして人間的情感を持っているほか、物以外の力や能力などにも使えるとして、世界共通語となっている。



佐藤教授は『もったいない』の考え方から生まれた、「コンビニの食品廃棄問題」、商品にならない農産物を利用した「もったいない食堂」、「親芋コロッケ」、生ゴミから「バイオガス生成」、『もったいない』を『ありがとう』に変える「フードバンク」など具体的な例をあげながら「『もったいない』の視点にアイデアが加われば物が生きてくる」ことを、わかりやすく講演し、聴講生からは「こんなのがあったら利用したい」などの声も聞かれた。



佐藤教授は「アイデアを具体化する技術開発やビジネス化ノウハウなどが重要になってくるが、日本工業大学では「ものづくり環境学科」を新設し、こうした新しい技術やビジネスを創りだす世界を支える人材を育成するための研究や教育にも積極的に取り組んでいます」とも付け加えた。

なお、日本工業大学の取り組みについては、随時開催されるオープンキャンパスなどで知ることが出来る。直近では7月31日(土)、8月1日(日)に開催される。詳細は同大学の公式HPをごらんください