詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

北海道旅行4

2014年09月30日 | 雑記
3日目はトマムを出発して小樽へ。
小樽についたのは夕方でした。
山と傾斜と海がいいですね。

「下って行った先が海っていいよね!」と興奮して夫に言いましたが、
のぼっていった先が海なんて、夢の中でなきゃあり得ないし。
と、自分突っ込み・・・。

生活するのは大変でしょうけど、
そしてタモリさんじゃないですけど、
坂っていいですよね!!

小樽はかなり急な坂のある街でした。
長崎もそんなふうだと聞きました。
私が行ったことのある街では、尾道。
あそこも本当によかった。
坂があるだけでなぜあんなに不思議な雰囲気になるのでしょう。
坂が予感に似ているからでしょうか。それとも、
思い出している感じがするからでしょうか。

90年ほど前に建てられたという缶詰工場にも吸い込まれました。
運河の側に、ジグザグの階段が二つと、その間(真ん中)に螺旋形のスロープがあります。
建物は白っぽいのですが、階段やスロープは赤茶色で
小樽に着いてすぐに車でそばを通ったときは、
夕暮れの光で、階段とスロープが、ジグザグと螺旋の自分の黒い影と絡まりあって
昔そこで働いていた人々が煙のようにそこから立ち上がってきそうでした。
『蟹工船』を思い出しました。
私は勝手にロマンを感じてしまいましたが、
実際は虐げられて、青息吐息で人々が働いていた場所なのかもしれませんね。

多くの人が工場や廃墟に惹かれるのはなぜなのでしょう・・・。
昔、生まれるよりも前に、そういう場所にいたのだ
などと、夢想するのですが。
それとも、それもやはり形を変えた予感のようなものなのかも。

4日目は小樽を出て札幌に寄り、帰途につきました。
小樽も札幌も光がよかったです。
なぜかな、とちょっと考えてみたのですが、

東京などに比べて北に位置しているので
早い時間から夕方のような斜めの光線が街にあたり、
かといって昼過ぎにはまだ大気の浮遊物が少なくて
(朝より夕方のほうが赤く見えるのはそのためとか)
光が夕方ほど赤くならないため
独特の落ち着いた、人が微笑みながら内省しているような風景なのでは
と、自分でも怪しい理由を挙げてみたりして。
今度はもっとゆっくり滞在して写真を撮ってみたらおもしろいかも。
など、言いながら、ここでは携帯でほとんど写真を撮っていなかったのでした!
ジャンルを写真にしておいておかしいですね・・・。

小樽のガイドブック的写真


札幌(影が好き)


北海道大学(なんて贅沢なキャンパスライフ。憧れます。でも冬は大変?)


北海道旅行記おしまい


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北海道旅行3

2014年09月29日 | 雑記
世の中ではいろんなことがあって
のんきに旅行したり、それをブログに書いたりしているのが
なんだか・・・。

でもそれを言うといつでも世界ではいろんなことがあって・・・。

距離と時間と自分の大きさと。
新聞やニュースで世界のことを知れるのはよいことでしょうが
狂ったコンパスを持っているかのように困惑してしまう・・・
と言ってしまうのは、勉強不足と怠惰の言い訳でしょうか。

北海道旅行3日目。

『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』
にも載っていたトマムの雲海テラス。
朝3時50分に起きてテラスに向かいましたが

残念ながら晴天すぎて、湿度も低くて
遥か下方には雲海が見えましたが
絶景という
テラスから間近に溢れる雲海を見ることはできませんでした。



十勝千年の森は
山々に囲まれた広々とした芝生が
寝転んでゴロゴロ転がっていきたいような気持ち良さで
本当に自分がそこに立っているのか現実感がないような
その素晴らしさを持て余しているような、そんな感覚でした。

でも10年ほど前には、もっと風景に入り込んでいたと思います。
いつからか自分と対象の間に見えない膜を張るようになったようです。
それで多少は生きやすくなっているのでしょうけれど、
それは恐ろしいことでもありますね。




自然が生み出す美しさ、正確さにはいつも驚かされます。
長い時間をかけて順番に育まれていったものだから
あらゆるものがつながってバランスが取れているのでしょうね。
それに比べて人間がすることは短絡的で付け焼刃でしかない気がします。
装置が大げさで手の込んだものになればなるほど取り返しのつかないことに・・・。
かといって、もうここまできたら、何もしないわけにもいかないのでしょうけれど。

千年の森の周辺の景色も良かったです。
車から撮った写真で失礼・・・。








・・・
自分は何もせず、その恩恵に浴して生活して、文句を言って・・・
私みたいなのがいちばんダメですね・・・。

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ある夜、カフェで

2014年09月27日 | 
雨雲が拡がり夜を覆い尽した
丘の上の喫茶店で
私の向かいに座る彼女が浸した
レモンと言葉のしずくが
紅茶を溢れさせて
竜のように空に昇り
雨を降らせる
雲はあちこちで稲光を孕んで
灰色のティシューを幾重にも重ねたように見え
ゴロゴロと音を鳴らしているのは
私のおなかで
ごめんね、と照れ笑いしながら
パンケーキを注文する
ここのは甘く煮たリンゴとアイスクリームが
開いた薔薇のようにたっぷりとのっていておいしい
ナイフとフォークで半分ずつにして
片方を別の皿にのせ
さあどうぞ、と彼女に渡す
紅茶の香りといくつかの甘い香りが縒れてふわっとする

彼女の話にうなずきながら
アイスクリームが溶けてしまわぬうちにと
手際良くパンケーキを口に運んでいく
一方彼女の話は滞り
店を出てすぐ脇の狭い階段を
降りていってしまう
慌てて後を追いかける

階段を降りきると奇妙に懐かしい
静かな住宅街
墨色の雲は幕のように開いて退いていき
傘をひっかけたいような細い三日月
ダイヤモンドのような星ひとつ

この落ち窪んだ地の底は深く
その空はとても遠く
道は暗い
入り組んだ細い道を
彼女の話は
あっちを曲り
こっちを曲り
迂回ばかりしている
目指すは向こうの山のふもとの神社か

導くことはできなくて
私はただ寄り添って共に歩き続けるだけ
時にこっちの道ではなかろうかと
閃きが落ちてくるけれど
拾わず黙ってついていく
長く長くできるだけ長く
歩き続けることが大事
ようやく鳥居が見えてくる
ピチョン

あらまた雨?
振り仰げば
澄んだガーネット色の液体の奥の
自分の顔と向かいあわせになる
くるりと回って
穏やかなJAZZのかかる店内

ほら見て
窓の外は
瘴気の吹き溜る窪地
葛藤の迷路を挟んだ対岸の丘
段々畑のように家々が並び
思い思いの灯りが
たくさんの新しい可能性のように光ってる
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北海道旅行2

2014年09月25日 | 雑記
旭川から国道237号 花人街道を走りました。
快晴だったのでうっすら雪をかぶった大雪山や十勝岳などの
山々の連なりが遠いような近いようなあの不思議な迫力はなんなのでしょう?
山を見ていると、自分の心もその峰のようになだらかになる気持ちがします。

美瑛でランチを食べ青い池を見に行きました。
花人街道を外れて十勝岳山麓へ向けて白樺街道を走ります。
ここもガイドブックにもありましたが本当に気持ちの良い道です。

青い池は美瑛町観光情報サイトによると
昭和63年の十勝岳噴火のあとに、火山砂防工事のために
堰堤を建設して、そこに川の水がたまってできたそうです。
水の色が青いのは
「十勝岳中腹を源とする硫黄沢川から流れるアルミニウムを含んだ水が
しらひげの滝の麓を流れる美瑛川の水と混ざると目に見えないコロイドが
生成されるためと言われています。」とのことです。

自然に生まれた池ではなかったのです。
木が生えているのでなぜかなとは思ったのです。
それがまた幻想的なのですが。
でも水の色は自然の作用ですね。







青い池を見たあとは、
新富良野プリンスホテルにある風のガーデンへ。
植物が生い茂る庭は憧れで、立っていると夢見心地。
でも日が暮れ始めて寒くなってしまい、
長く留まっていることはできませんでした。
倉本聰さんは富良野に移住されて、
知りませんでしたが絵もお描きになるのですね。
自分の信じることを大切にして、実際に人生をそのように動かしていく
そんなふうに生きたいですね。
倉本さんの作られた絵本『マロース』を買いました。



ドラマ『優しい時間』の中で主人公が営む店として建てられたという
「珈琲 森の時計」にも行きました。
大勢並んでいて、オタオタしていたら順番を抜かれてしまい、
主人はしょうがないよ、と言っていましたが、私は一人でプリプリしていました。
ところが、おかげさまで、偶然、カウンター席の大きな窓の真正面の席に座ることができました。
カウンター席だと自分で豆を挽いて、香りも楽しめます。
目の前でコーヒーを淹れてくださる男性の手際の良いこと。じーっと見ていました。
ドラマの登場人物になった気分。贅沢な時間でした。
ケーキが「初雪」「根雪」「雪解け」と3種類あって
「雪解け」が食べたかったのですが、ここは「初雪」だろう、と思って「初雪」にしました。
帰りにちらっと見てみたら、「雪解け」が多く残っていたようです。
やっぱり、そうなるよね・・・。
こんなに残っているなら「雪解け」にするんだったかな。


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北海道旅行1

2014年09月24日 | 雑記
連休を利用して北海道に旅行に行ってきました。

歩いてく 誰かとどこかで 会いたくて 蜘蛛が巣を張る ように細かく

先週はこんな気分だったので楽しみにしていました。

レンタカーであちこち回って北海道らしい素晴らしい景色を
たくさん見ることができました。

自然の多いところはやっぱりいいな・・・と思いました。
行くとこ行くとこで「ここに住みたい!」と思うのでした。

支笏湖
「国内で2番目に深いカルデラ湖」とガイドブックにあります。




札幌国際芸術祭の会場のひとつモエレ沼公園にて(広々として気持ちの良い公園です)
ガラスのピラミッド


モエレ沼公園は基本設計をイサム・ノグチさんが手がけたとのことです。
イサム・ノグチさんは高松市の庵治石で有名な庵治町にアトリエを構えていました。
それで、高松市に住んでいた私は勝手に得意な気持ちになるのでした。
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