詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

ハナミズキの季節

2018年10月29日 | 
赤い実をつけると
ハナミズキが突然
街にあらわれる
思い出は西日とともに
秋にあるから
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記憶よどこまでも。

2018年10月27日 | メモ
昨夜は、あることを順番に考えていった結果、「自分を信じる」ということについて、そうか、そういうことか、と分かった気がしていたけれど。

あとで考えてみたら、それは誰かの受け売りだったと気が付いた。

『失われた時を求めて』にもよくその話が出てくる。人が言ったことをあたかも自分の考えのように言う。素敵なサン・ルーとかが、特にね。

きっと誰かの話を聞くか読むかして、なるほど、そうかもしれない、と思い、自分にとってとてもためになる言葉であるから、軽く薄く簡単に記憶から剥がれて飛んでいってしまうことなく、ゆっくりと沈んでいって、いつのまにか咀嚼され消化されて、まるで自分で考えたかのように錯覚するほどに、私の身になったのだ。

本当はもうひとつ?昨日ひらめいた仮想の敵について書きたかったのだけれど、それはやっぱり秘密にしておこう。とてもおもしろいことなのだけど、たぶんそれは私にとってだけだろうし(いつもそういうことしか書いてないくせに!)、変なふうに思われてもやだな、と思って。いまさら。

それに、これから書く詩にそのひらめきが効果を発したとして、あ、あれのせいか、と思われたら、恥ずかしいじゃない!!
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自分を信じる

2018年10月27日 | メモ
自分を信じるというのは、自分が正しいと信じる、ということではないのだな。
自分は強い、とか、自分には能力がある、とか
そういうことではないのだろうな。

自分は自分自身でなんとかやっていけると思える、ということなのだろうな。

自分からはみ出すことなどそもそもできないのだけれど、
自分の中にすっぽり収まって、なんとかかんとかやっていける、という気持ち。

本を考えれば。

文学にできること。
それは、世界の中に、自分のための自分だけのポケットをつくれるようになる、ということなのではないかな。

本は私が読み続ける限り、応えてくれる。
いつでも応えてくれる。
そして私は考える。
私の中で考え続ける。

だから、そのように、自分を信じることができるほど充分に、自分を育てる前に、外からの攻撃を受けてしまう人は悲劇だ。でもそんなことはいろんな場所で起きていることなのだろう。

ああ、でも、自分で自分自身でなんとかやっていける、という気持ちさえ、うっかりするとぐらつきそう。

弱っ。私。

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からまるひと

2018年10月25日 | 
蔓を伸ばしていく。

若い頃は若さという希望が捨てることを容易にしてしまい生えてくる興味に栄養を与えることをすぐに忘れてしまうし忘れてもいいと思っている。

望まなくとも湧いてくる栄養が枯れ始めてわたしはようやく栄養とは自分が撒いていくものなのだろうかとぼんやり感じるようになる。

昨日の分解をしてひっかかっていることごとを丁寧にすくいとりためつすがめつし土壌につぎ足し豊かにする。

出会ったこと出会ったこと過小評価しない。わたしがはずんで愛すればこちらもはずんでこたえてくれる。

家路を急いでも工場の夜に思いを馳せる。

わたしはいくつも蔓を伸ばしやわらかく光る記憶にからみつき未来の岸辺へそれらを打ち上げる。

あああちらこちらにからまっているわたしはふかふかのベッドにいて気持ちの重さに落ちることもない。若い頃のたよりなさを不憫に思った。
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夕焼け

2018年10月15日 | 
「人恋しい」と書いて「にんぎょ」と読む

カーテンがひるがえる
胸から形を持たない結び目が飛ぶ
燃えるような空に見つめ返されると
やさしい世界に生きて
磨かれず仕舞い込まれていた
永遠の願いがよみがえる

歩き出す
地図をひろげるように
新しい街が次々生まれていく
わたしの切実さ
距離を守って
見ていたけれど

わたしにも
波のように押し寄せる
生理も死も

泳ぎだそう
勇気を出して
もうそろそろ
なりふりかまわずひとつになっていい
わたしになって
夢を生きてもいい
時間
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