詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

さて

2019年01月31日 | 
さて
ラジオを聴く
フランスに留学中
マグノリアの花咲く中庭
文学者の家に居候した作家
歓待する文学
歓待する人類
される人類
について
いや
わたしも
歓待したい
と語る

わたしはふと

作家でない
このわたしはふと
アフリカの夜
とつぶやいていて
心の中で
すると
コーヒーが広がっていった
鼻の奥のほうで

種を残そうとして
開いたら香る花のように
本能として
香りを放ってしまう
生物としてのじぶん
それとも記憶再生装置としてのじぶんに
記録再生装置としての触手がしびれ
急ぎ書き留める

はてアフリカ
そんな話などあっただろうか
暗い窓の向こうで首を傾げた
わたしの意識は浮いていて
ラジオは地下鉄をさまよっていた
なんの話だったか
少し巻き戻し
聴き返すと
アフリカのと確かに作家は
語るのだった

こっくりとした肌
こっくりとした味
のアフリカ

他人への愛に没入できる
薫り高き文学者の指の波間に
アフリカの屋敷にひとりきりで住まい
紙にペンを踊らせる白人女性が
浮かびあがるのだった
コーヒーはからだとしていちばん美味しく飲めるタイミングで味わうのが美味しい
そのときの味だった
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かっこいいひと

2019年01月19日 | 雑記
都会では、女の人が、見上げたところにいる。物理的に。
見上げた姿勢の私。
見上げたところのひとつもない私。
へいこらへいこら。





表参道の交差点。
空が「冬っ!」と言っている。
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石膏

2019年01月13日 | 
ギプスは
薄氷で花ひらく
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九段下はわたしに親しい駅と

2019年01月12日 | 
九段下はわたしに親しい駅と
目の下にできたしみのように
いつのまにか慕われていた
その理由をたどってみると
それはただ半蔵門よりはひと駅
自宅に近いということだけであるらしい

慣れぬ間はどちらの駅が自宅よりなのか
定かでなくて
勝手に動いてくれる電車の中で
わたしはたいてい没頭中なので
目に入った駅名は
あれ神保町はこの駅の次?
それともこの次の次?
となぜかとくにいつも帰りは
思うのだけど
リトマス試験紙を水に浸すように
九段下を無意識の液体に浸してみると
わたしに親しい駅
という結果が出てくるのでわかる


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