響きの森

五線譜を辿り
ピアノに向かって指を動かすと
ヘッドフォンの中から鳥の声がする
隣家の庭の木立を通る風が
カーテンをふくらませて部屋に入り
ヘッドフォンの森の奥へと
音符を連れて吹きぬけていく
目をつむって　月の光
踏み出した地面は
落葉が積もって柔らかい

恐れのない静かな道を歩いていくと
誰かが踏みしだいた跡
私の道と交差して
別の方へと向かっている
残り香のような気配はあなた
あなたの道では
書かれていないソットボーチェ
小声でささやくように
何かが私を惑わす
木々の影が揺れ
独楽を回すようにさっと
風が渦を巻く
追いかけようと
銀色の林を
ゾートロープを覗くように
駈けていく

息がきれて
立ちどまると
かすかに水のはねる音
耳を澄まして歩いていけば
枝葉の間から
きらきら瞬きこぼれる
胸高鳴らせ近付けば湖
ひとりほとりに立って
水面に映っていたのは
私の心
こんなにも静かな
それを確かめるため
この森深く入ってきたのだと
気付き
風はやみ
湖はますます澄み渡り
そしてモレンドジュスカラファン
終わりまで次第にゆっくり
そして弱く

植物団地

以前、散歩の途中で見つけた植物団地。
（勝手に命名）
団地というにはもう何ブロックか必要かな。

お隣さんをのぞいていたり。
「お醤油を少し分けて頂けませんか～？」なんて。

今朝ちょうど、テレビで植物工場というものを取り上げていました。
用事をしていたので番組そのものはちゃんと見ていなかったのですが、
ネットで調べてみたら、大企業も続々参入とかで
いま増えているそうですね。

Ｗｉｋｉｐｅｄｉａによると
内部環境をコントロールした閉鎖的または半閉鎖的な空間で
植物を計画的に生産するシステム
とのことです。

う・・・。なんかくるしい・・・。
でも、きっときれいな野菜を安定してつくることができるのでしょうね。
無農薬はうれしいですが、
太陽の光にあたっていない植物は栄養的にはどうなのでしょうか。

最近「植物」という言葉（字面）に惹かれます。
ずっと前に図書館で借りた『植物の魔術』（八坂書房　Ｊ．ブロス）
という本が面白かったので、ずっと気になっていて
あるときネットで探して買ったのですが、
（本屋さんでも置いているところがあったと思います）
真剣に最初から読もうとしたら
（図書館で借りたときは、読みたいところだけつまみ食いしていました）

とても興味深いのですが、私には難しくてなかなか進まず
ちゃんと理解しようと用語をネットで調べ調べしながら

中学生の頃、生物の授業で習ったなぁ、
蘚苔類とか、維管束とか、裸子植物、被子植物とか、
授業の前に必ず小テストがあって、
必死で覚えたはずなのに・・・

先生はアンパンマンのように
つやつやした丸いほっぺのかわいい女性の先生で・・・

なんてやっている間に他の本に手を出してしまい、
まだ第一部の性の進化のところです。
（なんと！Ｐ．２４！ほんとにぜんぜん進んでない！
しかもせっかく調べたことをまた忘れていっている・・・）

でも少しずつでも、植物について勉強したいと思っています。
高知県の牧野植物園にもまた行きたいな。

香川県のため池

香川県は日本の都道府県の中で一番
小さな県であるにも関わらず、
日本で三番目にため池の多いところだそうです。
その数一万四千余り。

北の日本海側には中国山地
南の太平洋側には四国山地があって、
海から吹いてくる湿った風も
山で雨を降らせてしまう上、
気温も高いので、乾燥してしまい、
香川県は昔から水不足に悩まされる土地だったようです。

そのため、古くからため池をつくり
雨水を溜めて農業用水として利用してきたそうです。

ため池のある風景、最高でした！！
もちろん泳いだりはしませんが
よくまわりを散歩したものです。

しばしば写真を撮りました。
今になってみれば、同じため池に季節を変えて
足繁く通うんだった、と後悔しきり。
気まぐれな撮り方しかしていなかったので・・・。

そのときにしかできないこと
大切にしたいものです。

というわけでため池の写真です。
それぞれ違う池なのですが。
香川県に住んでいたときの
胸のすーっとするような感じが伝わるでしょうか。

水面

舟が揺れている
ゆらゆらと
葉っぱも揺れる
ゆらゆら
ゆらゆら
ゆらゆら
朝もやの湖で

短歌など２ 秋の気配

はし置きの犬の瀬戸物けんかして
そっぽ向いてる二人の食卓

秋の風 連れてきたのかかもめたち
いつもより空 広く高くて

夕日浴び黄金色なるとんぼ見て
立っている場所わからなくなる

ガラスのはうちは無理なの妻壊す
スタンドの傘 体温計など

道端で笑いさざめくねこじゃらし　
私の記憶くすぐっている