世界の数

世界はひとつ。

じゃない。

生きている人の数だけある。
これまで生きてきた人の数だけある。

そのひとつひとつの世界は、
いろんなことを知り、感じ
考えることによって
ひろがり
深まり
豊かになっていく。

横に
縦に
斜めに
放射状に
円形に。

・・・・・・・
会社の宿題。
毎月本を3冊読まないといけない。
仕事に関係のありそうな本。

今月は3冊目の選択に失敗した。
3冊目用として、2冊会社から借りてきていたが、どちらも、いまの私にはダメだった。

そこでやけになって、自分の興味で読みたいだけの、少し前に買っておいたピーター・ドラッカーの『傍観者の時代』を、宿題をサボる子どもの心境で読んでいて、ふと、上記のような世界の数を思った。

ふと、そんなことを思うに至った箇所
「ヨーロッパの紳士方は手仕事はしなかった。手仕事をしないことの証拠として、爪を二十センチも伸ばしていた清王朝の高級官僚ほどではなかったにしても、かなりそれに近かった。」

P.F.ドラッカー著『傍観者の時代』ダイヤモンド社
Part1 第3章 エルザ先生とゾフィー先生より

・・・・・・・
少し時間が経ち、書いたことを読み返してみて
実際は、私には、知りたくないと思っていることもたくさんあると気が付いた。

きっとみんなそうで、
そもそものその人の知りたいことの傾向として
自然と得られていくものにも偏りがあるし
もっと知りたいと願うことも偏っている。
そうしてひろがっていく世界はいびつだ。
いびつな世界がごろごろ転がっている世界。

ぶつかったり
離れたり
すれ違ったり
隣り合ったり
競争したり。

本を読むと、
ものすごく奇妙な形の世界や
ものすごく深い世界や
ものすごく複雑な世界を
わたし自身のにじみによって
味わうことができる。

それも結局は私の中の世界。
よく言われていることではあるけれど。
ふとそんなことも思った。

世界の中の私、と普段は思っているけれど、よく考えれば、私の世界の中にしか私は生きられない。
私の世界の中の世界にたくさんの世界があって
その中にも私の世界が含まれている。

鏡の中の世界と思いきや、メビウスの輪のような。
全体に含まれていると思いきや、自らが全体を含んでいるかのような。

そんな今日も暮れていきます。
街にはもう光は残っておらず、光の影法師とでも呼びたくなるような、ほの明るさが残っているだけ。
建物に、ポツポツ明かりが灯り始める。

とても風の強い日が暮れていく

とても風の強い今日という日が暮れていこうとしています。

日の当たる場所が地面から上へ上へと上がっていき
いまや高い建物だけが遠くを見遣っています。

さみしい気持ち

毎日毎日体験していることなのに
待って待ってと太陽の光の尾っぽをつかまえたい気持ち。

だんだん眠たくなってきて
私のまぶたも地球の裏側へ暮れていきそうです。

とても風の強い日

とても風の強い今日という日に
あなたは何のことを考えていますか？

こんなにも風の強い日は
髪の毛も洗濯物もビニール袋も舞い上がって
影も草も輝きながら揺れていて
飛ばされた物や自分に動揺し

どよめいたり
見知らぬ人に話しかけたり
してしまう

私は歯医者に行きました

唾液の力は弱くないでしょう
歯磨きも大事ですが
間食が特に良くないですね

そうです、かんしょく確かめてました

こんなに風が強く
空が青い日は
不思議と懐かしい気持ちになるし
子どもの頃に見ていた未来のことも考えてしまう

とてもアナログ
あ、夕焼けチャイム

Transplant

土にさわって
今日は
詩が書きたくて
書きたくて

鉢の植え替えをした
しっかりと長い時間をかけた
伸びてわたしの場所を

お菓子を型から抜くときのように
縁にふちふち割り箸をさして

楽しい演奏会だった
口角が大きく行ったり来たり
している人を見ると
わたしもそんなふうになれる気がする

形の中では
ひろがりようがなくて
ぐるぐると渦を巻いて
くろうしてようやく
ほぽこりと抜けた円筒は
みな同じ
異形になりようがなくて

抑えているつもりなのに
しばしばはみ出している気がして
はずかしくなって
なさけなくなって
身悶えする
大きな塊になれなかった
小さな球根ぽろぽろこぼれた

植え替えをするように
いつも行かない場所に行き
いつも会わない人に会い
ひろがってみようと思うので
固く縛っている根を
ほどこうとする
ことばがほころぶ

雪の足跡

書くことがない、というより、書くことを考える暇がないのだけれど、ブログを見たら、画面がまったく新しくなっていて、びっくりした。

何か投稿したくなった。まっさらなきれいな雪原に足跡をつけたくなる、そんな気持ちで。

投稿をする、という意味でなら、これまでもたくさんの足跡を残しているのに。

フォロワーが5人とか、目立たせなくても良かったですのに。でも全体的には、見栄えが良くなってうれしい。

ブログとは別に、日記は発作的に書きたくなる。ついさきほど書きたくなったのは、今朝見ていた夢のこと。発作的に思い出した。読んでいた本が夢へと入り込んでいたことに、目覚めて少しして、ああもしかして、と気が付いたのだった。