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詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

してしまうこと

2025年03月19日 | 

階段を上りきった時
ただ四角く刳り抜いただけのような
開け放ってあった窓から
水の線とコンクリートの線
それは同時に空の線
三つを組み合わせた図形が目に入り
海がそこにあることを
波の音が小さく胸の中で砕けるように感じて
不意に思い出が生まれていたと知った

真摯な思いなど持ち合わせていないけど
感動などという言葉で呼ぶこともなく見ていた景色が
感覚の波を絶え間なく繰り寄せて
引いていったあとに現れる絵は
大抵時代遅れだから
もうどこだったかも思い出せないのだけど

わたしは思い出によっていまの景色を見ている
だから歳をとるほどに鏡の中のように
景色は深くなっていく
だから自分のつまらなさやくだらなさを超えて
自分のことを大切にしてしまう

コメント
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