詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

詩は

2023年02月20日 | 雑記
アカデミックスキルについての本を読んで

プレゼンテーションでは
自分が言いたいことを言うのではなく、相手が聞きたいことを言うのだという。

それはとてももっともなことだと思い、詩も、もしかしてそうなのかな、と思ったけれど。

少しして、詩は、むしろ自分が言いたいことをいかにして読ませるか、のほうなのではないかと思った。

他人にとってはつまらないこと、
でもわたしにとってはとてもおもしろいこと、
たとえば、体の不調さえ自分のアイデンティティになろうとすること、それをモザイクのように感じていること。そう気づいたときの充実した感触。

わたしにとっておもしろいことは、恐らく他人にとっては他愛のないことばかり。でもそれらが何よりも大きな人生の不思議であり、わたしが人間であることの意味でもあるような気がしてくる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛び立つ

2023年02月03日 | 
自由な裸足を求めて
ぼくは飛び立つ

小さな窓から覗いていると
飛行機の羽がパタパタし
遠くの煙が見えたり隠れたりし
揺れとともにぼくらはスピードを増し
曇天を映してちりめんのように光る海と平行になる

煙が雲に届く様を眺めながら
薄めたようなブルーグレーの空に向かって身を投げ出した

街は小さくなって精密機械の
半導体が並んだ基盤のようになり
0.001マイクロの人いきれが
からまりをほどいて遠ざかる

靴を空っぽにして
裸足はぼくにぴったりのサイズだから
どこまで遠くに行けるだろう
とても遠くに行くために
ぼくはぼくにぴったりとしていよう
この空っぽに包まれた裸足から
スタートしたいから

自由になったら
なりふりかまわず好きにする
なりふりかまわず好きなだけ
役に立たない細部にこだわるんだ

数時間の雲を縫って進んだ機上の旅がおわりに近づき
たどり着いたその土地はまだ明るかった
もう明るかった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする