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詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

内側に入り込む世界

2017年03月20日 | 
内側に入り込んでいる世界を
離れて立ってみるなら
縁のぼやけたジオラマの部屋

花が一輪
深い色を見たいなら
僅かな差異にとらわれず
切り分けていかなくては

お気に入りの下着を
突然の赤い月で汚してしまった夜は
染みを水で丹念に流した

わたしは血まみれの両手で胸をなでさする
黒人の美しい女のひとが
苦悩のために焼けた鉄を両手で握りしめる
恐ろしい悲鳴をあげながら
(今日駅ですれ違ったひとだ)
冷やすための水をもとめて
右往左往するわたし
うつつにそれらが記憶と
両手のひらに響いているしびれから
ほとばしる幻視のくびれ
そう液体のようにわかる
闇にひらひら流れて落ちる金色の水

内側に入り込む世界
内側に入り込んでいる世界
似ているようで
主体が入れ替わっている
と見ることもできるかもしれない

そのように思えば
細い流れは夜を貫いて
駅と線路の関係
旅先の街で見つけた喫茶店
がらんとして暗く
ショーケースの中に陳列されている
レバーが瑪瑙色に光っている
歩いている
この街はいつも暮れ方のように
青く沈んでいる
駅と線路が
蛇口から流れる水の帯のラインのように
さりげない主体の入れ替わりのように
絡み合っている
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