詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

春にそよぐ

2024年06月19日 | 

春の夕暮れ

久しぶりによく晴れていた

昏くなっていく青空には

淡いピンク色のゆるやかなリボン

 

神宮球場の横を歩いていたら

わっと届いた歓声に

なんだか疲れているのに

なんだかにぎやかでうれしくなった

人工の光

強くなっていく

周囲のビルの名前

盛り上がってくる

 

ヤクルトファンだった父

夕食どきによく野球を見ていた

テレビが点いていれば

私もなんとなく見て

なんとなくお気に入りの選手ができたりして

赤いグローブのブンブン丸とか

 

結婚して家を出て

そういうこともなくなった

スポーツ観戦には興味がない

大勢の人と興奮のもとに連帯することにも

だけどにぎやかだとうれしいのはなぜだろう

歳を重ねるにつれ親族は減り

さみしくなっていく身辺

街灯が静かに照らす夜道のように

ひっそりしている私の内面

 

自分では出せないエネルギーを

たくさんの誰かが放出して

大気を満たしている

そんな外からの波動でわずかに震える

わたしとはつまらないと言うには

あまりにもかさばりすぎる

発光体

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