猫と亭主とわたし

愛猫。虹のかなたに旅だったブラッキーとリリを偲び。家族になったルナと庭に移ろう季節、折々の想いを写真と文で綴っています。

いささ群竹

2008-06-17 17:48:07 | Weblog


5月17日 火曜日
■裏庭の黒竹の手入れをした。ささやかな庭ではあるが、わたしと夫のおもいが凝縮している。凝縮などというやや文学的な言葉を使うとカッコいいが、好きなものを勝手にお互いに植え込んだということだ。

■黒竹は夫の趣味。植えてからかれこれ20年近くになる。
春になると一斉に竹の子がでる。それを根元から切る。切らないと狭い庭は竹におおわれてしまう。植えたのもわたし。その後、ずっと世話してきたのもわたし。夫は黒竹を風呂の窓から見たいとのたまっただけだ。

■切り残しがあったのか、久しぶりに裏庭にいくと、直径が3センチぐらいの竹が1階の屋根を越えている。4本程のこぎりで切り倒す。
この季節いつも思い出す母の言葉。「竹は何か仕切りを地面に入れておかないと蔓延ってたいへんなことになるよ」まさにそのとおりになった。

■夫は「我がやどの いささ群竹 吹く風の 音のかそけき この夕べかも ――万葉集」なんてのんびりお風呂にはいって眺めることを想像していたのでしょうが。

■悪戦苦闘の3時間半だった。

■杏の実がだいぶ大きくなった。
白木蓮が葉を茂らせている。
だいぶ風通しがよくなった裏庭を眺めながら夫と濡れ縁でコーヒーを飲んだ。
匂いに敏感な夫は、わたしがコーヒーを挽いているといち早くはせ参じる。
「コーヒーがうまい」ですって。