ミコちゃんの徒然日記

日々の雑感など

湖上(中原中也)

2007年11月25日 | Weblog
月夜なら百恵と中也の歌の中



  湖 上 (中原中也の詩歌)

ポツカリ月が出ましたら、
舟を浮べて出掛けませう。
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。

沖に出たらば暗いでせう、
櫂〈(かい)〉から滴垂〈したゝ〉る水の音は
昵懇〈ちか〉しいものに聞こえませう、
――あなたの言葉の杜切〈(とぎ)〉れ間を。

月は聴き耳立てるでせう、
すこしは降りても来るでせう、
われら接唇〈くちづけ〉する時に
月は頭上にあるでせう。

あなたはなほも、語るでせう、
よしないことや拗言〈すねごと〉や、
洩らさず私は聴くでせう、
――けれど漕ぐ手はやめないで。

ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べて出掛けませう、
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。

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2 コメント

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月に雁 (緑風)
2007-11-25 19:15:15
こんばんは、今宵もまた十六夜の月が東の空に浮かぶ

と、啼きながら我が家の上空を6羽編隊くらいで次々

と雁が塒に帰ってきます。

中也の詩と百恵ちゃんの歌「夢先案内人」取り合わせ

が、全く新鮮で月読みの平成の佳句だと思いました。

流石、歌の好きなミコちゃんですよすね。

芭蕉さんもびっくりですね。(爆笑)

小生も中也の「湖上」の詩で一句詠んでみ

ました。

十六夜や湖上に眠る冬の雁   緑風

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落雁 (ミコちゃん)
2007-11-25 20:44:27
こんばんは、緑風様

今日も素敵なコメントと句をありがとうございます。

「冬の雁」の句は綺麗で幻想的な句ですね、十六夜の

月光が余すことなく湖上一面を照らしているのでしょうね。

塒へ帰る雁が整然と上空を飛ぶ姿は、どんなにか綺麗なのでしょう、「雁の棹」と云うらしいですが。

また、水上に降りて眠る為の降り様を「落雁」と

云うそうですね、テレビでしか見たことがありません

ので、観てみたいです。
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