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湖 上 (中原中也の詩歌)
ポツカリ月が出ましたら、
舟を浮べて出掛けませう。
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。
沖に出たらば暗いでせう、
櫂〈(かい)〉から滴垂〈したゝ〉る水の音は
昵懇〈ちか〉しいものに聞こえませう、
――あなたの言葉の杜切〈(とぎ)〉れ間を。
月は聴き耳立てるでせう、
すこしは降りても来るでせう、
われら接唇〈くちづけ〉する時に
月は頭上にあるでせう。
あなたはなほも、語るでせう、
よしないことや拗言〈すねごと〉や、
洩らさず私は聴くでせう、
――けれど漕ぐ手はやめないで。
ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べて出掛けませう、
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。
と、啼きながら我が家の上空を6羽編隊くらいで次々
と雁が塒に帰ってきます。
中也の詩と百恵ちゃんの歌「夢先案内人」取り合わせ
が、全く新鮮で月読みの平成の佳句だと思いました。
流石、歌の好きなミコちゃんですよすね。
ました。
今日も素敵なコメントと句をありがとうございます。
「冬の雁」の句は綺麗で幻想的な句ですね、十六夜の
月光が余すことなく湖上一面を照らしているのでしょうね。
塒へ帰る雁が整然と上空を飛ぶ姿は、どんなにか綺麗なのでしょう、「雁の棹」と云うらしいですが。
また、水上に降りて眠る為の降り様を「落雁」と
云うそうですね、テレビでしか見たことがありません
ので、観てみたいです。