聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

″正義″という仮面を被った自己中

2011-04-03 15:00:32 | 邦画ヒューマン
上映時間は10分間の休憩をはさんで3時間22分。

こ~んなに長い映画が
日本アカデミー賞作品賞を受賞したのは
初めてなんですって

結構前にWOWOWでやっていたのですが
お家でもこれだけ長い時間を捻出するのは大変


ピザを注文して、完全なる鑑賞モード



沈まぬ太陽 



日航機墜落事故をもとにした
山崎 豊子さんの小説が原作。

物語は大きく2つに分かれています。




国民航空に勤める恩地 元(渡辺 謙)は
社員の待遇を改善するため
労働組合委員長として全力を尽くしています。


けれど雇う側からすればやっかいな存在…



結果として懲罰的ともいえる海外勤務。
通常なら1度外国で働けば
元に戻れるのですが、彼はナイロビ、カラチ、テヘラン…
そして再びナイロビと次々に別の場所に。



最初は妻であるりつ子(鈴木 京香)も
2人の子供と一緒に付いてきたのですが
年老いた母をいつまでも1人にする事もできず
結局日本に残ります。





一方、恩地が委員長だった時の
副委員長行天 四朗(三浦 友和)は
すぐに鞍替えし、出世街道に。





そして1985年8月12日。
国民航空123便は群馬県に墜落します。
死者520名、生存者4名…



遺族への対応も不誠実で
自分達の利益ばかりを考える会社に
憤りを感じならがらも、
働き続ける事を選んだ1人の男の物語です











最初に″物語は大きく2つに分かれる″と書きましたが
1つは墜落事故のお話。


3時間強という長さを削るなら
こっちだよなぁ…



あ、勝手に削ろうとしているけど
映画好きの私でもやっぱり長い



この″突然大切な人を失う痛み″というのは
皆が知っている。
どうしても今起きている東日本大震災と重ねてしまうのですが
多くの悲惨な映像が流れる中、
涙なくして見られないのは
ある人物にスポットを当てた時。

その人を見たら、すべてが判ってしまうのです…






きっと日航機墜落事故でも
同じ様な人が大勢いたはず…




だから1人に絞ってよかったんじゃないかな
この場合、存在感を見せつけた
木村 多江さんかな、やっぱり




と好きに書いているけど
これで3時間切りました~~



もう1人役者としては香川 照之さん

恩地を慕っていながらも
行天の犬となり
最後は自殺した彼。

行天の悪行をすべて記し、
告発するために投函した時のあの顔



あの悪るそ~な顔は
酸いも甘いも知っていないとできません
恐れ入りました




そしてもう1つは不器用な男のお話。

昔はすごく解った気がするけど
今は…


何だろうね。
確かに理不尽を受け入れるのは大変。
自分の事ばかり考えている会社や人にもうんざり。
でもちょっと待って。


自分のポリシーを貫くだけのために
家族の事を考えずに、甘えているのは
自分の事ばかり考えている人ではないの
自分が嫌悪している人達と何が違うの




いや、むしろ
″正義″という言葉を借りて正当化している分
もっとやっかいなんじゃないだろうか…



そういう意味でこの手の話には最近手厳しい私


ま、でも一緒に見た相方は5つと言っていたので
男性は好きなストーリーかもしれませんね