【シャルロット】
「シャルロット」とは、女性の帽子に見立てた洋菓子。
パン、スポンジケーキまたはビスケット、クッキーを型に貼り付け、その中にフルーツやピュレやカスタードなどを詰め、冷やしたものである。
元来は、硬くなったパンを型に合わせて切ってバターに浸して型の内側に貼り付け、中にリンゴやナシなじの果実を詰めて焼いた、熱い「シャルロット」が作られていた。
アントナン・カレームがロシア皇帝アレクサンドル1世に仕えていてた時、型の内側にビスキュイ・ア・ラ・キュエールを貼り付け、ババロアを詰めて冷やした「シャルロット・リュス(ロシア風シャルロット)」を考案した。
現在では主にスポンジケーキやビスキュイ・ア・ラ・キュエールが使われ、中にはホイップクリーム、イチゴやチョコレート、ババロアなどが使われ、また、それらを同じ味付けをしたゼラチンの薄い層で覆い、冷やして供するのが一般的である。
『形式』
1・大きな皿を帽子のツバに、本体を頭の部分にして一般的にはリボンを架けて見せる。
2・シャルロット型(約10センチの深さのある円柱または円錐の型)の内側にビスキュイ・ア・ラ・キュエールやパンを貼り付け、クリーム、ムース、ババロアやフルーツを詰めたもの。温および令アトルメ、氷菓の3種類がある。中に詰めるフィリングによって名前が変わる。
「シャルロット」は下ごしらえが簡単なため、多くの種類が作られてきた。「シャルロット」のほとんどは冷やして供されるため、暖かい季節によく好まれる。「フルーツ」は、フルーツビュレやジャムをカスタードまたは生クリームと組み合わせる。イチゴ、ラズベリー、リンゴ、ナシ、およびバナナなどを使う。
果物を使わないタイプはカスタードやババロアを使う。「チョコレートシャルロット」は層の間にムースを使用する。近年ではレモンバター(レモンカード)も使用される。
【ピーチ・メルバ】
「ピーチ・メルバ」とは、1892年か1893年に、ロンドンのサヴォイ・ホテルの料理長だったオーギュスト・エスコフィエによって考案されたデザート。
『概要』
バニラ・アイスクリームの下地にバニラ・シロップ漬けの桃を乗せ、ラズベリー・ソース、アーモンドのスライスを掛けたデザートて、オーストラリアの歌手ネリー・メルバがサヴォイ・ホテルで食事をした際、特別製のデザートとして供されたのが始まりとされる。
また、このデザートをメルバが気に入り名前を尋ねたところ、エスコフィエが「ピーチ・メバルと呼ばせて頂ければ光栄です」と答えたとされることが名前の由来とされる。
古内東子の楽曲「Peach Melba」は、デザートを指すものではなく架空の香水の名称である。