道彦の散歩道

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毎日の事件事故の記録

普天間移設問題(96):10/09/29

2010年09月29日 | 普天間移設問題

【仲井真知事・県外移設を要求】

仲井真知事は28日、県議会9月定例会の代表質問で、普天間飛行場の移設先を名護市辺野古崎とした5月の日米合意について、「政府に対し日米共同声明を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めていきたい」と表明した。仲井真知事は11月28日投開票の知事選に向けた公約に普天間飛行場の県外移設を求める方針で検討していいたが、明言するのは初めて。仲井真知事は県内移設反対を明言したことについて「県外移設とイコ-ルとはいえないが、ほとんど似ている」と述べ、余地を残した。

仲井真知事は「県外移設を政府にどのように求めるのか」との記者団の質問に「議会が終わってから行くが、ちよっと時間がかかると思う」と明言を避けた。

                      『沖縄タイムス』

【これで民意は定まった】

仲井真知事は28日、開会中の県議会で普天間飛行場の移設問題について、「政府に県外に移転することを求める」と初めて言明した。日米両政府による辺野古への移設合意は振り出しに戻らざるを得ないだろう。この発言の意味は大きい。

移転先の名護市と市議会、県知事と県議会という4者が「県外移設」を求め足並みがそろったのは初めてだ。この民意は日米両政府の対沖縄政策にくさびを打ち込むだろう。復帰運動が沖縄返還を実現させる原動力となったように、民意が政治を動かせることを県民は経験してきた。

それは沖縄だけではない。戦後の50年代米軍の基地問題は日本のそこかしこにあり、住民の反基地運動が激しかった。海兵隊の最初の駐留地だった山梨県でも演習場周辺の住民が大砲にしがみつき演習を阻止した。そんな安保激動期に海兵隊は沖縄に移駐し、現在の普天間へと続いている。

こうして見ると米軍基地は必ずしも不動のものではない。地域住民の協力をなくしては存続し得ないのだが、仲井真知事が批判するように、民主党はあまりにも地元を粗末に扱ってきた。「最低でも県外」と公約しながら、鳩山前首相は「学べば学ぶほど」と空疎な言い訳で押し切ろうとしたから、県民の怒りを買った。

11月の知事選を前に仲井真知事も民意を読む。知事はこれまで県内移設もやむ得ないと考えていた。

辺野古にV字型滑走路を建設する日米合意について、騒音軽減を理由に沖合へずらすよう求めた。普天間の危険性除去を優先し、辺野古移設もやむ得ない、というスタンスだった。長年の問題に一定の解決策を見いだし、経済振興に精力を注ぎたい、というのが本音のようだった。

そうした選択が一定の支持を集めていたのは事実だ。しかし、中央で政権交代があり、1月の名護市長選で「陸にも海にも基地は造らせない」と主張する稲嶺市長が当選すると情勢は一転した。これまで移転容認派が優勢だったが、今月12日の市議選で勢力が逆転し反対派市議が圧勝するなど、地元で大きな地殻変動があった。

県議会は2月に「県外・国外」を求める意見書を全会一致で議決した。何度も表明される県内移設反対の民意はしだいに強固になった。

この流れの先に11月の知事選がある。

立候補を表明している伊波宜野湾市長も日米合意わ強く批判している。いまのところ仲井真、伊波両氏の一騎打ちの公算が大きく、どちらが勝っても政府は知事の埋め立て許可を得るのはこれで不可能になった。

この期に及んで管政権が米政府に対して、辺野古移設の実現を目指す、と空約束をするのは無責任だ。これでは同盟の信頼性を失う。民意を無視して軍事基地建設を強行できるわけがない。

                   『沖縄タイムス・社説』


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