帯広の国見山の中腹に位置する(住所は芽室町)「そば蔵・大正庵」。
同店の建物は、大正15年に建てられた上札内の古民家を移築したものです。店名「大正庵」はこの建物が大正年代に建造されたことに由来しているようです。
内部は、板の間にテ-ブルを置いている部分と、小さな畳敷きの小上がりで構成され、調度品をはじめ、全てがアンティ-クな雰囲気の中でくつろぎながら、店主が打つ田舎蕎麦を食べることができます。
蕎麦は幕別産の蕎麦粉「キタワセ」に、つなぎとして十勝産の小麦粉「ホクシン」を5%使用しいてる。蕎麦はコシがあり、香りがあり、旨い蕎麦です。天麩羅もカラッと揚がっていて旨かったです。蕎麦汁と天汁が別々になっていますが、蕎麦汁は甘みが少ない中にコクがあり、天汁も天麩羅の素材の良さを殺すことなく、私の好みでした。
店主は先に紹介した幕別町駒畠の「百姓庵」で修行した後、現地に店を構えました。
メニュ-には冷たい蕎麦9種類、温かい蕎麦11種類、一品料理があるが、珍しいことに、山形県に伝わる「板そば」があることです。私の知る範囲ではこの「板そば」を出しているのは前出の「百姓庵」だけでしたので尋ねたところ、大正庵と百姓庵の店主が板そばを研究し、器を共同で作り、お互いの店で提供することになったとのことです。
ト-タルで十勝管内でトップクラスの蕎麦店であることは間違いありません。
食前に出される酢大豆です。
店内から広い農村風景が一望できます。