道彦の散歩道

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10/22 「卵かけご飯」と「温泉卵」

2013年10月22日 | 食・レシピ

【卵かけご飯】

「卵かけご飯」は、飯に鶏卵を掛けた飯料理である。調味料として醤油などが使われる。卵を生のまま用いる。

『専用醤油と調味材』

卵かけご飯に最適化するように調味されており、醤油をベースに昆布や鰹節の旨味を加え、卵との調和を向上させるために甘味を加えた「卵かけご飯専用醤油」が開発され、2000年代以降に数十社から商品化・市販され、メーカーによっては「関東風」「関西風」など細分化されている。

■おたまはんー雲南市の吉田ふるさと村が開発、2002年発売
■たまごにかけるお醤油ー福山市の寺岡有機醸造が開発
■玉子かけご飯にかける醤油ー熊本市の濱田醤油が開発
■ヒゲタたまごかけご飯にどうぞー醤油メーカー大手のヒゲタ醤油が発売。

また、卵かけご飯に合うように、または独自の風味を出すように調合された調味材も存在している。

■卵かけご飯専用ふりかけ
■おうちで牛丼風たまごかけご飯ーブルドックソースが発売

『位置づけ』

「現在の料理として」

料理研究家・栗原はるみは、2004年の発刊した外国人向けの料理書「ジャパニーズ・クッキング」で、卵かけご飯を紹介している。
このように、調理を施すか、複雑な調理方法を用いるか否かによる「料理」の定義は定かではない。

2008年には、岡山県久米郡美咲町に、卵かけご飯を中心のメニューとした定食屋が開店した。美咲町は卵かけご飯を日本で最初に食べたとされる岸田吟香の出生地でもある。2009年10月10日には東京都日比谷の帝国ホテル前に卵かけご飯専門店が開店した。

200年代後半には、卵の生食習慣のない香港に向けて日本の食文化である「卵かけご飯」の市場開拓を目指す動きがあった。

生卵は冷凍保存できないことから長期間の保存が難しい。南極観測隊では補給物資として半年振りに振る舞われた生卵で卵かけご飯を作る隊員もいるという。

『歴史』

古来より日本人が食する動物性の食品は、魚介類が中心であった。仏教の不殺生戒の影響により、獣肉や鶏肉の摂取は稀であった。それでも鶏肉は獣肉比べればまだ食されていたが、鳥類が産んだ卵については長らく人間が食するものとは見なされなかった。神道に於いては神前への供え物とされたが、人間が食した場合は「罰があたる」と考えられた。

一般的に鶏卵を食べるようになったのは、江戸時代とされる。愛玩用に広く飼われるよううになったニワトリの産んだ卵(無精卵)が全く孵化しないことから、卵ま生物では無いという認識になり、卵を食する事がタブー視されなくなった。それにより採卵用にニワトリを飼う習慣が広まった。
しかしながら、それでも長きに渡って高価な食材であり、卵かけご飯のような簡便な料理に用いる事は考えられなかった。

近世に入った1877年頃、日本初の従軍記者として活躍し、その後も数々の先駆的な業績を残した岸田吟香が卵かけご飯を食べた日本で最初の人物とされ、周囲に卵かけご飯を勧めたという。

『卵の生食』

現代日本では、卵を生食できる食品として認識されているが、日本以外の国では、韓国の生卵と生肉、他の具材をかき混ぜる料理がある他は生食する食習慣は独特とされ、国外では薬用として卵が生食されている。
卵を食する場合は、完全に火を通した調理が一般的である。日本以外の文化圏で育った人にとって、生卵を食する習慣はカルチャーショックであり、時にはゲテモノ食いと映る可能性もある。
アメリカ映画の「ロッキー」では主人公が複数の生卵を飲み干すシーンがあるが、日本人と日本人以外では受け止め方が異なる可能性がある。
なお、フランスのミルクセーキ等のように、生卵を使った料理は世界各地に多数存在し、日本だけの食習慣ではない。「生卵をメインに使った料理」の存在が、日本独特のものである。

『サルモネラ菌』

元来生卵はサルモネラ食中毒を起こしやすく、安全に食べられる地域は日本など一部に限られている。日本国外では、卵の生食で食あたりする日本人が毎年発生する。生食を前提にしている日本では、鶏卵農家が卵の完全洗浄など衛生管理全般が行き届いているが、それでもサルモネラ食中毒が1990年代以降増加傾向にあり、一定の注意が必要である。

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【温泉卵】

「温泉卵」は、半熟卵の一種で、卵黄部分は半熟、卵白部分は半凝固状態に茹でた鶏卵。また、温泉の湯や蒸気を利用して、鶏卵を茹でたり蒸したゆで卵は、その状態にかかわらず温泉卵と呼ばれる。

『概要』

通常の半熟卵とは逆に、卵黄よりも卵白が柔らかい状態なのが特徴。これは卵黄の凝固温度(約70度)が卵白の凝固温度(約80度)より低い性質を利用して作られるもので、65度~68度程度の湯に30分程度浸けておくことで、この状態になる。

湧出する温泉の湯温がこの範囲に近い場合、これに漬けておくだけで出来ることから、温泉地の旅館などで食卓に提供されることが多く、「温泉卵」の名で呼ばれるようになったと思われる。

あらかじめ殻を割って器にとり、出汁と醤油を合わせた出汁醤油をかけて供されることが多い。また、麺類、丼物などのトッピングとしても利用される。生卵を含めた他の調理状態よりも消化吸収に優れている。

専用の「温泉卵製造器」が市販されているが、保温性のある発泡スチロール容器などを利用して作ることもできる。また、保温状態の炊飯ジャーを利用して水を使わずに作ることも可能である。また、電子レンジを使用した温泉卵製造器も存在しているが、再加熱するなど所定の使用法を行って不具合が発生する事例が報告されている。

卵の食中毒の原因となるサルモネアは70度以上では生存できず、62~65度で30分以内に死滅するので、温泉卵によって食中毒になる危険性は低い。

『温泉地の温泉卵』

鶏卵を温泉の湯で茹でたり蒸したりしたものはねその状態にかかわらず(半熟ではなくても)温泉卵と呼ばれる。多くの温泉地で、店頭などで温泉の蒸気や湯で調理する様子を実演しながら販売する温泉卵が名物になっている。強食塩泉の場合、卵自体に塩味が染み込んでいることも多い。

福島県福島市の飯坂温泉の「ラジウム卵」、湯村温泉の源泉「荒湯」で作る「荒湯温泉卵」、雲仙温泉の地獄谷の蒸気で作る「雲仙地獄たまご」、別府八湯で作る「地獄たまご」が有名であるが、北海道川湯の「硫黄山」の中腹の噴煙で作る「温泉卵」も有名である。

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