道彦の散歩道

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10/19 スープ料理(25)

2013年10月19日 | 食・レシピ

【フカヒレ】

「フカヒレ」は、大型サメのひれ(主に尾びれや背びれ部分)を乾燥させた中華料理の食材である。

『概要』

中国でフカヒレが食べられだしたのは明の時代と言われている。湖州料理など、中華料理の高級食材として利用される。解かれたフカヒレをスープの具として使う料理やヒレの形のままでじっくりと煮込む料理がある。
ジンベイザメ、ウバザメのものが最も高級とされ、アオザメ、イタチザメなどのものも高級である。一般的には、ヨシキリザメのものが使用されることが多い。

日本は世界有数のフカヒレ生産国であり、江戸時代にはナマコ、アワビと共に中国(明・清)へ輸出されていたが、近年ではシンガポールやインドネシアの生産量の方が高い。
日本では気仙沼の水揚げが最も多いが、この多くはマグロ延縄漁業の際に釣れたサメから捕られたものである。日本の気仙沼産が有名で且つ高級品として扱われるのは、加工技術が優れているためと言われる。
日本は世界有数のフカヒレ生産国ではあるが、最近では日本の漁船に従事する人にはフィリピン人やインドネシア人等が多くなり、彼らの国にも日本漁船が寄港する機会が増えた。この時に漁に従事したフィリピン人やインドネシア人が、フカヒレを持って下船する例が増えたために日本国内へ持ち帰られるフカヒレは以前よりかなり減ったと言われる。

『乾燥品の製法』

生のフカヒレを茹でるか鉄板で加熱してから、表面の鮫肌をブラシで擦り取り除く。油脂分を落として天日干しにして、乾燥品が完成する。皮付きのまま乾燥した加工品もある。

『調理法』

調理する際は、乾燥したフカヒレをまずネギやショウガとともに茹で、さらに蒸した上で皮を剥き、水にさらす。この下処理をしてから上手く煮込むと臭みが消え、軟骨魚特有の柔らかなゼラチン質の食感が楽しめる珍味となる。

『種類』

フカヒレは形状と大きさにより価格が大きく異なる。形状により味が異なるわけではないが、一般的には元のヒレの形を保ったフカヒレが高級品とされている。これは排翅の入手が困難である理由と、形状が保たれている排翅の方が加工済みの魚翅より品質を見極めやすい理由による。

■散翅ー最初からバラバラにほぐされたヒレ。缶詰やレトルトパックでも販売されており、一番安価で手頃に食べられる

■魚翅ー中国語でのフカヒレの総称。または手のひら程度の小振りなものや、一本一本バラバラにほぐれた散翅を指すこともある。基本的にスープとして提供される。主に胸ヒレが使われる。排翅と比べると値段は安い。

■排翅ー扇のような形状を保った丸ごとの大ぶりなヒレ。基本的に姿煮として提供される。主に背びれと尾びれが使われる。大きさ・形・厚さで値段が大きく変わる。

■天九翅ー最高級品。ジンベイザメとウバザメの背びれのみ天九翅になる。一本ずつ繊維がもやしより太い。ジンベイザメとウバザメは捕獲と取引が国際的に規制されているため、天九翅は稀少である。特に形の良い天九翅は、しばしば料理店の権威を現す店頭ディスプレーとして展示される。

『人口フカヒレ』

数百円程度の廉価で販売さされているフカヒレは、エイのヒレで代用したものや、春雨や湯葉を使って本物に似せた「人口フカヒレ」である。本場中国を謳う料理店の出す「姿煮」にも人口フカヒレが使われるケースがある。

中国・山東省では、工業用に皮をホルムアルデヒドで浸した偽フカヒレが摘発されたことがある。

サメの乱獲によるフカヒレの供給不足や中国におけるフカヒレの需要の増加などのため、天然フカヒレは価格が高騰しており、人口フカヒレの需要が日本でも本場中国でも高まっている。日本では豚のゼラチンなどを原料とした天然物に味や食感が非常に近い人口フカヒレの製造販売も行われている。

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【蛇スープ】

「蛇スープ」は、爬虫類の蛇スープ主な食材として使用したスープ。

『広東式』

中国料理の中でも特に広東料理は伝統的に蛇を食材として使用しており、 広州や香港には、蛇専門の食材店や料理店がある。

中国料理としての蛇スープは、一般的な中華スープ同様に、さらっとした湯(タン)と、とろっとした羹(カン)に大きく分かれる。広東の蛇スープも両方あるが、有名なのは「羹」の方であり、「蛇羹(ショーカン)と呼ばれる。冬眠前の蛇は脂が乗って美味しいと言われ、「蛇羹」を秋に食べると一冬風邪をひかないと言われている。
薬味として、菊の花びら、レモンの葉の細切り、小麦粉をこねて薄く揚げたホクチョイと呼ばれるクラッカーを加えて食べる。香港の蛇食材店の多くは市場にあり、店頭で気軽に「蛇羹」を食べられるようにしている。

■三蛇羹(三種類の蛇のとろみスープ)
広東料理の一つで、ヒメナンダ、コブラ、マルオアマガサの三種の蛇肉の細切りを、キクラゲ、シイタケ、ショウガ、鶏肉、豚肉などと共に煮込み、澱粉でとろみをつけたスープ。

■五蛇羹(五種類の蛇のとろみスープ)
広東料理の一つで、三蛇羹の食材の他に、ヒャッポダとホウシャナメラの二種の蛇肉を加えたもの。1904年に加拳で進士となった江孔殷は、役人となり江太史と呼ばれたが、グルメとしても有名で、江太史の屋敷で考案されたので、「
太史五蛇羹」とも呼ばれる。

『台湾式』

広東ほど有名ではないが、台湾でも各地に蛇スープを提供する店がある。台湾には広東料理店もあるが、台湾の蛇スープ専門店ではさらっとした透明スープの「湯」を出すのが普通である。中には臭み消しの細切りのショウガなどが入れてある。
味が出た後の肉には余り味がないが、タンパク源になるので、皿に出して、醤油を付けて食べる。店によっては、乾燥させて粉砕した蛇の粉末を販売しているが、これをスープに加えると旨味が増す。

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