【ブランパンシリーズ】
小麦の粒の外皮で製粉時に廃棄されやすい「ふすま(ブラン)」は、ミネラルや繊維成分が豊富で、しかも糖質が少ない。
健康志向の流れを先取り、コンビニ大手のローソンが製粉会社の鳥越製粉(福岡市)と二人三脚で製品化したのがふすまを生地に活用した「ブランパンシリーズ」だ。
しかし、2012年の発売当初は鳴かず飛ばず。パン生地に糖質の多い小麦粉を使わず、ふすまを中心にして低糖質に拘り過ぎたためだ。
仕掛け人でローソン商品・物流本部の鈴木氏すら「あまり、美味しくなかった」と振り返る。
それでもくじけなかった。
鳥越製粉が製法や配合バランスを見直し、今年5月20日から3代目のプランパンシリーズ8種を発売。国産米の外皮を新たに加えてコメ独特の食味を増し、口の中でほんのりと甘みも楽しめ、通常のパン並みのふっくら感を出した。
標準の「ブランパン2個入り」は既製のロールパンに比べ、糖質84%カットに成功。健康志向の女性やシニア層をはじめ、糖質を制限している人にも人気といい、販売2ヵ月で計画比5割増ペース。昨年の2代目シリーズより3倍以上も売れている。
機能性に食味も改善させたブラン生地はサンドイッチやスイーツにも利用され、クッキーやスナックなどの派生商品も登場。ローソンは、「肥満が社会問題となっている米国のハワイで展開したい」と話している。