一昨日の集会のとき、実は、空襲体験を聴く前に、ビデオ上映会がありました。
NHKスペシャル 『原発解体』 です。
ご覧になった方も多いでしょうが、私はまだ見ていませんでした。
本当に衝撃的でした。
もう、地震の確率や安全対策を議論してる場合ではない。
世界中の計画中、建設中の原発は、すぐに中止し、
稼働中の原発もなるべく早く停止すべきです。
なぜって?
事故が起こらなくても、寿命がきて廃炉になった原発そのものがとても危険だから、です。
原発を解体するのは、とても難しいようです。
なぜ解体できないのか?
それは、原発内部はあまりにも高濃度の放射能に汚染されているので人が入るのは危険。
それで、ロボットを使って作業しようとするのですが、
様々なデータ不足で、それもなかなかうまくいかないようです。
「解体をとくに考慮した設計は採用されていなかったのが実態です」
「解体については将来の技術開発において対応できる」
「今後技術開発をすることによって、十分な技術が確保できるという考え方のもとでやっていた」
ゾーっとするコメントでした。
超危険なものを造るのに、後のことは考えていない?
処分方法については、将来の人の技術にお任せ。
いつか、誰かがうまくやってくれるだろう…
そんな無責任な考えで、国も電力会社もやってきたということです。
脱原発の先進国ドイツでは、すでに原子炉の解体にとりかかっていますが、
原子炉の放射化(長い間核燃料から出る中性子線にさらされた結果、原子炉自らが放射線を出すようになる)によって、閉鎖から14年を過ぎても、強い放射線を出し続けています。
「これがまさに原子炉の難しいところです。表面の汚染しか取り除くことしか出来ません。原子炉そのものが放射化してしまうとどんな方法でも放射能を減らすことが出来ないのです」
解体には時間もコストもかかり、当初の900億円からおよそ1.5倍の1300億円にふくれあがっているらしい。
また、もっと深刻なのが、解体にともなって原発からでる大量の放射性廃棄物の問題です。
放射性廃棄物管理委員会のミハエル・サイラー委員長は言いました。
そもそも原発を使い始める時から処分場のことを考えるべきだったのです。
原発があるどの国でも放射性廃棄物は大量に生まれています。
そして、最終的な解決方法を見出した国は世界のどこにもありません。
私たちは解体や廃棄物の処理の問題にもっと注目すべきなのです。
原発解体で最も深刻な状況にあると言われているのがイギリスです。
25基は既に寿命を迎え閉鎖されましたが、その解体や廃棄物の処理に今後つぎ込まれる税金は約11兆円!
市民の間で問題意識が高まっています。
18年前に運転を中止したトロースフィニド原発では、発電所にある貯蔵施設には放射性廃棄物が入ったドラム缶が積みあげられていました。どこにも処分法がないからです。
そこでやむを得ず、発電所内にもう一つ貯蔵施設を作ることになりました。
建設費はおよそ30億円。全て国民の税金です。
「1960年代に原発を作ったときにはこんな施設が必要になるなんて思ってもいませんでした」
「廃棄物の処分場がないからこんな施設を作らないといけない」
と管理者は嘆いていました。
まるで、日本の近い未来絵をみているようでした。
玄海原発の施設内にも、あんな光景がそのうち出現するのかも・・
しかし、そんなイギリスでも、原発は未だに建設されています。
原発解体と原発建設が同時進行で進んでいる・・
人間って…愚かですね。
つい先日、自然エネルギーへのシフトに意欲を燃やしていた菅総理が、
昨日、オープン対話の中で、停止中の原発の再稼働を急ぎたいと話したという。。
あぁぁぁ・・
も~、さっぱりわからん!