ご存知の方も多いと思いますが、鎌仲ひとみ監督の最新作です。
鎌仲監督は、この映画を作った思いをこう語っています。
2011年3月に起きた東北大震災によって原発が4つも爆発してしまった、
その後の世界に私たちは生きている。
大量の放射性物質が放出され、広範囲に拡散したことは解っているが、
ではどれだけ出たのか実は正確な情報がない。
放射性物質は環境に溶け込み、生態系に入り込んだ。
呼吸や汚染された水・食品を通じて引き起こされる内部被ばくは、
この時代に生きる私たち全員の問題となった。
これからいったい何が起きるのか、正確に予測できる人は実はいない。
ただできることはありとあらゆる情報と可能性を吟味して、
「命」を守る努力をするということだ。
放射能は様々な局面で「命」の脅威となりえる。
私たちは生き抜かねばならない、
そのためのささやかな助けとなればとこの作品を作った。
監督は、チラシにもある4人の医師に、いつものように、
熱心に、でも気負わず、率直に、素朴に問いかけます。
専門分野も立場も違う医師たちが何を語ったか…
まだ観ていない方は是非、ご覧になって下さい。
そして、それをどう受け止めるか…
私は一月ほど前にこの映画を見ましたが、
児玉教授がおっしゃった 「お母さん革命」という言葉がとても心に残りました。
いま、原発の再稼動を阻止しようと(大飯原発3号機はすでに稼働してしまいましたが)、
毎週金曜日夕方から官邸前でデモ行動が行われていますが、
そこにも多くの若いお母さんたちの姿がありますね。
福島から経産省に抗議に行ったのも「お母さん」たちでした。
我が子の命を守りたいというのは、すべてのお母さんたちの本能であり、
その本能が、驚くほどの行動力を産み出しています。
そういえば、原水爆禁止世界大会が開かれるようになったのは、
普通の主婦たちが始めた署名活動がきっかけでしたね。
1954年3月の第五福竜丸の被爆事件を心から怒り悲しんだ東京都杉並区の主婦たちが、
原水爆禁止署名を呼びかけ、なんと3000万筆もの署名を集めたとか!
それを背景に55年8月6日、第1回 原水爆禁止世界大会が広島で開催された、
と聞いています。
今、フクシマのお母さんたちは、
どうしようもない厳しい現実の中で、子どもたちを守ろうとどんな行動をとっているか、
この映画の中でも、しっかりカメラは向けられています。
まだ、ご覧になっていない方、長崎県内にお住まいの方、
もしよかったら、観に行きませんか?
8月9日(木)、長崎原爆の日です。場所は東彼杵町総合会館…
鎌仲監督のお話も聴けますよ~