まだ行ったこと無いの?そら、行かんば!春が来んよ。
と、友人たちに言われ、何で~?と思いつつも、
夫を誘い、電車に乗って「あたご市」に出かけました。
「あたご市」とは、相浦にある愛宕神社の祭りで、植木や陶器、竹細工、などの店が並び、
相浦橋から海岸までの約1kmが歩行者天国となり、買い物客で賑わう。
との説明通り、道路の両脇にはテントや植木がズラリと並び、
うどん、ラーメン、たこ焼き、焼きそば、綿あめなどお馴染みの屋台だけでなく、
ナマコや牡蠣の生もの、イカやアゴの干物、すり身や練り物、新鮮野菜等々…
これぞ「ストリート マーケット」という感じで、小雨にもかかわらず、たくさんの人です。
手洗い場の水は、竜の涎??
約1kmの端から端を覗き終わった頃、雨もそろそろ本気で降りだしてきたので、
結局、食べ物ばかり買って、急ぎ足でUターン。
でも、ラッキーなことに、駅に着いてすぐに電車が来ました。
MR=松浦鉄道の電車。
車両が1両だけのかわいい電車です。
無人駅が多いので、バスのように車内に運賃箱が設置されていて、
運転手さんが、定期券や運賃などを確認していました。
私の前には、植木の袋を横に置いた女性が立っていて、(はは~ん、あたご市の帰りだな?)
と思いつつ、その植木に目をやると、とても可愛いネコヤナギ!
あのフワフワのふくらみが何とも可憐な赤っぽい色をしてるんです。
魅力的な色だなぁ・・・
隣の女性も、じ~っと見ています。
思いきって、「可愛いですね」と声をかけると、
「そうでしょう?アカメって言うそうです」
「赤いから赤芽?」
「そう。でも花は黄色らしいんですけどね」
へー、面白い!
(あとで調べたら、赤芽柳、別名「振袖柳」http://www.hana300.com/furiso.html)
2つ目の駅で席が空くと、その女性は、植木をそこに置いたまま、離れた席に座りました。
もう一人の女性と、二人で植木を守るように向かい合っておしゃべりしていましたが、
いくつめかの駅でその女性は降りてゆき、「赤芽」のそばには私一人。
トントンと誰かに肩をたたかれ、「席が空きましたよ」との声。
振り返ると、坊主頭の高校生が少し向こうを指さしています。
そして「どうぞ」とエスコートしようとするのです。
えー?私は、この植木の番をしてるのに…と思って、持ち主の方に目をやると、
にっこり笑って頷いています。
(どうぞ、彼について行って座って下さい)とでも言うように。
それで、素直について行くと、2つ分ほどの席が空いていました。
「ありがとう」と言って座ると、彼は友だちのいる方へ戻っていきました。
ん?私はそんなに老人に見られたんだろうか?
座った後でショックを受け、周りを見渡すと・・・
立っているのは「清峰」の文字が刺しゅうされたジャージ姿の高校生ばかり。
あとは皆、男も女も老いも若きも座っています。
しかも、私の横と、向こうにも1つ、2つ空席があるのに、彼らは立ったまま座ろうとしません。
昨今は車内の床に座り込む学生さえ多いというのに・・
佐世保中央でドドーっと人が降りても彼らは立ったままで、
そこから乗ってきた人が次々に座りました。
彼らは運動部の学生で、もしかしたら、体を鍛えるために、
「乗り物の中では立つように」と、監督や先輩から指導されているのかな?
でも、わざわざ「空いてますから、どうぞ」と声かけをするのは、鍛錬のためだけではありえない。
清峰高校と言えば、3年前春の甲子園で優勝した、あの高校だァ!
たしか、生徒も監督もすごく爽やかな印象だったっけ…
そぉか~、いい高校なんだな~(単純な私)
「あたご市」が終わると春が来るという言い伝え通り、私には一足早い春がやってきた気分。
愛宕神社の神様のご利益か…?