昨日の記事に対する異論をいただきました。
赤潮というのは赤色のプランクトンの異常発生の事。
諫早湾では干潟がなくなって、アサリとかが減ってバランスが崩れてというのが有力な説。
汚水の排水が原因というのはいかがなものか…と。
確かに感情的な書き方をしてしまって、説明の仕方がまずかったかもしれません。
赤潮というものをもう少しきちんと捉えて書くべきでした。
反省します。
そこで、赤潮について、私も少し調べてみました。
赤潮(あかしお)が、プランクトンの異常増殖によることはご存知の通りです。
では、なぜプランクトンが異常に増えるのか・・・
その主な原因は「富栄養化」と言われています。
富栄養化とは・・・栄養塩が増えること
栄養塩とは・・・海水中のリン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩、ケイ酸塩などの塩類のことで
プランクトンの餌となります。
そして、干潟に住むアサリなどの生物は、そこに棲む微生物やプランクトン等を餌として取り込み、
海洋への栄養塩や有機物の流入を食い止めるという、謂わば自然の浄化槽の役割を果たしてきたのです
が、干潟の減少により浄化作用が大幅に減少し、湾内の富栄養化が進行してしまうというわけです。
まさにご指摘の通りです。
しかし、それだけではなかったのです。
2002年6月19日(水)「しんぶん赤旗」には次のように書かれています。
諌早湾の調整池からの排水が有明海に予想以上の悪影響を与えていることがわかりました。
日本自然保護協会の程木義邦・保護担当研究員らの調査によると、
調整池から海域に排出されるCOD(化学的酸素要求量=有機物の汚染度の指標)排出量は
これまでの農水省の予測値の三倍にもなることが判明。
有明海の赤潮の増大、貧酸素水塊拡大の原因として注目されます。
程木研究員らが諌早湾内のCOD濃度と塩分濃度との関係を調べた結果、
調整池からの排水はCOD濃度が一五ppmと推定されました。
排水のCOD濃度に調整池からの年間総排水量を掛けるとCOD総量は
年間約六千トンにのぼります。
農水省はCODの年間排出量を約二千トン(環境影響評価に係わるレビュー)、
農水省の第三者委員会委員の試算では約三千トンと報告されているので、
程木研究員の算定値は、その二~三倍になります。
環境省の調査によると有明海全体の年間COD総量は三万六千五百トン。
このうち17%(六千トン)が調整池からのものということになります。
調整池からの排水量は有明海に流れこむ河川全体の水量の3%。
これに対しCOD総量が17%もあるのは、
調整池の排水がいかに有害な役割を果たしているかを示しています。
また、2007年09月の朝日新聞によると、
諫早湾北岸の長崎県諫早市小長井町で、養殖アサリが死滅する被害が起きている。
県総合水産試験場によると、有明海で8月上旬から発生した赤潮の影響で海水の酸素濃度が低下
したためとみられる。被害を受けた海域は諫早湾干拓事業で建設された潮受け堤防に近い。
「堤防で潮流が弱まり、赤潮の被害も大きくなった」との指摘もある。地元の漁業者からは
「天災ではなく人災だ」との声が上がっている。
沿岸に赤潮が広がったのは8月上旬。定置網のコノシロは全滅。
被害が深刻だったのは沿岸一帯に広がる養殖アサリ。
長崎県が8月26日に小長井町沿岸の12カ所を調査したところ、3カ所で全滅し、
全体では4割が死んでいたという。小長井町は、潮受け堤防の東側。
堤防の内側にある調整池から、淡水を定期的に排出する北部排水門の目の前だ。
地元漁業者の話では、例年夏場に淡水が排水された後に赤潮が発生し、アサリが死ぬことがある
が、これほどの被害は初めてという。
同漁協理事の松永秀則さんは「この夏は水温が高く赤潮が発生しやすい状態だったのに
排水を繰り返したため、被害が大きくなったのでは。しかも堤防が出来てからは潮流が弱くなり、
汚れた水が消えてくれなくなっている」と語る。
長崎大学環境科学部の姫野順一教授は「調整池から排出される汚れた水が海のバランスを崩し、
特に排水門近くのアサリ漁場に大きな影響を与えたのではないか」と指摘する。
一方、県は干拓事業との関連について、赤潮発生のメカニズムが解明されておらず、
直接の原因とは断定できないとしている。
このように、専門家の話や当事者である漁民の話を聞く限り、
調整池の排水は赤潮の原因であると思われます。
しかし、県の方は、赤潮と排水の因果関係は解明できてないとして、その解釈を否定しています。
ということは、おそらく、関係ないと結論付けている学者もいるからでしょう。
しかし、「疑わしきは罰し」て、その疑われている問題を取り除いてみるべきでしょう。
その結果、改善されればそれでよし、
改善されなければ、それは白として、別の原因を探せば良いのです。
疑わしきをそのままにしてきた結果、いかに多くの公害病患者が生まれたことか…。
私たちは学んできたはずです。
有明海の生き物たちが死んでいっているのです。
ノリが育たなくなっているのです。
長崎県は真摯に漁民の声に耳を傾けるべきではないでしょうか。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0085.gif)
赤潮というのは赤色のプランクトンの異常発生の事。
諫早湾では干潟がなくなって、アサリとかが減ってバランスが崩れてというのが有力な説。
汚水の排水が原因というのはいかがなものか…と。
確かに感情的な書き方をしてしまって、説明の仕方がまずかったかもしれません。
赤潮というものをもう少しきちんと捉えて書くべきでした。
反省します。
そこで、赤潮について、私も少し調べてみました。
赤潮(あかしお)が、プランクトンの異常増殖によることはご存知の通りです。
では、なぜプランクトンが異常に増えるのか・・・
その主な原因は「富栄養化」と言われています。
富栄養化とは・・・栄養塩が増えること
栄養塩とは・・・海水中のリン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩、ケイ酸塩などの塩類のことで
プランクトンの餌となります。
そして、干潟に住むアサリなどの生物は、そこに棲む微生物やプランクトン等を餌として取り込み、
海洋への栄養塩や有機物の流入を食い止めるという、謂わば自然の浄化槽の役割を果たしてきたのです
が、干潟の減少により浄化作用が大幅に減少し、湾内の富栄養化が進行してしまうというわけです。
まさにご指摘の通りです。
しかし、それだけではなかったのです。
2002年6月19日(水)「しんぶん赤旗」には次のように書かれています。
諌早湾の調整池からの排水が有明海に予想以上の悪影響を与えていることがわかりました。
日本自然保護協会の程木義邦・保護担当研究員らの調査によると、
調整池から海域に排出されるCOD(化学的酸素要求量=有機物の汚染度の指標)排出量は
これまでの農水省の予測値の三倍にもなることが判明。
有明海の赤潮の増大、貧酸素水塊拡大の原因として注目されます。
程木研究員らが諌早湾内のCOD濃度と塩分濃度との関係を調べた結果、
調整池からの排水はCOD濃度が一五ppmと推定されました。
排水のCOD濃度に調整池からの年間総排水量を掛けるとCOD総量は
年間約六千トンにのぼります。
農水省はCODの年間排出量を約二千トン(環境影響評価に係わるレビュー)、
農水省の第三者委員会委員の試算では約三千トンと報告されているので、
程木研究員の算定値は、その二~三倍になります。
環境省の調査によると有明海全体の年間COD総量は三万六千五百トン。
このうち17%(六千トン)が調整池からのものということになります。
調整池からの排水量は有明海に流れこむ河川全体の水量の3%。
これに対しCOD総量が17%もあるのは、
調整池の排水がいかに有害な役割を果たしているかを示しています。
また、2007年09月の朝日新聞によると、
諫早湾北岸の長崎県諫早市小長井町で、養殖アサリが死滅する被害が起きている。
県総合水産試験場によると、有明海で8月上旬から発生した赤潮の影響で海水の酸素濃度が低下
したためとみられる。被害を受けた海域は諫早湾干拓事業で建設された潮受け堤防に近い。
「堤防で潮流が弱まり、赤潮の被害も大きくなった」との指摘もある。地元の漁業者からは
「天災ではなく人災だ」との声が上がっている。
沿岸に赤潮が広がったのは8月上旬。定置網のコノシロは全滅。
被害が深刻だったのは沿岸一帯に広がる養殖アサリ。
長崎県が8月26日に小長井町沿岸の12カ所を調査したところ、3カ所で全滅し、
全体では4割が死んでいたという。小長井町は、潮受け堤防の東側。
堤防の内側にある調整池から、淡水を定期的に排出する北部排水門の目の前だ。
地元漁業者の話では、例年夏場に淡水が排水された後に赤潮が発生し、アサリが死ぬことがある
が、これほどの被害は初めてという。
同漁協理事の松永秀則さんは「この夏は水温が高く赤潮が発生しやすい状態だったのに
排水を繰り返したため、被害が大きくなったのでは。しかも堤防が出来てからは潮流が弱くなり、
汚れた水が消えてくれなくなっている」と語る。
長崎大学環境科学部の姫野順一教授は「調整池から排出される汚れた水が海のバランスを崩し、
特に排水門近くのアサリ漁場に大きな影響を与えたのではないか」と指摘する。
一方、県は干拓事業との関連について、赤潮発生のメカニズムが解明されておらず、
直接の原因とは断定できないとしている。
このように、専門家の話や当事者である漁民の話を聞く限り、
調整池の排水は赤潮の原因であると思われます。
しかし、県の方は、赤潮と排水の因果関係は解明できてないとして、その解釈を否定しています。
ということは、おそらく、関係ないと結論付けている学者もいるからでしょう。
しかし、「疑わしきは罰し」て、その疑われている問題を取り除いてみるべきでしょう。
その結果、改善されればそれでよし、
改善されなければ、それは白として、別の原因を探せば良いのです。
疑わしきをそのままにしてきた結果、いかに多くの公害病患者が生まれたことか…。
私たちは学んできたはずです。
有明海の生き物たちが死んでいっているのです。
ノリが育たなくなっているのです。
長崎県は真摯に漁民の声に耳を傾けるべきではないでしょうか。
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