佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

もう我慢の限界!

2010-10-03 | 有明海・諫早干拓

10月3日、「即時開門を実現する総決起集会」が長崎市で開催されました。

「10月4日、よみがえれ!有明訴訟『小長井・大浦開門請求』の結審に向けて、
この訴訟を支援する全国の仲間が集まります。「石木川まもり隊」からも是非!」
と頼まれ、仲間に声をかけましたが、皆忙しい人ばかり。
佐世保からは私1人の参加となりました。

前々日、3分程度のメッセージをお願いしますと頼まれ、軽い気持ちでお受けしたのは、
無知なるがゆえ・・・

行ってみると・・
韓国からのナクトンガン弁護団のイ・ジョンイル弁護士をはじめ、
全国公害弁護団連絡会議事務局長、
公害・地球環境問題懇談会理事、
川辺川訴訟弁護団事務局長、
ノーモア・ミナマタ国家賠償等訴訟弁護団団長などなど、そうそうたる先生方のお話が続き、

えーっ!聞いてないよー!と、一時は青くなりましたが、
9番目に壇上に立ったときには、もう居直るしかないと・・・

3分の予定が5分に延びたので、
用意してきたチラシを使って佐世保市の水事情の実態を伝え、
一市民として、ムダな公共事業はしてほしくないこと、
ムダかどうかを市民が判断するためには正しい情報が必要で、
その情報の獲得と発信のために仲間と頑張っていること、などを伝えました。
(集会の後、「チラシまだありませんかと何人もの人にきかれましたよ」と受付の人に言われ

その後、「よみがえれ!有明訴訟」弁護団長の馬奈木氏からの報告、
漁民の決意表明(2人)、支援する会決意表明(4人)と続き、
最後に決議文が採択されました。

 

参加者の皆さんのお話はどれも「そうだ、そうだ」と相槌をうちたくなるものばかり…

川辺川訴訟の板井弁護士
ダムというのは、政・財・官が癒着して、住民の意思を無視して造るもの。時間と空間を超えて、すべての住民が団結することが大事。また、情報を共有し、自分たち自身が公共事業を選択していくことを目指すべき。

全国公害弁護団連絡会の中杉弁護士
開門は決して農民に被害を与えるものではない。農民と漁民を対立の構図に持っていき、
国は第三者のような顔をしている。それが彼らのやり方。

公害・地球環境問題懇談会の橋本理事
毎年3万~4万の種が絶滅している。その危機から生物や環境を守ろうとする条約締結に向けた会議COP10がまもなく日本で開かれる。 
日本はその議長国として恥ずかしくない判決を下さねばならない。

よみがえれ!有明訴訟弁護団団長の馬奈木弁護士
勝つまで闘えば、ぜったい負けない。

原告漁民:小長井漁協の松永さん
漁業不振の原因は諫早干拓であることは漁民として自信を持って言える。
これを否定する長崎県や諫早市は腐りきっている。
国は地元の反対がなければ開門すると言っている。
長崎は、佐賀、福岡、熊本に大きな迷惑をかけている。
長崎県民として申し訳なく恥ずかしい。

原告漁民:大浦の平方さん
今年はと期待したタイラギが全滅だ。漁民は皆たいへん落胆している。
貝も魚も有明海の再生を願っている。
その貝や魚を捕る漁民も有明海の再生を願っている。

ナクトンガン(韓国四大河川事業訴訟の一つ)弁護団のイ・ジョンイル弁護士
イサハヤはセマングンのモデルになっている。干潟が無くなり干拓地になった。
イサハヤの水門が開けば、セマングンにも大きな影響を与える。

イ弁護士によると、四大河川とは、ハンガン、クンガン、ヨンサンガン、ナクトンガンで、
この4つの川に16のダムを造る河川事業に反対する訴訟に、1万人以上が参加している。

この事業には4つの目的があると国は言う。
① 水質の改善
② 洪水を防ぐ
③ 水不足の解消
④ 地域経済の活性化

それに私たちは反論している。
① ダムを造ればかえって水質の悪化を招く。イサハヤのようにアオコが発生するかも。
② 実際に洪水が起きているのはこれらの川の支流なので、この川に造っても意味がない。
③ 12億トンもの水が確保できると言っているが、水不足の地域はこの大河から離れた山間地。
④ 34万人の雇用を生むと言っていたが、機械化が進み、人ではそれほど要らない。
  今現在1000人の雇用も創られていない。

 

私たちは有明海訴訟の成り行きを注視している。

それは、日本の判決が韓国の河川事業のこれからにも大きく影響するからだ。

日本と韓国は連帯することが必要だ。

シベリアから日本にやってくるナベヅルやマナヅルは、
韓国のナクトンガンの浅瀬で一休みして、九州へ向かう。

ダムを造るとツルが休む場所がなくなり、日本に来れなくなるだろう。

 

このお話は、私にはとても印象的でした。

いま練習している組曲「干潟の海の詩」の中の「旅鳥の歌」の歌詞が、
すぐに連想されました。

 

    季節の風を 翼に受けて 空高く列をなす 旅鳥の群れ

    はるかの国から 幾千里海を越え 干潟のほとりに 舞い降りる水鳥


      ひび割れた干潟に 海の鼓動は 聞こえない

      閉ざされた干潟には 潮の香りも 届かない

      そこは灰色の冷たい世界 世界 


    季節の風を 翼に受けて はるかの国への 旅立ちの時

    空高く列を成し 別れに声もなく 干潟を去りゆく 旅鳥の群れ

    ああ・・・

 

何度も歌いながら、その旅鳥がどこから来てどこへ行くのか、考えてもみなかった私。

その無関心さを恥ずかしいと思うけれど、

でも、そのことに今日気づくことができてよかった・・

 

明日の「小長井・大浦開門請求訴訟」第16回裁判=結審を聞きに行けないのは残念だけど、

5人の方の最終陳述が、裁判官の心に届きますよう切に祈っています。

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