貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

伊賀市ふるさと芭蕉の森公園4 行く秋と此の秋 老いの寂しさ!

2023-12-15 10:34:06 | 日記
令和5年12月15日(金)
 5基目の句碑は、
「行秋や 
  手をひろげたる
    栗のいが」 

 元禄7年。伊賀での作。
「人々にわかれて、
 山路を行くと、
 栗の木の梢に手をひろげた
 ような栗の毬(いが)が
 いくつも残っていて、
 あたかも握った掌をひろげて
 行く秋を呼び返そうとする
 如くに見える」
の意。

 こっそり抜け出さねばならぬほど
熱心にとどめる伊賀の門人衆に
対する惜別の情を託している。
 6基目の芭蕉句碑の句は、
「此秋は 
   何で年よる 
     雲に鳥」

 元禄7年。
「此秋はいかなる事の心に
 かなはざるにかあらん。
 伊賀を出て後は、明暮に
 なやみ申れしが…。」
     (笈日記))
とある如く、
死を前にして、めっきりと
老をかんじたのである。
 どうして今年はこんなに
老のさびしさが しみじみと
身にしみるのか。
 空を仰げば、
雲の中に消えて行く鳥が見える。
 思えばあの鳥の如く
漂泊の旅を重ねて来た自分の一生
であったの意。
 <その説明>