キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

こまった鳥の木

2013-08-26 11:08:26 | 絵本
Tree of Birds
Susan Meddaugh
Houghton Mifflin (Juv)

              近所の図書館の片隅に、リサイクル本というコーナーがあって、ダン

              ボールの箱に種々雑多な本が詰め込まれ「ご自由にお持ちください」

              と書かれています。時々おやっと思うような良い本があるんです。

              この本もそう。邦訳の題名を「こまった鳥の木」というユーモラスな

              絵本です。まさに掘り出し物でした。
      
              

              ある日ハリーは交通事故にあった鳥を家に連れて帰り、看病します。

              サリーと名づけたその鳥は、鳥類図鑑で調べると「グリーン・タフト・

              トロピカル」という渡り鳥のようです。

              

              秋になって、木の葉が落ち始めたのに、一本の木だけ緑色です。

              サリーの仲間がサリーを連れ戻そうやってきたようです。ハリー

              が学校へ行くと、鳥たちもついてきます。一日中ハリーの家を監

              視しています。

              

              だんだん寒くなってきて、冷たい雨が降っても、鳥たちは我慢強く

              ハリーの家を見張っています。もうそろそろ南に飛んで行かないと。

              

              とうとう「明日は大雪、大型の冬の嵐が接近中」と言う天気予報が。

              緑色の鳥たちは凍えて青くなりました。それでも飛んでいこうとし

              ません。「わかったよ、負けたよ。サリーを返してやるよ」と窓を

              開けた途端、

              

              「うわあ、みんな入ってきちゃった!」

              

              ヒッチコックの「鳥」のほのぼの絵本版とでもいいましょうか?

              いい子いい子の絵本じゃなくて、ちょっとひねったユーモアが良

              い味です。ハリーを非難するように見つめるグリーン・タフト・

              トロピカルたちの表情が笑えます。         

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