Tree of Birds | |
Susan Meddaugh | |
Houghton Mifflin (Juv) |
近所の図書館の片隅に、リサイクル本というコーナーがあって、ダン
ボールの箱に種々雑多な本が詰め込まれ「ご自由にお持ちください」
と書かれています。時々おやっと思うような良い本があるんです。
この本もそう。邦訳の題名を「こまった鳥の木」というユーモラスな
絵本です。まさに掘り出し物でした。
ある日ハリーは交通事故にあった鳥を家に連れて帰り、看病します。
サリーと名づけたその鳥は、鳥類図鑑で調べると「グリーン・タフト・
トロピカル」という渡り鳥のようです。
秋になって、木の葉が落ち始めたのに、一本の木だけ緑色です。
サリーの仲間がサリーを連れ戻そうやってきたようです。ハリー
が学校へ行くと、鳥たちもついてきます。一日中ハリーの家を監
視しています。
だんだん寒くなってきて、冷たい雨が降っても、鳥たちは我慢強く
ハリーの家を見張っています。もうそろそろ南に飛んで行かないと。
とうとう「明日は大雪、大型の冬の嵐が接近中」と言う天気予報が。
緑色の鳥たちは凍えて青くなりました。それでも飛んでいこうとし
ません。「わかったよ、負けたよ。サリーを返してやるよ」と窓を
開けた途端、
「うわあ、みんな入ってきちゃった!」
ヒッチコックの「鳥」のほのぼの絵本版とでもいいましょうか?
いい子いい子の絵本じゃなくて、ちょっとひねったユーモアが良
い味です。ハリーを非難するように見つめるグリーン・タフト・
トロピカルたちの表情が笑えます。
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