ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

カーペンターズ (Carpenters)

2008年04月15日 | ミュージシャン
 

 ふと気づくと昨日もカーペンターズを聴いていました。
 とりわけ好きなのは、
 「愛にさよならを」(Goodbye To Love)
 「スウィート スマイル」(Sweet, Sweet Smile)
 「青春の輝き」(I Need To Be In Love)
などなんですが、じゃあそれ以外の曲はどうか、というと、当然「好き」というほかはないのです。


【カーペンターズ・マイ・ベスト20】
⑳恋よさようなら
⑲ジャンバラヤ
⑱プリーズ・ミスター・ポストマン
⑰シング
⑯ア・ソング・フォー・ユー
⑮ハーティング・イーチ・アザー
⑭オンリー・イエスタデイ
⑬ふたりの誓い
⑫愛は夢の中に
⑪小さな愛の願い
⑩見つめあう恋
⑨スウィート・スマイル
⑧雨の日と月曜日は
⑦スーパースター
⑥青春の輝き
⑤トップ・オブ・ザ・ワールド
④愛のプレリュード
③愛にさようならを
②遥かなる影
①イエスタデイ・ワンス・モア


 1970年代のカーペンターズの人気はたいへんなもので、日本でも本国以上に愛されていました。でも、ぼくが彼らの音楽を心から愛聴するようになったのは、実はこの10年足らずのことなのです。
 もちろんこれだけの有名なグループですから、ローティーンの頃から聴いてはいました。とくに、「プリーズ ミスター ポストマン」はカーペンターズのアレンジで知って、ビートルズのものと並んでとても好きになったのを覚えています。


     


 でも、あくまでヒット・ソングの羅列として聴いていただけで、特別な思い入れもありませんでした。単純に「メロディーはキレイだけど、ちと物足らないなぁ」程度の認識だったのでしょうね。それにその頃のぼくは小生意気な「ロック小僧」だったので、こういうソフトな感じのポップスを軽視していたことも否定できません。
 レッド・ツェッペリンのドラマーのジョン・ボーナムがあるインタビューで、「(ある雑誌の人気投票では)カレン・カーペンターより上にいきたいもんだぜ!」なんて皮肉まじりに答えていたのを面白がっていたことを思い出します。
 自分では、例えば、近所の、二、三歳年上のオネーサンが好んで聴いているような、そんなイメージを持っていたようです。実際ぼくの周りの、ぼくより少し年上の女性たちは、よくカーペンターズを聴いてたみたいですし。


 そうこうしているうちに、ぼくは「ロック小僧」から「ロック通を気取った小僧」となってゆきます。そしていつしかジャズに浸るようになり、一時は、「難解な音楽=高尚」、というハナハダしい勘違いに陥ったりもしてました。


 ところが、あるステージでカーペンターズの曲を取り上げることがあり、そのため必要に迫られて、改めて彼らのサウンドを聴きこんでみたのですが、


       驚きました。


 ちょっと小難しいことを言わせて頂ければ、サウンドの構築が実に緻密なんですね。緻密といっても、音を詰め込みすぎているわけじゃないんです。そして非常に美しい。アレンジャーでもあるリチャードの音楽的素養の深さ・幅広さが垣間見えるような気がしました。
 テクニック的にもかなりなもので、とくにぼくのパートであるベースは、非常に高度なことをさらりとやってのけているではないですか。


 またカレンの歌声の心地よいこと。とくにバラードを歌っている時のカレンは、1970年代以降に登場したシンガーの中でもひときわ優れていると思います。
 そして彼女のドラム。これは冷ややかに受け止めている人もいるようですが、ぼくはそうは思わない。テクニックを繰り出すタイプではないにしろ、本質的には彼女のドラムは彼女の歌と同じだと言えるのではないでしょうか。つまり、楽器を歌わせることにたけているドラマーだと思うのです。


 もう、自分の不明を恥じるとともに、彼らの素晴らしさに素直に感動したわけであります。
 今では、ぼくはカーペンターズの曲をアレンジのお手本としているくらいなのです。


     


 彼らの偉大さを遅れて気づいたぼくは、そのぶん深みにはまっているような気がします。いちファンとしては、彼らの音楽を素直に楽しみ、またミュージシャンとしては、彼らの音からいろいろなことを教わっています。
 いずれにしろ、今のぼくにとっては、カーペンターズは「なくてはならない存在」になっているのです。


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コメント (24)
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