ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

毎日1枚、自分に影響があったアルバムをご紹介するプロジェクト 【4】

2020年06月17日 | 随想録

【Live Information】


★毎日1枚、自分に影響があったアルバムをご紹介するプロジェクト★
 
 
【4】 ウェザー・リポート 「8:30」

 
 ベースの使命といえば、ひとつは「グルーブすること」です。
 ところが、この「グルーブ」というヤツが曖昧模糊としていて、まるで雲をつかむような話で、かつてはずいぶん悩まされたものでした。(では今はちゃんと出せているかというと・・・汗)


 リズム譜どおりに弾けばグルーブするというわけでもなかったし(当時はニュアンスとか歌い方という意識があまり頭になかったのです汗)、小言をくださる方々はいわゆる「何かを上から言いたい・教えたい」タイプばかりで、結果論のダメ出しはすれど建設的アドバイスなんてされたことがなかったですね。そればかりか今になって思えば「?」な知識を吹き込むもんだから、こんがらがるばかり、時には逆ギレしそうになったことも。。。
 
 
 ロックではジャック・ブルースとかティム・ボガート、あるいはピーター・セテラ(シカゴ)やジョン・エントウィッスル(ザ・フー)、メル・サッチャー(グランド・ファンク・レイルロード)などの、派手だったり音数が多かったりするタイプのベーシストが好きでした。
 でも、ロックの感覚のままでジャズを弾いても、当たり前ですが、全然ダメでした。
 まあ弾きまくっていれば誰かが「すごいね」「変わったタイプだね」と持ち上げてくれるので、目立てば満足だったぼくは、そういったことで弾けた気になっていました。
 
 
 8ビート系、16ビート系、ファンク系ではっきり「これがグルーブなのか!」とグルーブ感というものをわかりやすく教えてくれ、ぼくのグルーブに対する意識を変えてくれたのは、ジャコ・パストリアスです。
 グルーブって、生き物だし、歌なんだ!と思いました。
 ジャコのプレイといえば、ご多分にもれず「チキン」。
 「チキン」を聴きたいがために「バースデイ・コンサート」はよく聴きました。ピーター・アースキンとのコンビネーションの素晴らしさはタメイキものです。
 また、ジョニ・ミッチェルのライブ「シャドウズ・アンド・ライト」の中に収められている有名なジャコのベース・ソロにも衝撃を受けましたが、ジャコのグルーブを存分に味わいたいときは、ぼくとしてはなんといってもウェザー・リポートのライブ・アルバム「8:30」ですね。まさに強力なグルーブの洪水です。勝手に腰がうねってしまうんです。
 ブライトで粒だちのはっきりした音色で繰り出すフレーズの数々は、まさに「ベースを歌わせている」ジャコならではの音楽です。
 
 
 それからは、エイブラハム・ラボリエル、ウィリー・ウィークス、チャック・レイニーなどのベーシストの演奏にも惹かれるようになりました。
 ジャコをはじめとした彼ら(いわゆるグルーブ・マスター)の演奏には、今だに目も耳も釘付けです。


コメント
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