ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ポール・マッカートニー死亡説

2006年04月30日 | ネタをたずねて三千里
 
 この間、ある若い(20代前半)知り合いと話をしていました。彼も音楽好き・ビートルズ好きなので、話は自然そっちの方へ流れていきました。
 そのうち、「ビートルズは音楽以外にもいろんな話題をふりまいた」という話題になったので、ぼくは「そういえば『ポール死亡説』なんてのもあったよな~」と話をふったのです。すると彼は目丸くして、「え? ポール死亡説!? なんなんですかそれは(゜Д゜;) 」という思わぬ反応を見せたんですよ。
 ビートルズ・マニアにとっては有名な「ポール死亡説」を知らない世代もいるのは、ぼくにとっては「ポール死亡説」よりもオドロキだったりするんですが、ぼくも年を取ったってことなんでしょうね。(^^;)


 「ポール死亡説」、あるいは「ポール替え玉説」は、1969年にアルバム「アビイ・ロード」が発表された直後から流れました。これは、「ポールは1967年1月に自動車事故で死んでおり、今のポールは替え玉である」というものです。
 根拠とされたのは、4枚のアルバムの以下のような例です。


■「アビイ・ロード」に関して
☆ジャケット写真に写っているフォルクスワーゲンのプレート・ナンバー「28IF」は、「もし(If)ポールが生きていれば28歳だ」という意味。(実際は27歳)
☆ジャケット写真の、横断歩道を渡るビートルズの4人は葬式の行列を意味し、ジョンは牧師、ジョージは墓堀り人夫、リンゴは葬儀屋、ポールは死者(服装がそれを物語っている)。その証拠に、ポールだけ素足で目をつぶっている。またポールは左ききなのに、右手でタバコを持っているのも不可解。
☆裏ジャケットの「BEATLES」の文字の最後の「S」がひび割れている。
☆収録曲「カム・トゥゲザー」で、ビートルズは4人なのに、ジョンが「1足す1足す1は3」と歌っている。


■「ザ・ビートルズ」に関して
☆収録曲「アイム・ソー・タイアード」のエンディング部分のつぶやき声をテープで逆回転させて聞いてみると「ポールは死んだ。悲しいことだ」と聞こえる。
☆収録曲「レヴォリューション♯9」をテープで逆回転させて聞くと、「助けてくれ、助けてくれ」と言っているのが聞こえる。マッカートニーのつづりが9文字だから、この曲はポールのことを歌ったもの。


■「マジカル・ミステリー・ツアー」に関して
☆ジャケット写真でポールが黒のコスチュームを着ているのは「死」を意味する。
☆見開きジャケット内部に、ポールが黒バラを胸につけている写真があるが、これも「死」を意味する。
☆同じくジャケット内部で、ポールが警官に扮して座っているが、机の名札立ては「I WAS」と過去形になっている。
☆収録曲「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」のエンディング部分をテープで逆回転させると、ジョンの「ポールを埋葬した」という声が聞こえる。


■「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に関して
☆ジャケット写真でポールの頭上には手がかざされているが、これは東洋では「死」を表す。
☆ジャケット写真に、花で形づくられたベース・ギターがまつられている。
☆裏のジャケット写真ではポールだけが背中を向けている。(実際、この撮影にはポールは参加できなかったので、スタッフが衣装を着けて後ろ向きに立った)
☆収録曲「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」は、交通事故で死んだポールが題材。
☆見開きジャケット内側のポールの写真の左腕に「OPD」という刺繍入りのバッジがあるが、これは「公式宣告死(Officially Pronounced Dead)の略。

*     *     *     *     *     *     *

 さて、「死亡説」を知ったポールの反応は、というと、
 アップル・オフィスから「ポール、たいへんだ、君は死んでいるぞ!」という電話に、「それには同意できないな」と答えたそうです。
 この時同じ内容の連絡を受けたリンゴ・スターの答えは、「まだ葬式の案内状が来てないんだけど」というスッとぼけたものでした。リンゴらしい答えですね。
 ポールはこのあと、連日連夜にわたって世界中のマスコミから取材攻勢を受けたのですが、しまいには閉口して、「ぼくは死んでいない。死んだはずの本人が言っているのだから間違いない」という声明を発表しています。


     


 「ポール死亡説」は、デトロイトのFM局に「ポールは何年か前に死んでいる。だからここ数年ビートルズはコンサートを行っていないのだ」という電話があったのが発端だそうです。電話の主は「はっきりした証拠は、『アビー・ロード』のアルバム写真を見れば分かる。また、『ストロベリー・フィールズ』のエンディングをテープに録って逆回転させて聞けばわかる」ともつけ加えたそうです。
 そのほか、ウィリアム・キャンベルという俳優は、ポールそっくりに整形手術までしてきました。目的は、ポールの代役を務め、ビートルズの解散を防ぐため、ということだったそうです。
 実際はレコーディングなどがひと段落ついて、ポールがメディアの前に姿を見せなくなったことから、噂が一人歩きしてしまっただけのことなんですけどね。


 ・・・以上、今読んでみると、はなはだしいこじつけばかりで、笑えます。
 そういえば日本でも、「ドラえもん」の最終回についてまことしやかな噂が広まったり、「大黒摩季3人説」が流れたりしましたね。
 風説流布や都市伝説って一度火がつくと一気に広がるものだ、というのは洋の東西を問わず、同じなのでしょう。


 実は、現在も依然として「ポール死亡説は事実だ」と主張する人がいます。
 このサイトによると、「ポールは66年9月にフランス北部で死亡し、それ以降はビリー・シアーズ(スタッフだったニール・アスピノールのこと)という人物が、彼の人生のすべてを費やして替え玉を演じている」「67年は、66年に比べて5cmほど身長が高くなり、目の色もダークへーゼルからグリーンに変わっている」「66年までのポールの目と目の間隔は今よりもっと開いていた」そうです。
 うーん、この話、まず「ポールの死」ありきで、その前提に執着しすぎのような気がするな~。いくらなんでもしつこすぎない?(;^ω^)


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コメント (4)
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