ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ジャニス・ジョプリン

2005年05月28日 | ミュージシャン


 この先も音楽の歴史に燦然と輝き続ける数多の偉大なシンガー、名ボーカリストの中から「ひとりあげろ」と言われたら、ぼくはほとんど悩むことなく彼女を選ぶだろう。
 まさに「ブルースを歌うために生まれてきた女性」。


 最初に聴いた彼女の歌はアルバム「チープ・スリル」に入っていた「サマータイム」だったな~。
 最初の一節を聴いただけで見事にKOされてしまった。
 彼女の持つものすごいパワーとエネルギーの虜になるのにたいして時間はかからなかったな。





 ジャニスが歌う歌の中で特に好きなものは、
 今ではハード・ロックの古典ともいえる「ムーヴ・オーヴァー」をはじめ、

 「コズミック・ブルース」
 「寂しく待つ私」
 「トライ」
 「心のかけら」

 などなどだろうか。


 そのほか、「ワン・グッド・マン」のギター・ソロにもハマッたが、それがマイク・ブルームフィールドによるものだと知ったのはもう少し後のことだったように思う。





 ハスキーな歌声。
 絞り出すような歌いっぷり。
 歌い始めるとすぐに周りの空気を変えてしまう、とてつもない存在感。
 歌っている時の、セクシーでさえある豊かな表情。
 憂いだけでなく、豪快でエネルギッシュで、哀しみをもたたえた表現力。
 彼女の歌は、ぼくの心をとらえたまま決して離さない。


 ジャニスは、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーに加わってからの1960年代後半を駆け抜けた。
 そして1960年代が終わると間もなく、わずか27歳でこの世を去ってしまった。
 人生最後の何年間かは、おそらく100年後も熱く語られるであろう濃密な時間だったことは万人が認めるところ。
 その光り輝いた短い時間と、ジャニスに長い時間まとわりついたままついに消えることがなかった孤独感のコントラストが、悲しくもあり、人間くさくもあり、清純ささえ感じられる。



 

 豊中市在住で、あまりにも強烈なブルース歌手・小林万里子さんとお会いする機会がかつてあったんですが、ジャニス話で盛り上がった時は、なんか同志を得たような気分になったもんです(大げさ?笑)


コメント
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