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ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

翼 ミュージカル&コンサート

2017年12月14日 | 自分のライブで
【Live Information】


 12月2日の西川アイプラザ5Fホールは、立ち見が出るほどの盛況。
 大成功に終わった、と言ってもいいんじゃないかな。
 とても楽くて素敵なライブだったと思います。









石橋元嗣(左)  清水ゆき(右)


 「翼」は、作曲・ピアノ・ボーカルの石橋元嗣くん(ゲンちゃん)と、ボーカルでミュージカル女優・ナレーター・MC・リポーターなど多くの顔を持つ清水ゆきさん(ユキちゃん)のふたりからなるデュオ・ユニットです。
 オリジナル曲を中心に、ポップスやシャンソンなども歌っています。
 彼らの気持ちの中に流れているのは、「愛」と「平和」を歌で伝えたい、ということ。


 ぼくが出演していたある野外コンサートにふたりが遊びに来ていて知り合い、仲良くなりました。
 その後は、買い物がてらふたりが出演しているイベントを聴きに行ってみたり、ふたりがぼくのライブに来てくれたり。
 その彼らから、劇場公演の演奏を依頼されたのは、今年の7月でした。







 劇場公演は、ミュージカルと、コンサートの2部構成。
 演劇とのジョイントなんてほぼやったことない!(汗) けど、なんて楽しそうな企画。。。
 そう、考えるまでもなく「楽しそう」という理由だけで、喜んでお世話になることに決めたんです。
 バンドは、ゲンちゃんとぼく、それにキーボードとパーカッションがひとりずつ加わります。
 キーボードと鍵盤ハーモニカを担当するのは、朝田恵利さん。朝田さんはピアニストとして活動しているほか、ラジオのパーソナリティやケーブルテレビのリポーターも務めているというマルチなタレントさん。そして、なんとぼくの高校の1年先輩ということが後日判明。
 パーカッションについては、「どなたかいい方がいませんか」という相談を受けました。すぐに次田任徳くんが頭に浮かんだので、大急ぎで彼に連絡してOKを取り付けました。次田くんとは共演したことがあって、凄腕ぶりはよく知っているのです。
 経験豊富でしっかりと自分を持っている次田くんと、いつもニコニコ顔で臨機応変な対応ができる朝田さん。
 初顔合わせからいいバンドになりそうな予感満々!です。(^^)



石橋元嗣(piano、vocal)



朝田恵利(keyboard、piano、key-harmonica)



次田任徳(percussion)



皆木秀樹(electric-bass、contrabass、keyboard)


 ミュージカルの「幸福の王子」は、1888年にオスカー・ワイルドが発表した、子供向け短編小説です。
 ユキちゃんが脚本を書いて演出し、ゲンちゃんがオリジナル曲を付けて、「翼」オリジナルのミュージカルに仕上げるのです。


 いつも町を見渡している王子の像は、多くの人々が恵まれない日々を送っていることに胸を痛めていました。
 その王子と偶然知り合ったことで、ツバメは「幸福とはなんなのか」を考えるようになります。
 自分の目の宝石や体に貼られている金箔を、貧しい人々に届けるようツバメに頼む王子。
 南へ渡ることを後回しにして、王子の手となり足となりそれを届けるツバメ。
 自分の目だった宝石をも貧しい人へ届けたため何も見えなくなった王子に、人々の様子を伝えるツバメ。
 そして冬になり、ツバメはとうとう・・・











 本番前日の通し稽古、当日のゲネプロ、そして本番、と3回続けて涙が出てしまいました。
 南へ行ったと思ったツバメが戻ってきたところ、ツバメが王子の目のサファイアを心ならずも抜くところ、ツバメが役目を果たすも冬の寒さに耐えられず、それでも幸福とは何かを知って喜びを内に死んでゆくところ。
 さすがに「本番では泣いてるヒマはない、集中集中!」と気合いを入れたんですが、、、ダメだった。(^^;)
 涙で譜面がぼやけ、見えにくくなった時はさすがにアセりました。
 「ヤバい」と思った瞬間、涙はとまったけど、代わりにヒヤアセが・・・


 ツバメ役のユキちゃんは、東京ばかりでなく、イギリスやスペインでも活動していた経験があるだけに、演技力はもちろん、伝わりやすい脚本と妥協のない的確な演出は素晴らしかったし、そこにゲンちゃんの曲の良さが相まって、想像以上にクオリティの高い、とても良い作品になったというのは、演劇はシロウトのぼくでも分かります。
 王子役はゲンちゃん。演技の経験がほぼ無いとは思えない落ち着いた雰囲気が、心に憂いを秘めている王子にぴったりでした。
 出演者は、現時点の演技力だけでなく、この先の広がりや伸びしろにも着目して選ばれた方ばかり。
 そして、その出演者全員からは「良い公演にしたい!」という熱意がビシビシ伝わってきました。
 その必死な思いは、なんていうか、青春時代の気持ち、とでもいうのかな、そういう懐かしくてアツいものを思い起こさせました。
 








 

 それにしてもユキちゃんの仕切りには、頭が下がるばかり。
 限られた時間で大勢の人間をまとめなければならない。
 当然みんなが思い通りに動いてくれないこともあるだろうし、予定がずれこむこともあるでしょう。
 お客様へ提供する以上、それなりのレベルに仕上げなければならないだろうし。
 でも、常に指示は冷静で、全体の流れや動きを把握して、はっきりOKやNGを出す。
 例え演者がNGを出しても、ユキちゃん自身が感情的になりかけても、決してキャストを責めることはない。どうしてNGなのか、その意味をきちんと伝えようとしている。
 こんなに気遣いできて、そのうえ毅然としたリーダーには、なかなか出会えないと思うんです。







 
 ゲンちゃんの書く曲はバラエティに富んでいて、引き出しの多さが伺えます。同じ曲調・傾向に陥ることがありません。そして、曲が使われる場面にぴったり馴染むものばかりです。
 まさに「珠玉」。
 リハーサルの時に出す指示は的確です。頭の中には、組み立てられた状態の曲が鳴っているのだろうと思います。単なる思いでつきはなく、音にしてみると「そういう意図だったんだ」というのがきちんと現れてくる。
 またこちらがアイデアを出しても、それについての取捨選択の判断が早く、しかもあとで「そうだよね~」と納得できることばかり。
 音楽的な土台がしっかりしていて、とても頼りになる音楽監督でした。
 そして、いくら慌てるようなことがあっても、決して声を荒げるようなことはなく、いつもと同じ穏やかな態度で対応しているところは、短気な自分も本当に見習わないとな、と思っています。











 バンドのメンバー同士の息はぴったり。
 意志の疎通が容易だったし、いつも冗談がとびかっていて雰囲気もやわらか。そしてステージに対する思いが熱い。
 なにかあればお互いにフォローしあおう、という心の準備もみんな整っていたと思います。
 経験もスキルもたくさんあるふたりとの共演はとても心強く、楽しいものでした。
 しかし四人のスケジュールを合わせることが難しかったので、当日までのバンドリハーサルはあまり時間をかけられず。
 一抹の不安をできるだけ振り払おうと、当日朝9時集合で、最後のバンドのみのリハーサルを行いました。
 当日になって急遽出された指示もあったりで、なかなかハードな体験でしたが、それでも楽しかったなあ。
 
 






 正直に言うと、ミュージカルって「演技の合間に、唐突に大仰な歌が入る劇」くらいの浅い知識しかありませんでした。
 でもこのイベントに関われたことで、それは見事に覆されました。
 歌は全然唐突ではなく、入るべきところで自然に入ってくるんですね。
 演技力と歌唱力を兼ね備えたキャストの方々、いわばスキーの複合競技選手みたいなものでしょうか。
 いまは、山崎育三郎さんや新妻聖子さんら、ミュージカルで活躍している方々をテレビでよく見かけます。こういう方々を応援する気持ちがぼくにも芽生えてきたようです。
 われながら現金なもんですね。











 2部は歌と踊り中心のコンサート。
 多彩な曲と、歌と、ダンスとで楽しんでいただきました。
 脚本とにらめっこしながら必死でタイミングどおり音を出さねばならないプレッシャーから解放されての演奏でした。
 それでもリラックスしつつ集中力を保っておかねばなりません。油断は事故につながりかねないのです。
 しかし適度な緊張感と、キャストさんたちの楽しんでいる雰囲気のバランスがちょうどいい感じだったし、客席がこれまた温かかったので、あちこちから後押ししてもらっているような気持になっていました。
 やりきった感をたっぷり味わえて、ぼくは終演後ひそかに幸福感のようなものを味わっていました。

 









 これからも翼のふたりは文字通り羽ばたいてゆくことでしょう。
 そうそう、来年の「翼」劇場公演の日取りももう決まっています。
 12月1日(土)、場所は岡山ルネス・ホールです。
 たくさんの方に「翼」ワールドを体感して欲しいです。




翼  
ミュージカル 幸福の王子 & クリスマスコンサート
 2017.12.2(土)
 西川アイプラザ5Fホール


【翼】
清水ゆき(脚本、演出)
石橋元嗣(音楽監督、作曲)


【出 演】
清水ゆき(ツバメ)
石橋元嗣(王子の像)
長谷川共洋(苦学する若者)
金子みかん(葦の君)
ゆうきごろう(権力者)
英まゆう(おばあさん)
石川未藍(孫娘)
湯浅かなえ(マッチを売る少女)
近藤雅希(ケガをして南へ行くのが遅くなったツバメ)
鈴村忠則(町長)
長谷川克也(マッチを売る少女の父)


【バンド】
石橋元嗣(piano, vocal)
朝田恵利(keyboard, piano, key-harmonica)
次田任徳(drums, percussion)
皆木秀樹(electric-bass, contrabass, keyboard)
清水ゆき(vocal)






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トリプル・ヘッダー

2017年11月06日 | 自分のライブで
【Live Information】


 10月28日土曜。
 この日の夜は、19時以降の4時間ほどの間に、3ヵ所・3種類(Rock、Jazz、Blues)のライブで演奏するという、なかなかできない体験をさせてもらいました。(^^)b
 とにかくスケジュールがとてもタイトだったんですが、綿密に立てた計画が全て予定通りに進んだので、ゲームをクリアしていくようなワクワクハラハラ感があったのに加え、3ヵ所ともとても楽しく、やり切った感と心地よい疲労感に包まれて、シアワセな眠りについたのでした。zzz
 来てくださった方々、どうもありがとうございました!
 そして当初はお断りしたにもかかわらずタイムスケジュールを変更してまでお声がけしてくださった方々、たいへんしんどかったです覚えとけ・・・じゃなくて、心より感謝しておりますので、また巻き込んでくださいませ(^^)


  
 左:黒瀬尚彦(guitar, vocal)  右:竹本洋朗(drums)


 1軒目のMO:GLAはギッシリ満員。
 客席のほとんどが僕から見ると先輩ばかりで、日頃ナマイキな僕も諸先輩方に挨拶しっぱなしでした。
 しかしこの諸先輩方、気持ちは青春時代のまま。素敵です! 逆に若さをいただきました(^^)b
 2軒目はジャズ・バー「GROOVY」。3軒目は「BLUE BLUES」でブルース・バンドのお手伝い。
 いずれもとてもいい感じで弾くことができました。
 

 


 さて、そんな昨夜を乗り切れた理由のひとつは、秘密兵器の使用です。
 秘密兵器=人生初のコンタクト・レンズ。
 前々から譜面の小さい字や薄い印刷が見えにくかったんです。そのため演奏中に譜面台に顔を近づけざるを得ないことがあって、その様子が実にカッコワルかった。だからこの機会に、と思って当日の午前中に眼科へ行き、生まれて初めてコンタクトを作ったのです。
 ドクターから脱着や、「右目(効き目)は遠方を、左目は近くを見る時に使っている」ことなどを教わり、夕方にコンタクトを付け、準備万端整えて店に入りました。
 おかげで演奏中は快調快適、楽しさ倍増!
 
 
 左:山本ヒロユキ(piano)  

 
 予定を全て終えた後、雨の中を運転して帰ったのですが、なんかおかしい。ぼやけて見える。
 初のコンタクトで目が疲れたんかな~、とか思いながら、どうにか帰ってコンタクトを外そうとしたら、左目はすぐに取れたのに右目が取れない!
 何度も何度も何度もトライしたので、右目は真っ赤なうえ涙でショボショボ、それでも外れん・・・(> <;) 
 このまま明日まで外れなかったら、外れた時には角膜ごと、、、だとか・・・(fromムスメ情報)
 とオノノいていたら、壱番館の和姉から「コンタクト忘れてるよ」の連絡が!
 そうです、入れたつもりが右目だけ入ってなかったのです(汗)
  
 
 
 右上:Albert Kamezo(guitar, vocal) 左上:田邉彰(guitar) 左下:頼快(drums)
 

 道理で、譜面台(近くを見る左目の役目)は見えて、運転時(遠くを見る右目の役目)は見えにくかったわけです。。。
 雨中、路面は光り、歩行者や自転車が見えにくく、道路標示はぼやけて見える中、無事に帰れてよかった・・・
 よかった・・・

 よかった・・・




 





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Vocal & Bass Duo

2017年06月11日 | 自分のライブで
【Live Information】


 6月になっても思ったほど湿度が上がらないから、凌ぎやすい日が続いていて、ちょっと嬉しい。
 昨夜は、ひさしぶりに月明かりを浴びた気がしました。
 星明りや月明かりなんて、田舎だとか、よっぽど空気が澄んだ夜でないと見られないこの時代。
 なんでも、アメリカでは6月の満月のことを「ストロベリー・ムーン」というんだとか。
 ちょうどイチゴの収穫期にあたること、その頃に月が赤みを帯びることから、そう呼ばれるんだそうですね。
 

 優しい光です。
 思わず写真を撮りたくなったくらい。
 その昔は、この光が夜道を急ぐ旅の人の助けにもなり、慰めにもなっていたのでしょう。

 
 


 爺「ばあさんや、だれか来たようじゃのぅ」
 婆「こんな時間にどなたじゃろうかのう、じいさんや」
 美女「道に迷って難儀をしております。どうか一夜の宿を・・・」


 子供の頃、道に迷った旅人(注:美女と決めてかかっていたw)が、うちにいつ「泊めてください」と訪ねて来るのだろうか、とても待ち遠しかった時期がありまして。
 当時から自分は本当におめでたかったと思いますwww 
 いまそんな人が来たら、怪しくて泊める気になれないでしょう。イヤな時代です。。。(^^;)
 
 
 高松から、月明かりとともにひとりの美女が、「ひとばん歌を歌わせてください」とばかりに、岡山GROOVYを訪れる夜があります。
 三木智子ちゃん。
 香川県は高松を拠点に活躍しているジャズ・ボーカリストです。
 彼女が歌う歌は、彼女が歌いたい歌だけ。
 選曲も、彼女の音楽性と心意気の表れ。
 2~3ヵ月に一度は、彼女と岡山GROOVYで「vocal & bass」のデュオ・ライブをしています。


 

 
 セット・リストは、「Stolen Moments」をはじめとするユニークなもので、今回も非常に苦しみました(笑)
 「In the Wee Small Hours of the Morning」では、思い立って曲の途中でベースを置き、エンディング・テーマでピアノを弾いてみました。
 アンコールでは「Blue Moon」~「What a Wonderful World」のメドレー。「What a ~」ではベース弾き歌いに智子ちゃんがハーモニーを付けてくれ、とても楽しかったライブにふさわしい締めくくりとなりました。


 
 

 渋く、それでいて実験的・挑戦的な選曲は、耳が肥えたジャズ・マニアたちをも毎回うならせています。
 彼女は、曲にまつわる出来事にも詳しいし、在米時のエピソードも豊富です。
 音楽をふたりで奏でるのは、とてもシビアだけど、とても自由。
 智子ちゃんは、楽器の演奏を「伴奏」と捉えているのではなく、対等の存在としてベースを受け入れてくれているので、ふたりして創りあげている感に満ちています。
 心からジャズを愛するママと、濃くて耳の肥えたお客様との、アフターでのトーク・セッションもこれまた熱くて楽しいのです。


 
 

 どうぞ皆さま、お気軽に遊びにいらしてくださいませ(^^)

 
 
6月10日(土)

 ♫三木智子(vocal) & 皆木秀樹(bass)
 
 ◆岡山GROOVY (岡山市北区田町2-5-23 tel 086-221-7721)
 ◆3000円+別途飲食代
 ◆20:00~(2回ステージ)
 ※次回は9月2日(土)です。シット・インも可能です。





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ジャズ・イン 西川 2017 初夏

2017年06月03日 | 自分のライブで
【Live Information】



ジャズ・イン 西川
2017年6月3日(土)
下石井公園野外ステージ




左から 伊達史典(guitar)、ナカダタカコ(vocal)、皆木秀樹(bass)



夕方は、美淋つゆ子(piano)、龍野豊子(drums)とのピアノ・トリオで出演。
このトリオでの記念すべき初ステージ。 
もうすこしこの三人ならではのアレンジを増やして、レギュラー・トリオに育てたいです。


<セット・リスト>
My Romance
Tell Me a Bedtime Story
Cantabile
What a difference a day made


























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河村恭子, 山本ヒロユキ & 皆木秀樹 @JORDAN

2017年03月06日 | 自分のライブで

【Live Information】


 関西を拠点に活躍しているジャズ・ボーカリスト、河村恭子さん。
 クールで間を大事にした独自の世界の持ち主です。
 ご本人はカーリン・クロッグなどのヨーロッパ系のボーカリストがお好きのようです。
 しっとりした深みがあってちょっぴりセクシーな声の持ち主なのですが、ことMCとなると、いわゆる関西風味が絶妙に香ります。
 恭子さんは落語も大好きで、きっとひとを笑わせるの大好きなんですね。


 その恭子さんと久しぶりにステージを共にすることになりました。
 場所は、岡山市にあるジャズ喫茶「JORDAN」。
 ジャズが大好きでたまらないマスターが、会社務めを定年退職したあと始めたお店です。


 少し早く岡山入りした恭子さんに喜んでもらおうと思って案内したのが、「レトロ」な雰囲気のするところ。
 恭子さんはレトロなものやアンティークがとても好きなんです。
 備前焼のお店、レトロな建物の中の古着屋さん、1923年に建築された岡山市名物の建物「禁酒会館」などに行ってみました。
 案の定、すぐに目の輝き方が変わりましたね。


     
     レトロなものには目がありません


     
     しかしほんとにオシャレな方です。帽子もよく似合ってる。


     
     ご自分もお酒をたしなまれるので、「酒害」「断酒」の文字にはビンカンwww。ウケる恭子さん。


     
     1923年(大正12年)に造られた禁酒会館。名前もレトロなら建物もレトロ。恭子さんのツボだったみたいです。


     
     ヴィスコンティ監督作品の映画のポスターに目が釘付け。美的感覚が合うんでしょうか。


 今夜のピアノは、地元のベテラン山本ヒロユキさん。
 店内は、嬉しいことに満席です。 
 恭子さんならではの空気感で、客席の皆さんはすぐ別世界に連れてゆかれたみたいです。


     


     


     
     あら、こんな優しい眼差しをくださっていたとは 
     実はぼくはMCでイジられて途中シドロモドロになっちゃいました


     
     ご自分の音楽観を自分のレパートリーのアレンジに反映させておられます。
     その引き締まったクールな雰囲気は恭子さん独特のもの、と言ってもいいんじゃないでしょうか。


     


     
     ぼくの感覚では、いいライブほどなかなかお客さまは帰られないんですが、この夜も皆さん残って余韻を楽しまれていました。




【河村恭子, 山本ヒロユキ & 皆木秀樹】
 2017年3月5日(日)  ジャズ喫茶JORDAN

 河村恭子(vocal)
 山本ヒロユキ(piano)
 皆木秀樹(bass)

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コントラバス・ソロ @「ゆくり」

2016年10月24日 | 自分のライブで

【Live Information】 

 
 10月22日の夜は、コントラバス・ソロ演奏でした。
 場所は、岡山市撫川にある、器や木工作品のギャラリー「ゆくり」です。
 皆さまと楽しい時間を共有することができました。緩い幸福感のせいで、まだボーッとしています。


 


 とても、とても、いい夜でした。
 たぶん、途中からぼくが一番楽しんでいたのではなかろうか、と思っています(^^;)
 思いきり「やり切った感」を味わっています。ありがとうございました。

 
 今回のこのライブは、「ゆくり」店主の安田尚美さんから、「富士山麓で創作活動を続けている木工作家・中矢嘉貴さんの個展初日に、コントラバス・ソロで演奏してくれませんか」という依頼があったのがきっかけです。
 あえて「コントラバスのソロ」というフォーマットにしたかったんだそうです。
 中矢さんの作品に合うのは、ピアノでも管楽器でもギターでもなく、弦楽器、それもコントラバスだ、と。
 その時に感じたのは、とにかく面白そうだということ。
 しかし、選曲の段階から難産でした。
 候補というか、やりたい曲のリストは合計70曲以上にものぼったのですが、実際弾いてみるとイメージに合わなかったり、コントラバス・ソロでの表現としては自分の手に負えない曲が続出、直前までセット・リストが固まりませんでした。


 

 
 反面、打ち合わせでお店へ伺って店主の安田尚美さんと話したり、中矢さんの作品群の資料を見ているうちに、「曲だけは、やりたいものをやや多めに用意し、できるだけ固定観念を捨て、あとは当日その場の雰囲気で演奏したい曲を決めよう」という気持ちになりました。


 当日は、午後から雨。
 でも、不思議とがっかりもせず、むしろ古びた撫川の町並みの静けさが際立って良いなあ、などと考えていました。
 開演時間になり、気づけばお客さまもおおぜい来てくださっています。
 出店として来てくださっている玉野市の「31コーヒー」さんの淹れるコーヒーが、とてもいい香り。気分が和らぎます。


 
 

 正直、コントラバス一本で音楽を創るということは、いまのぼくにとってはたいへんな作業でしたが、演奏に入ると不思議とプレッシャーや欲にとらわれることなく、ナチュラルに自分らしく弾き終えることができました。
 お店は、いわば古民家で、ステージとなったのはその一室。
 廊下に立ち、座敷に向って弾く形です。
 アンプを使わず、生音で弾いたのですが、天井も廊下も木なので楽器との相性が良いのでしょう、自然で美しい響きが得られました。また板敷の場で弾いたおかげだと思うのですが、低音が足元から自分に伝わってきたのも心地よかったです。


 

  


 最初こそ多少不安もありましたが、すぐに演奏に集中することができました。
 あとは、普段の自分らしい、自然な演奏ができたと思います。
 実は、ぼくは弓弾きは苦手なのですが、この夜は気負うことなくいつもより自由に弓が使え、しかも弾きたいように弾くことができました。
 また、ゲストで歌をお願いした、あかしゆかさんの素直なパフォーマンスもお店や作品にとても合う、心地よいものでした。
 それもこれも、やはり聴いてくださった方々の温かい後押しが大きかったからです。
 そして、お店の雰囲気や、中矢さんの作品群が醸し出していた落ち着いた空気があったからこその演奏内容だったということは明言しておきます。自分だけではあんな演奏にはならなかった。


 
 
 


 盛大なアンコールもいただき、(しかも2曲やれ~、とまで)とても嬉しかったです。
 自分で言うのもなんですが(汗)、われながらMCも面白かったですし (^w^)


 
 
 
 店主の安田さんは、「自分が音楽を知らないからムチャ振りしちゃって・・・(^^;)」と恐縮しておられましたが、固定観念にしばられていないからこその発想だったわけで、おかげでぼくは自分の音楽を練り直し、自由な気持ちで奏でられることができたんですね。ぼくにとっては、ありがたいことこのうえない「ムチャ振り」でした。




 ゆくりは岡山市撫川の静かな古い町並みの中にあるギャラリーです。興味がある方は気軽に覗いてみてください。
 また中矢嘉貴さんの個展は10月30日(日)までです。気持ちが安らぐ作品ばかりです。お店は期間中お休みなしで営業していますので、ぜひぜひご覧になってみてください。


 

 

  


ゆくり
 岡山市北区撫川173-1 tel 086-292-5882
 中矢嘉貴木工展 「木の声を聴く」
 10月22日(土)~10月30日(日) 11:00~19:00
 (通常営業日=木、金、日 11:00~16:00)

  

 
10月22日 セット・リスト

【1st Stage】
1. 里の秋
2. Scarborough Fair
3. God Bless the Child
4. Norwegian Wood
5. Day by Day  ※vocal:あかしゆか


【2nd】
1. 月星メドレー(見上げてごらん夜の星を~Moon River~Star Dust~Blue Moon)
2. In a Sentimental Mood
3. What a Wonderful World
4. Misty  ※vocal:あかしゆか
5. I Let a Song Go Out of My Heart  ※vocal:あかしゆか


【Encore】
1. Improvisation From NAKAYA's Work〜Oh My Little Girl
2. Chaplin Medley・・・Eternally~Smile




 

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羽野昌二&ニンニ・モルジア

2016年06月12日 | 自分のライブで
【Live Information】 



 6月8日(水) 羽野昌二&ニンニ・モルジア 岡山ライブ(at 岡山Ark)。


 羽野昌二ホーム・ページ
 羽野昌二wiki


 フリー・ジャズのドラマーとして国際的に知られている羽野昌二さん。
 もちろんお名前はかなり以前から存じ上げています。
 その羽野さんが、シチリア島出身でニューヨーク在住のギタリスト、ニンニ・モルジア(Ninnni Morgia)さんと日本ツアーを行い、その一環として岡山でもライブをするから、オープニング・アクトとして手を貸してほしい、と友人のサックス奏者赤田晃一くんから連絡が入ったのが、5月の下旬でした。
 羽野さんと共演する可能性も込みで、ということで。


 赤田くんは、普段はオーソドックスなジャズや子供向けの演奏など幅広く活動していますが、実は根っからのフリー・ジャズ・チルドレン。音楽に対する目覚めがフリー・ジャズだったというから、彼の魂に宿るものがなんであるか想像に難くない(いや、想像を絶する、といったほうが適切かも)。
 赤田くんとは、いきさつは忘れたけれど、フリー・ジャズの領域で共演することもしばしばで、ぼくの「自称なんちゃってフリー・ジャズ」に対しても寛容に受け入れてくれています。
 

 フリー・ジャズを「インチキ」「でたらめ」と評する向きがあるのは知っています。
 ぼくは、山下洋輔トリオの「キアズマ」によって、初めてフリー・ジャズに触れました。
 わけのわからない、楽器による絶叫のような音楽でしたが、強烈なパワーとエネルギーには何かが揺さぶられた気がしました。
 それ以後とくに積極的にフリー・ジャズにのめりこむことはなかったのですが、逆に嫌悪感を持つこともなく、むしろ副島輝人氏の「日本フリー・ジャズ史」を興味深く読んだり、アバンギャルドな音楽に対しても、上っ面だけではありますが、軽い好奇心を持っていました。


 赤田くんとの、フリー・ジャズでの数回の共演から、自分なりに消化できたのが、
 「なにからフリーになるのか」ということです。
 コード進行から、リズムから、構成から、和音から、メロディーから、もしかするとすべてから。。。
 ぼくは、相手の音から感じたものを感じたまま出すことしかできません。でも、どんな音をも意識して出したいな、とは思っています。
 単なるメチャクチャだと、自分の手癖に行きつき、結局おなじフレーズのループになってしまうような気がします。そしてそれは、規制の枠を破壊してゆこうというフリー・ジャズの理念からは大きく外れていると思うのです。


 ライブ当日のリハーサルは、羽野さんがお店のドラムをいったんバラし、組み立て直すという作業から始まりました。
 羽野さんはぼくらに「長くなってすまないね」と声をかけ、ドラムセットに相対しています。さながら職人です。
 リハーサル後、ぼくと赤田くん、「Tres」というユニット、そしてニンニのソロ、羽野さんのソロ、赤田&羽野デュオ、最後にニンニ&皆木デュオ、という構成でライブが進行することになりました。


 


 


 羽野さんは、「しょっちゅう見れるものじゃないから、みんな前へ来て」と声をかけ、すこし自分について語ったあと、おもむろにソロ・パフォーマンスを始めました。
 それは羽野さん自身の「歌」でした。技術的にも素晴らしいドラミングでしたが、はっきりした自己主張と巨大なエネルギーをセットに注ぎ込み、最後は火を噴くような、強烈な演奏でした。


 


 赤田くんが入りデュオになると、相乗効果なのか、壮大なバトル(でも戦ではないんですね)が展開されました。
 偉大な先輩を前にしても、一歩も引くことのない姿勢は、やはりさすがです。
 汗をほとばしらせ、顔を真っ赤にし、持てるものをすべてさらけだそうとしているかのような演奏にはやはり引き込まれます。


 
 
 

 そして、ぼくとニンニとのデュオ。
 ぼくは、エフェクターは一切使わず、プラグをアンプに差し込むだけ。
 こちらを見ているニンニに指でOKサインを送ると、彼は一瞬笑顔でうなづき、ギターを弾き始めました。
 

 ニンニとはもちろん初対面。
 リハのあと、拙い英語で「君はアンディ・ガルシアに似ているね」と話しかけたくらいで(笑顔でThank Youと言ってくれた)、打ち合わせ一切なし。まさに出たとこ勝負です。
 言葉もろくに通じないし、じつはとても不安だったのですが、相手の音をしっかり聴き、そのまま受け入れること、普段の自分のままナチュラルに弾くことだけを決めてステージに上がりました。


 いざ音楽が始まってみると、不安も忘れ、ひたすらニンニのギターに反応できたような気がします。
 自分からも感じたことを感じたまま発信できたし、ぼくのやっていることにニンニが絡んできてくれたのも確かに感じることができました。
 おそらくニンニもいつもどおりの自分を出してくれたように思います。
 (後日、お客さんのひとりから、「素晴らしかった、ふたりで創りあげているのがとても伝わってきた、という意味の感想をいただきました)
 最後は羽野さん、赤田くん、Tresのふたりもステージに上がり、6人でフリー・セッション。心地よい緊張感の中、無事ライブは終わりました。


 


 演奏後、ニンニが笑顔で手を差し伸べながら近寄ってきて、ひとこと「Beautiful」と言ってくれました。
 びっくりです。同時に「通じ合うことができたんだなあ」と思って、とても嬉しくなりました。
 「ぼくはフリー・ジャズはよくわからない。だから、君の音を聴きながら『ぼくが出したい音はなんだろう』と自分に尋ねていたんだ」と下手な英語で話すと、大きくうなずいてくれました。


 フリー・ジャズは、相変わらずなんなのかよくわかりません。
 でも、相手と響きあうことをステージ上でもしっかり意識していれば、言葉はなくても意思の疎通はできるんだ、ということを実感することができました。
 それだけでも、本当に貴重な体験をさせてもらえたと思っています。

 



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ワンビル・ジャズ・ナイト、そして翌日のカフェ巡り

2016年06月04日 | 自分のライブで
                                               ♪ルネスホールの外観


【Live Information】 


 昨夜(6月3日)は、岡山市にあるルネスホールでの「第69回 ワンビル・ジャズ・ナイト」で演奏してまいりました。
 ルネスホールは、1922年に日本銀行岡山支店として岡山城近くに建設された、由緒ある公共ホールです。
 正面入口にコリント様式の柱頭飾りが施された4本のエンタシス柱がある大正期の歴史的建造物で、
 現在は芸術の創造拠点ホールとして岡山の文化を支えています。
 客席は満席。雰囲気もよく、とても楽しく演奏でき、満ち足りた時間を過ごすことができました。

    

    

    

    
     麗しのボーカリスト4人勢ぞろい。左から武田知子、遠藤マリ、丸岡紀里江、末元紀子。

    

    

    

    

    

    
     左から松本加代子(piano)、中務敦彦(sax)、スコット・チャドウィック(trumpet)、荒木博司(guitar)、皆木秀樹(bass)、尾添"JON"慎一郎(drums)、長崎キンターナ(percussion)。


 帰宅後、心地よい疲れのおかげで知らない間に寝てしまって、
 朝の目覚めまで清々しかったです。
 
 
 明けて土曜の午前中はハチくんと散歩したあと、
 岡山市西大寺のカフェ「茶蔵」で早めの昼食をいただき、
 そのあと岡山市藤田にある「ののさま*あん」でぜんざいに舌鼓を打って、
 いい感じでダラダラしてます。


        
     茶蔵                                  ののさま*あん
 
 
 「ののさま*あん」で、店主の留美子さんと話していたら、
 突如「アタマ大丈夫ですか?」と言われ、
 「すでに人が心配するくらい自分はオカシイのか(゜д゜;)」と思ったら、
 実は「頭が鴨居にぶつかりそうですよ」という意味だったので、
 あー良かった。(^^)
 
 
 というわけで、
 今夜は玉野Musikで山本ヒロユキ(piano)さんとのデュオで楽しく演奏いたしますよ(^^)
 お気軽に参加乱入お立ち寄りください(^^)
 
 
 6月4日(土)
 玉野Musik (玉野市築港5-9-6  tel 0863-23-4820)
 ♪山本ヒロユキ(piano)&皆木秀樹(bass)
  [時 間] 19時開演(2回ステージ)
  [料 金] 1000円+飲食代






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北木島ピース・フェスティバル

2015年09月27日 | 自分のライブで



【Live Information】



 今年の9月は、土曜日の19日から23日の秋分の日まで、5連休でした。
 5日間とも気持ちのよい快晴で、イベント目白押しの各地とも大賑わいだったようです。
 
 
 ちかごろ、安倍政権の方針に危惧を抱く多くの人々が、デモなどで積極的に意思表示をしたり、ネットなどを使って情報を収集・発信したりと、あらためて平和への強い思いを新たにする日々が続いています。
 戦争が起きることは絶対に避けなければならないのは言うまでもないことです。
 ほとんどの方々は、平和であることを大事に思っていることと思います。
 そんな中、9月19日から20日にかけて行われた「第1回 北木島ピース・フェスティバル」で演奏してまいりました。
 
 
 北木島は、岡山県の最西部にある笠岡市の南約15kmに位置する笠岡諸島にあります。
 かつては良質の花崗岩(=北木石)が採れることで知られた北木島ですが、近年は過疎化が進んでいて、人口も1100人あまり。
 しかし、なんとか島を興していこうと島に根を張って奮闘している方々もおられます。
 「北木島ピース・フェスティバル」は、そんな方々の手によって企画、開催されました。
 
 
 このイベントは、「非核平和宣言都市」である笠岡市から世界平和を発信するとともに、荒れ果ててしまった島の楠海水浴場の再生を目指したものです。
 各地から参加したいろんなミュージシャンやパフォーマーが、島民とともに一夜を過ごし、飲み、語り合いました。
 ぼくは、大阪から参加したジャズ・バンド「トルネード・ボンバー!」のリーダーでギタリストの箕作元総(きさく・もとふさ)さんから声をかけていただき、「トルネード・ボンバー!」にベーシストとして参加させていただきました。
 
 
 笠岡市の伏越港から乗ったフェリーでは、やはりフェスに参加する舞踏家の小谷野哲郎さんと一緒になり、いろいろ珍しい話を聞かせていただきました。
 北木島に着くと、車で楠地区まで行きます。
 海水浴場には急勾配の細道を通らねばならないのですが、楽器その他の大荷物を抱える身では通行もままなりません。
 そこで、島の方の好意で漁船に荷物ごと乗せていただき、海上から楠海水浴場へ上陸します。
 コントラバスを抱えて漁船に乗るなんて、生まれてはじめて。
 青い海と空を間近に感じ、ワクワクしながら漁船に乗り込みました。


 
 コントラバスを抱いて漁船へ。
 
 
 楠海水浴場に上陸したのが15時半頃。
 すでにステージでは演奏が行われています。 
 そう広くない楠海水浴場は、三方が海に囲まれています。あちこちに、各地から来た参加者のテントが張られていて、砂浜では子供たちが遊んでいます。
 島の方々が、獲れたての海の幸を焼いてくれています。
 空はどこまでも青く、海との境目がわからないくらい。


 
 「トルネード・ボンバー!」のステージ。


 
 
  

 
 浜辺にいたヤギと、コントラバスで対話(^^;)
 

 


 「トルネード・ボンバー!」の出番は23時くらいですが、地元から参加しているバンド「おきしとしん」に急遽加わることになり、薄暮のステージに上がりました。
 

 

 
 「おきしとしん」とともに。
 

 
 フェスの主催者、クニさんも「おきしとしん」のメンバー。
 
 
 日が落ち、あたりが真っ暗になります。
 海の向こうの、ほのかに見える民家らしい灯りが郷愁を誘います。
 波打ち際に行くと、かすかに聞こえるステージの音楽と、砂浜を洗う波の音だけ。
 真っ暗な砂浜にひとり座っている女性がどこかに電話していました。大事なひとと話していたのかな。
 
 
 

 

 
 
 
 ステージでは、「ぬくだま」「別所誠洋」「SUMI MADZITATEGURU」「中村好伸」「The Famili」「藤條虫丸」「岩本象一」「櫛田寒平」「DJ ROM-PIN」など、さまざまな演者の演奏、パフォーマンスが続きます。
 MCでは、平和を訴えるメッセージも聞かれましたが、押しつけがましいものではありませんでした。どなたも淡々と自分の思いを等身大に語っていたように思えました。

 
 
 出演者には夜食の親子丼がふるまわれました。
 
 
 22時すぎからは、フェリーで一緒になった小谷野さんのパフォーマンスです。
 小谷野さんは、舞台を砂浜の焚火のそばに移し、ユニークなひとり芝居を見せてくれました。
 その後、「トルネード・ボンバー!」もステージの上がり、闇の中での演奏を終えました。
 すべてのプログラムが終わったのは、25時半。
 砂浜を包む、優しい一体感と、心地よい疲れ。
 あとは、テントに中で眠るだけです。


 

 
 演奏は夜中の1時半まで続きました。

 
 深夜4時頃、ふと目覚めました。
 外に出てみると、息を呑むような満天の星空。
 海からはただ波の音。
 時折り聞こえる、語り合う声。
 ただ存在するだけのこの島こそ、平和の象徴なんじゃないか、そんな気がしました。


 安倍政権擁護派と「戦争反対」を唱える人々のあいだでの口汚い罵り合いには、実はうんざりしています。
 平和を語る同じ口の一方から発せられる罵詈雑言、ここからは平和は生まれないんじゃないかな。
 声高に平和を押しつけなくても、ここにはすでに平和がある、そんな気持ちでした。
 いろんな表現方法があります。どれも正解だと思います。でもぼくは、この深夜の砂浜で感じた、「共に生きる」平和に、静かな感動を覚えました。
 
 
 翌朝は、スタッフ、演者、参加者すべてが力を合わせての撤収作業。
 ぼくは、昼から岡山市内で演奏するため、9時のフェリーで笠岡市に戻りましたが、他のみんなは白石島に場所を移して打ち上げを楽しんだようです。
 
 
 
 島の朝日。


 
 朝の浜辺。


 願わくは来年、第2回のピース・フェスティバルが行われますように。
 そしてその時は、ぜひまたあの星空と深夜の波の音を体感してみたいと思います。


 

 

 

 

 
 帰りの船上より。

 

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ジャズ イン 西川 2015 春

2015年05月05日 | 自分のライブで

                                         ♪ひさしぶりの、ハチくんとの遠出。牛窓はツツジが満開。
 

【Live Information】



 5月3日から4日にかけて開催された「ジャズイン西川(にしがわ) 2015 Spring」、盛況のうち終わりました。
 運営を一手に仕切ってくださったプロデューサー役の嶋岡さんをはじめ、音響さん、MCさん、各会場常駐のスタッフさんなど、皆々様にはたいへんお世話になりました。
 また、おいでいただいたたくさんの方には、楽しんでいただいて嬉しく思っています。そしてイベントをおおいに盛り上げてくださって、どうもありがとうございました。
 
 
 3日は昼過ぎから雨になりました。予報では翌4日も終日降ったりやんだり、ということで、4日は中止の可能性もありました。しかし3日は各ステージにテントを設営していただき、全プログラムを終えることができました。
 ぼくは雨中の野殿橋ステージの最後に「藤原和泉&ブラックスネイクス」の一員として参加しましたが、最後の曲では「ここは神宮球場か!?」と錯覚するような、客席が一体となった傘踊りで大盛り上がり!
 理屈抜きに最高でした(^^)


傘踊りで大盛り上がりのクロージング


藤原和泉 & ブラックスネイクス[藤原和泉(vocal)、山本俊(mandolin)、内山行生(guitar)、松下シンスケ(drums)、皆木秀樹(bass)]




これは両備本社ステージでのブラックスネイクス
 
 
 4日は、朝7時に中止かどうかが決定されることになっていましたが、まさにその7時頃になって陽が射しこみはじめました。みんなの熱い願いが天に通じたのでしょう。
 ぼくは西川沿いにある下石井公園会場に、2バンドに加わって出させていただきました。
 うち自分のユニット「大西千夏、内村奈実、藤原弘達、龍野豊子 & 皆木秀樹」では、メンバー全員に客席からたくさんの歓声をいただき、後押ししてもらって、伸び伸び自分の演奏ができました。バンドリーダーでもあるので、ステージ上でもいろんなことに目を配りながらベースを弾いていましたが、メンバー間の雰囲気が良かったのと、客席の応援の温かさでいつの間にかヒートアップしてしまい、いつも以上にキレまくって弾きたおすことができたように思います。たいへんたのしい時間でした。


大西千夏(flute, vocal)、内村奈実(piano)、藤原弘達(guitar)、龍野豊子(drums)、皆木秀樹(bass)



 

  
 そして、何年ぶり?なつかしい~~!久しぶり~~!という方に何人も再会できました。新たにご挨拶くださった方もおられましたし、初対面ではありましたが、何人か共通の知人がいる関西からのゲストで素晴らしいベーシスト石川翔太さんと話せたことなども、とても嬉しかったです。「また一緒になにかやりましょう!」「また会いましょう!」という言葉を交わしあえて、なんだか感激でした。
 
 
 運営に携わった方々、出演者の皆様、いろいろ気苦労があったと思います。おつかれさまでした。さらにこのイベントが発展し、多くの音楽ファンに愛されますように。


Minako Box [高橋ミナコ(vocal)、草信泰典(guitar)]


とどちゃん de show! [内村奈実(piano)、山内ノリ(bass) etc]


TAKAKO with FLAGILE [ナカタタカコ(vocal)、水島望(guitar)、藤野敦司(bass) etc]


スコット・チャドウィック・グループ [スコット・チャドウィック(trumpet, vocal)、荒木博司(guitar)、石川翔太(bass)]


みりんちゃんとまさみちゃんと次ちゃん [美淋つゆ子(organ)、清水昌美(flute)、次田任徳(drums)]

etc...


 
 昨夜は、ほんとうにひさしぶりに、長い時間グッスリ眠れました。
 そして今日は、ハチくんと海方面にのんびりデェトしてきました!(^^)


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Vivant 2014年締めくくりプチ・ツアー

2014年12月31日 | 自分のライブで

【Live Information】

 
 「Vivant(ヴィヴァン)」は、大阪の素晴らしいベーシスト中村尚美さんとぼくとで組んでいる、ベーシストふたりのユニットです。
 昨年2月に始動して、岡山~関西にかけてライブを行っています。
 ベーシストふたりの編成なので、ツイン・ベースでの演奏が主体になりますが、曲によってはどちらかがピアノにスイッチしたり、時にはぼくがパーカッションをしたり、尚美ちゃんがコントラバスで弾き歌いしたりします。
 ベースも、コントラバス、ピッコロ・ベース、エレクトリック・ベースの3種類をとっかえひっかえし、やりたい曲をやりたいように表現しよう、というのがコンセプトの柱です。

 
 今年も順調に活動することができました。
 12月は、偶然スケジュールがうまく繋がって、5日大阪、6日西宮、7日倉敷と、初めて3日連続でライブを組むことができました。


 まず12月5日(金)です。この日は大阪は東梅田、堂山町にあるジャズ・クラブ「JAZZ ON TOP actⅢ」での演奏でした。
 昼ごろ岡山市のぼくの自宅を出発、ブルー・ラインという自動車専用道に乗り、ひたすら東へ向かいます。
 ブルー・ラインは、岡山県東部の海寄りを走っているので、ときおり素晴らしい景色が目に飛び込んできます。
 

 


 途中、「海の駅で牡蠣を食べよう!」という尚美ちゃんの発案でさっそく道草。
 メニューを眺めているうちに、ふたりとも海鮮丼に目が釘付けになります。
 リーズナブルなうえに新鮮、もちろん美味でした!あっという間に食べ終えました。
 


 夕方、大阪市内入り。
 「JAZZ ON TOP actⅢ」は、ボーカリストの清水ひろみさんのお店です。東梅田・堂山町の一角にあります。
  
        JAZZ ON TOP actⅢ                     夜の堂山町



 この夜は、ボーカリストのZaZaさんとのジョイント・ユニット「ZaZa avec Vivant(通称ZazaVivant)」で演奏しました。
 ZaZaさんは、フランス語でのジャズ、シャンソン、ヨーロッパ民謡のアレンジ、オリジナルの日本語詞をつけたジャズなど、幅広い曲を歌ってくださいました。
 Vivantとしては、ジャズはもちろん、マヌーシュ・スウィング、映画音楽、古い歌謡曲のアレンジものなどを聴いていただきました。
 
 ZaZa(vocal)

  
 皆木秀樹(contrabass, electric-bass, piano)   中村尚美(piccolo-bass, contrabass, vocal)

 

 

 

 

 

 
 
 


 翌12月6日昼は、尚美ちゃんは大阪市内でライブです。
 ぼくは大阪市の老舗ライブ・ハウスのひとつ、ロイヤル・ホースの昼ライブを聴きに行くことにしました。
 出演は、麻生優佳(vocal)、筒井裕之(guitar)、高野正明(percussion, vocal)です。
 とても寛いだ気分になる、楽しいライブでした。麻生さんと旧交を温め、亡きぼくのボスの友人である高野さんに挨拶させていただきました。
 


 その後は同じ東梅田の中崎町を散策です。
 レトロな町並みの醸し出す雰囲気がとてもディープです。
 アーティストの卵のアトリエがあったり、昭和なカフェ、雑貨屋さんなどなど、歩くだけで楽しくなってきます。
 夜だと、もっと雰囲気が出るところなんです。
  

   

  

  

  

  

 

 
 オマケ:梅田芸術劇場近くの巨大雪ダルマ


 12月6日(土)夜は、西宮市神楽町のライブ・ハウス「Piano CLUB」での演奏です。
 オーナーは、日頃から仲良くしてくださっている岩崎恵子さん。関西でも指折りのジャズ・ピアニストです。
 夕方西宮入りし、恒例の夙川散策。
 早めにライブ先へ到着して、あたりを散歩するのが好きなんです。
 
 夙川の遊歩道

 
 Piano CLUB


 和やかな雰囲気の中でのライブでした。またスタッフの大ちゃんがいい雰囲気で、演奏者を後押ししてくれるんです。
 ジャズ、マヌーシュ・スウィング、映画音楽、尚美ちゃんの弾き歌い、などのほか、それぞれの完全ベース・ソロも聴いていただきました。





 12月7日(日)は、岡山県倉敷市にある和食のお店「木庵」にお邪魔しました。
 お店は蔵を改造した木の空間で、時間がゆったり流れる感じがします。
 雰囲気がとても良いばかりか、出される創作料理がまたおいしくて、多くの方に親しまれているお店です。
 オーナーのいづみさんは音楽好きで、いろんなミュージシャンの後押しをしてくださっています。
 

 


 この夜は、尚美ちゃんのジャズの弾き歌いをいつもより多めに演奏させていただきました。
 

 

 

 


 そんなこんなで、1年間を駆け抜けた「Vivant」、来年はもっとグレード・アップして、楽しい時間と良い音楽をお届けしたいと思います。



                                                                  


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宮野寛子 meets VIVANT

2014年11月29日 | 自分のライブで


【Live Information】 

 

 とくに近年のジャズは、伝統的なものからコンテンポラリーなものまで、幅広く多様化しています。
 「CD離れ」「音楽離れ」が言われている近頃ですが、決して素晴らしいミュージシャンがいなくなっているわけではありません。個性ゆたかなミュージシャンは今日もまたどこかで生まれているはずなのです。


 そんな次代を担うであろうミュージシャンのひとりが宮野寛子さんです。
 宮野さんは、いま各方面からアツい視線を浴びている注目のピアニストです。
 縁あって、お目にかかる機会をいただきました。
 ぼくが大阪のベーシスト中村尚美さんと組んでいるベース・デュオ・ユニット「Vivant(ヴィヴァン)」との共演です。
 


 宮野さんと中村さんは、ともに、BSから生まれたユニット「The Jazz Lady」のメンバーです。
 宮野さん、「ツイン・ベースとの演奏は初めてかも」と言っておられました。
 


 11月25日(火)、岡山市のライブ・バー「Second Simpson」で、このユニークな顔合わせが実現しました。
 お店に入ってきた時からごくごくナチュラルな空気を醸し出していた宮野さん。
 鮮やかな青い帽子と青いマフラーにちょっとハッとさせられました。とっても似合っていて、素敵。
 中村さんと宮野さんは旧知の間柄でもあり、緊張感を保ちつつも、なんだかホンワカしたムードの中でリハーサルが始まりました。
 
 
 


 宮野さんのピアノは、温かなのに涼やかです。優しくしなやかな中にも張りつめた緊張感があって、それが彼女のオリジナル曲にも出ているような気がします。
 2ステージのうち、最初のセットは宮野さんと中村さんのデュオ。
 これがまた素晴らしかった。
 音を使った意思の疎通がこれまた自然。さらに相手の「楽器を通した語り」をゆったり、そして広く受け入れています。
 店内の空気はたちまち澄み切ったものに変わります。佐藤允彦さんの日本ジャズ史に残る傑作「パラジウム」を思い起こさせる、深みのある雰囲気です。
 ふたりの息遣いや鼓動までもが伝わってくるような気がする、緊張感あふれた、美しいステージでした。
 
 
 


 宮野さんのMCが、これまたかわいくて、いい感じです。
 


 セカンド・セットは、いよいよ「Vivant」とのランデブーです。
 まずはVivantのふたりで2曲演奏したのち、宮野さんが加わって、「ピアノ+ツイン・ベース」で演奏しました。
 同じ三人というフォーマットであるピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラム)で演奏するのとはまた違った、面白い感覚でした。いろんな広げ方があるような気がしますし、あらためて研究、挑戦してみたい編成です。 
 
 
 


 Vivantのセールス・ポイントのひとつ、中村尚美さんの「ベース弾き歌い」。まさに日本のニッキ・パロッタです。 
 


 最後はフルートの銭本清美さん、ドラムの当真良平くんも加わってセッション。
  


 温かいアンコールもいただき、再び宮野 & 中村デュオでしっとりと締めくくりました。
 楽しさをじっくりかみしめることができるような、そんな良い時間を、客席の皆様、演奏者、お店のスタッフで共有できた、幸せな夜でした。
 

 


 宮野さんは、今夏にサード・アルバム「Ocean」を発表しています。
 今後が期待される、すてきなミュージシャンです。
 
 [試聴ページ]


 宮野寛子facebook
 ピアニスト宮野寛子のブログ





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第6回倉敷ジャズ・ストリート

2014年11月03日 | 自分のライブで
                         ♪赤のサテンのドレス・シャツもすっかりジャズストのいちアイテムとして認知してもらってる感じです。



【Live Information】 


 天気予報は2日間とも雨だった、今年の倉敷ジャズ・ストリート。
 昨夜、無事終了しました。
 関係者の末席に名を連ねる者として、来てくださった方々、ボランティアの皆さん、スタッフの皆さん、地域の方々、ミュージシャンの皆さん、すべての方に「ありがとうございました」を言わせてください。


 


 毎年倉敷ジャズストの日は、朝早く会場の倉敷美観地区入りして、散策しながらあちこちで写真を撮るのがぼくの楽しみです。
 今年のジャズストは11月1日~2日でしたが、天気予報は、前日の10月31日から3日間連続して傘マーク。おそらく出演者やスタッフは、それこそ1時間置きに天気予報を見ては、やきもきしていたことでしょう。
 例年、ぼくがジャズスト期間中に自分のテーマとして決めているのは、「とにかく倉敷ジャズスト関係のタグをつけている人を見かけたら、片っ端から挨拶する」ということですが、今年はそれに加えて「雨なんか降らん!」と思い込むことにしました。






 
 「降ったらイヤだな」とか「降らないでほしい~~~」と思うのは人情だし、よ~くわかります。でもそこには明るさやプラスのエネルギーは見えないですし、降ってしまったらテンションは下がるだけ。だから、自分で勝手に「雨なんか降らん!ワシがそう決めた!」と開き直って、楽しむことだけを考えました。
 結果、初日は降ったりやんだりでしたが、異動にはほぼ影響なし。夕方以降本降りになりましたが、それは出番終了後でした。
 フィナーレのジャム・セッションで進行役を仰せつかっていた2日目は、夕方から雲がでてきたものの無事終了。と思った直後、なんと機材撤収後に激しく降り出したという、幸運としか言いようのない空模様でした。
 ジャム・セッションの終了とともにぼくの神通力が切れたんや!、と威張っておきました。(^^)b







 演奏は、1日は、ベース・デュオ・ユニットの「Vivant」の相棒、中村尚美さんと、関西のジャズ・ピアニスト岩崎恵子さんとで組んだトリオ。「本栄寺」「倉敷物語館」「林源十郎商店」の3ヵ所にお邪魔しました。
 尚美ちゃん、恵子さんともボーカルを披露したり、ぼくと恵子さんはドラムとピアノを掛け持ちしたり。恵子さんのピアノと尚美ちゃんのベースはやはり圧巻でした。
 思いきり演奏も楽しみ、倉敷の街並みも楽しみ、ジャズストの雰囲気も楽しみました。
 合間にはお茶しながら大笑いの連続。
 阪神方面や尾道からも友人が訪ねてくださったり、なんと姉がいきなりやってきて最前列から凝視されたり。。。(^^;)





 

 2日目は、縁があって、関西のベテラン・バンド「フラット・ファイブ」と共演させていただきました。
 ボーカルは、関西ジャズ協会副会長で、屈指のジャズ・ボーカリスト原田紀子さん。ピアノは、かつて小曽根真さんのピアノの先生でもあった川瀬健さん。川瀬さんとは10数年ぶりの再会でした。コルネットの中山聖さん、トロンボーンの亀野徹さん、ドラムスの植村晃さんの面々も、酸いも甘いも噛み分けた、いわば歴戦の勇士です。
 素晴らしいバンドでした。皆さんのお人柄も、サウンドもとてもナチュラルで心地よく、気負いや垣根やよけいな欲が全く感じられませんでした。
 ベテランといえば、安易に「枯れた味」といった表現が使われますが、キャリアの長さ深さはあっても、決して枯れてなんかなかった。出てくる音はみずみずしい音ばかり、メンバー全員が自分の楽器を通して歌いまくっている。そのうえで全員がトータルな音を聞きながら、的確に自分の役割を十二分に果たしている、そういった印象を受けました。驚異的なテクニックを出さずとも、客席を熱くさせることができる、そして1+1+1+1+1が8にも9にも10にもなる、素晴らしいお手本だと思いました。演奏10分前に初顔合わせしたのがウソのようでした。かけがえのない経験でした。





 2日目夜は、美観地区内を流れる倉敷川にかかる中橋で、恒例ジャム・セッションのMCを務めさせていただきました。
 思えば3年前のジャズストで、「お祭りだからハデに景気づけしよう」という理由だけで選んだサテンの赤シャツ。この時のステージを見た実行委員でジャズ喫茶アベニュウの松本琢真氏の、「それ良いからトレードマークにしたら?」、この一言がきっかけとなってMC役を仰せつかることに繋がったのが感慨深かったです。
 セッションをサポートしてくれたのバンドは「Stilbites」。リーダーの金山隆圭君はベーシスト。
 実は、実行委員の方から、ありがたいことに「セッションではぜひ皆木さんもベースを弾いてほしい。皆木さんのベースもアピールしたいから」と言っていただいていたのですが、セッションの仕切りで手一杯になることを予想していたし、ベーシストの集まり具合にもよるので、実は「おそらくぼくが弾くことはないかな」と思っていました。
 でも金山くんがずっといてくれることで進行役に専念できる、というのは大きな支えだったし、何かあったらなんでも言ってください、とも言ってもらっていたので、安心して仕切り役として動き回ることができました。
 とにかくセッションを無事進行させることだけを考えていたので、いまはただただホッとしています。
 セッション終了後、いとこ夫婦が手を振りながら笑顔で目の前を通って行ったのにもビックリしました(^^;)





 この何年か、倉敷ジャズ・ストリートに関わらせていただいてますが、ジャズストの2日目が大晦日のような気がしてなりません。
 打ち上げが、まるで年末年始の宴席のように思えます。
 こういう思いを味わえるのは、やはりある種の一体感があるからで、そこにはみんなのジャズストに向ける思いがあるからでしょう。
 おかげで今回も感動を味わうことができました。でもそれは、「自分が」やりきったことで得られたものではなかった。いろんな人の気持ちが垣間見えたり、道行く人やお客様が向けてくださった笑顔であったり、気持ちよく自分のベストを尽くすスタッフやボランティアの姿があるからです。


 今日がお正月と思って、来年に向けてできることをやっていきます。





 それから、いまやトレード・マークと言ってもらえるようになった赤シャツ。
 「これが着れなくなったらジャズストに出るのは終わり」と、なんとなく決めていますが、第2期成長期に入ったらしく(汗)、そろそろシャツがキツくなってきた(汗)ので、ヒヤヒヤしています。
 真剣に、体型維持を考えねば・・・(^^;)


 忙しさにかまけてハチくんのこともほっておいてしましました。
 甘えてくるばかりするので、今日はたくさん一緒に遊ぼうと思います。








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「花・緑ハーモニーフェスタ in 西川」

2014年09月21日 | 自分のライブで
【Live Information】 



 野外ステージから見上げる秋の空は、どこまでも高く、青かったです。

  
 9月20日(土)~21日(日)、岡山市中心部を南北に流れる西川沿いにある「西川緑道公園」と「下石井公園」で、「花・緑 ハーモニーフェスタ in 西川」が行われました。2日間とも好天に恵まれて、イベントは無事終了いたしました。
 岡山県を拠点に活動しているおおぜいのミュージシャンが熱演を繰り広げました。客席もおおいに盛り上がっていたようです。
 企画運営に携わった方々、お越しくださった方々、どうもありがとうございました。

 
 ぼくは、20日は
 「皆木秀樹 with Friends (赤田晃一sax、大西千夏flute,vocal、宗友厚piano、國廣理正drums、永末周平percussion、皆木秀樹bass)」
 21日には
 「レトロタイムス(中野明美vocal、ひなこvocal、嶋岡民樹guitar、藤谷夏輝guitar、安藝久美子keyboards、永末周平drums、皆木秀樹bass)」
 「中務敦彦カルテット(中務敦彦sax、山本ヒロユキpiano、片岡コウdrums、皆木秀樹bass)」
で出演させていただきました。

 
 「皆木秀樹 with Friends」は、急遽集まってもらったセッション・バンドです。ユニークな顔ぶれのユニットで、それだけでも楽しみでした。
 セット・リストは、
 「Well You Need'nt」
 「Skylark」
 「Satin Doll」
 「I Got Rhythm」
 「So Nice (Summer Samba)」の5曲。
 全曲ぼくがアレンジし、それをメンバーそれぞれの個性と音楽観に委ねてみたのですが、これがかなり好評だったようです。「このバンドはぜひ続けてみてほしい」との声もあり、とてもありがたく思っています。
 

 


 「レトロタイムス」は、荒井由実の作品にほれ込んだ嶋岡民樹さんと佐藤里香さん(当日は出演できず)が核となってできたバンドです。
 「荒井」時代にユーミンが作った曲がレパートリーで、今回のステージでは「ひこうき雲」「あの日に帰りたい」など5曲を演奏しました。
 


 「中務カルテット」の面々は、地元の重鎮ばかり。まさに貫禄の演奏だったと思います。ドラムの片岡君のソロ中にタムがころげ落ちる(^^;)というアクシデントがありましたが、こんな光景は長年演奏していて初めて見ました。
 

 
 

 青空のもと、集まっていたいろんな人たちと音楽に浸り、語り合い、新たな縁をつなぎ、大笑いし合い、旧交を温め合い、握手を交わし、そして再会と将来の共演を約した、とてもすてきな二日間でした。
 みなさん、どうもありがとうございました。




 さて、明日は病院へ行かねばなりません。先日の人間ドックでとんでもない結果が出たのです。
 「早々にくわしく診てもらえ」と脅されているので、すっ飛んで行ってきます(^^)b





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第5回倉敷ジャズストリート

2013年11月11日 | 自分のライブで


毎年すくすく育っている「倉敷ジャズストリート」、第5回の今年も大盛況でした。
ありがたいことに、ぼくは2日間で計8ステージを割り振って頂いたので、思う存分弾き倒してまいりました。
各ブースではアツい演奏が続出だったようで、客席でゆっくり聴いてみたかったと思いつつ、すでに今から来年を楽しみにしています!(鬼が爆笑している!?)


観光地として有名な倉敷美観地区内の全15会場で、のべ58バンドが出演した今年の倉敷ジャズ。
静かなたたずまいの白壁の町も、観光シーズンの到来と重なって、この時期は人出で賑わいます。
有名な大原美術館。観光客を乗せている人力車。和装の新郎新婦を乗せて倉敷川をゆっくり進む川舟。
白壁の町並みの雰囲気を味わいながらそぞろ歩く人たち。その中を、次の演奏場所へと慌ただしげに向かうミュージシャンたち。
いやがうえにも雰囲気は高まります。


 


初日の11月2日は、本栄寺と倉敷物語館で演奏させていただきました。
楽器を抱えての移動を考えて、という意味もありましたが、美観地区の空気をたくさん感じてテンションを上げたかったので、結構朝早くに倉敷に入りました。
ぼくの生家は、美観地区から歩いて5分ほどのところにあったので、この界隈は庭同然。小学校4年途中で引っ越すまでは遊び場がわりに走り回ったものです。
美観地区にはそういう懐かしい思い出がいっぱいです。だから倉敷ジャズストリートには特別な思い入れがあるのです。


 


ジャズストの開幕となる12時にはまだ客席もまばらでしたが、そのステージの終わり頃にはほぼ満席。徐々に雰囲気も高まります。
12時からの本栄寺と15時からの倉敷物語館は、岩崎恵子さんと中村尚美さんとのピアノ・トリオです。
恵子さんは関西でも知られたジャズ・ピアニストですが、今回はドラマーとして登場です。小気味よいビートと表現力に富んだドラミングはさすがです。尚美さんは「Vivant」というベースデュオ・ユニットでの相棒でもありますが、今回はニッキ・パロッタばりのベース弾き歌いでお目見えしました。ベーシストとしての素晴らしさはもちろん、スモーキーで独特のムードを醸し出すボーカルも好評でした。そしてぼくはピアノの前に座りました。
最後の2曲はピアノとドラムを交代。鍵盤を操る恵子さんの素晴らしさは言うまでもありません。ぼくは、きちんと習った初めての楽器はドラムなので、久しぶりにドラマーとして本番に臨みました。緊張もしたけれど、とても初々しい気持ちで楽しく演奏できました。
 
 「本栄寺」にて 岩崎恵子(drums,piano)、中村尚美(bass,vocal)、皆木秀樹(piano,drums)
 ←これはいつも応援してくださるあんじゅさんにいただきました。

 「倉敷物語館」にて 岩崎恵子(drums,piano)、中村尚美(bass,vocal)、皆木秀樹(piano,drums)


13時からの本栄寺と16時からの倉敷物語館は「東誠太郎トリオ」の一員としての出演です。
誠太郎さんと知りあったのはたしか高校時代です。
ずっと付き合いがあったわけではないのですが、ここ何年かは月に一度ご一緒させていただいています。
誠太郎さんのピアノは、本人は「コピーしたことはない」と言っていましたが、ボビー・エンリケスを彷彿とさせる濃厚なものです。
ドラムの船越稔さんはいつも穏やかな笑顔を浮かべている方で、ドラミングにもそれが表れている気がします。
 
「本栄寺」にて 東誠太郎(piano)、船越稔(drums)、皆木秀樹(bass)


2日目の3日は、フィナーレに17時から行われる屋外のジャム・セッションが予定されていました。
このセッションは、美観地区内に流れる倉敷川にかかる「中橋」をステージとして行われるもので、日暮れ以降の幻想的な雰囲気とミュージシャンたちの熱のこもった演奏があいまって、毎年とても盛り上がるのです。
しかし予報は降水確率60%でした。みんな雨が降らないことを祈っていましたが、やはり昼からはかなりの雨。





ところが、さすがに人通りは多少減ったものの、各会場はどこも満席だったようです。
この客席の熱気がステージで続出した熱演の原動力のひとつになったのは確かだと思います。





ぼくは、まず12時から喫茶ウエダに「東誠太郎トリオ」としてお邪魔しました。
実は「ウエダ」のお嬢さんはぼくの姉と小学校の同級生です。そして、ぼくは高校時代、「ウエダ」のお向かいでアルバイトしていて、当時時々寄っていた、という縁がありました。久しぶりに「ウエダ」の店内に入ったばかりか、演奏までさせていただき、ちょっと感慨無量でした。
 「喫茶ウエダ」にて この写真もあんじゅさんにいただきました。ありがとう!


「東誠太郎トリオ」は15時からは老舗の「アヴェニュウ」での出演です。
「アヴェニュウ」は各プログラムとも満席だったようです。
15時からのステージも立錐の余地もないほどぎっしりで、店内は暑いくらい。大勢のお客さまの温かい声援と拍手のおかげで弾き倒すことができました。





この日は、14時からアイビースクエア内の「オルゴール・ミュゼ」、16時からは「夢空間はしまや」で、山本ヒロユキ(piano)さんに中野江里子(vocal)さんを加えたトリオで出演させていただきました。
個々には仲良くしていただいているのですが、この三人での演奏は初めてです。
山本さんのロマンティックだけれども凛としたピアノはいつにも増して美しかった。
中野さんは高松を拠点に活躍している実力派ボーカリスト。丁寧に、それでいて感情たっぷりに歌いあげます。強烈なスキャットも印象に残りました。
この組み合わせ、けっこうオトナの雰囲気を保ちつつ、それでいて遊び心満載の楽しいユニットでした。
  
 
 「アイビースクエア オルゴール・ミュゼ」にて 山本ヒロユキ(piano)、中野江里子(vocal)、皆木秀樹(bass)



「夢空間はしまや」にて 山本ヒロユキ(piano)、中野江里子(vocal)、皆木秀樹(bass)

この後に予定されていたジャム・セッションは雨のため中止となりましたが、セッション会場の中橋の脇にある観光案内所に場所を移して、改めて17時から金山隆圭グループが演奏を始めます。
案内所内は歩くのが困難なほどの人、人、人。
ぼくはセッションの仕切りを担当させていただいていたので、司会進行に徹しました。



うれしいことに、ぼくの拙いMCを楽しみにしてくださる方もいたりして、楽器を持たなくとも充実感を味わうことができました。
最後は倉敷ジャズストリートの公式テーマ曲「We Love Kurashiki Jazz Street(山本ヒロユキ作曲)」でセッション。この時ばかりはぼくもステージにあがり、ソロパートでは村上知加恵さんとピアノを連弾して楽しませていただきました。
最後はたいへんな盛り上がりで、「時間の都合があるのでこれで終わりです」と伝えたにもかかわらず、曲が終わっても拍手が鳴りやみません。そしてアンコールを求める手拍子。そのお客様の笑顔と、その意味を、その時いた若いミュージシャン達はわかってくれたと思います。
悪天候の中、損得抜きで最期まで残ってくださり、演奏技術の高低よりも、全力で演奏するミュージシャン達に意気を感じて後押ししてくださった笑顔と拍手です。
きっとこの経験は、彼ら若手ミュージシャンの音楽人生をもっと明るく豊かなものにしてくれると信じています。
そして、ぼくの拙い仕切り・指示にすべて従ってくださって、深く感謝しています。


プログラムがすべて無事終了したあとは、打ち上げです。いろんな濃い話ができたし、仲良くなれた人もいたし、最後まで楽しいイベントでした。関わった皆さま、おつかれさまでした。そして大勢の方にお世話になりました。ありがとうございました。

 甘いもので疲労回復の美女ふたり。

 乾杯!おつかれさまでした。

 
濃い音楽談義に花が咲きます                            両手に名花!(^^)


気がつけば、たくさん周りにおられた先輩方の姿が見えなくなり、いつしか後輩達ばかり。そして年々好きなようにさせてもらえるようにはなりましたが、同時に耳に痛いことを言ってくださる方の数もわずかになってしまいました。
その中でジャズストに向ける自分なりの思いがあります。
それは、年齢とか役目のあるなしに関係なく、自分のできることがあれば精一杯やってみよう、ということです。


今回一番頑張ってみたことは(前回も頑張ったことだけど)、出演者・スタッフ問わず、とにかくタグを付けた人を見かけたら挨拶をするということでした。
でも反応のない人に凹んだり、気後れした瞬間があったりで、100%はできなかったなあ。そこが自分の未熟な部分です。情けないというか、悔しかったですね。でも、来年も出演の機会を与えてくださったら、これは続けて頑張ってみようと思います。
 
スタッフさんの頑張りなくしてジャズストなし                    アヴェニュウの名物お母さん


ただ「ジャズストが好き」「協力したい」というだけで、スタッフ証を持ってなくても走り回っていた方々。雨の屋外でひたすら役割をこなしていたボランティアの方々。アベニュウのバックステージで疲れ果ててうたた寝をしながらも演奏終了後から深夜の作業に立ち向かっていたスタッフ達。いろんな折衝をこなし、ただただミュージシャンが演奏に没頭できるよう陰で奮闘し続けていた裏方のみなさん。
おつかれさまでした。ありがとうございました。



この写真は本栄寺の出演時に、ステージから撮ったものです。
「いつも撮られる立場やから撮らしてもらお」とMCで冗談めかして言って、カメラを向けました。
どこを見ても笑顔ばかりです。
ぼくが演奏し続けている理由のひとつは、この笑顔を見たいからです。


正直ヘトヘトになりました。でも心からのやり切った感と、満足感を味わうことができて、幸せです。


来年は11月1日(土)~2日(日)に開催されます。その頃また美観地区でみなさんの笑顔を見たいと思います。


※写真は、あんじゅさん、森永くん、とどさん、大野さん、しばさん、ちえちゃん、上原くんにいただきました。




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コメント (2)
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